思春期

反抗する娘に父はどう接するべき?思春期女子がイライラしている原因

思春期女子がイライラしている原因

昔は「パパ、大好き!」なんて言っていた娘が、今や暴言の嵐、いつも不機嫌…。
こんなお悩みをもつご家庭は少なくありません。
反抗期を迎えるのはごく自然なことなので、お子さんの成長を喜びたいところではありますが、お子さんのひどい言葉づかいを毎日聞くのはつらいですよね。
今回は、思春期女子がイライラしている原因と、父親と娘がコミュニケーションをとるコツについてまとめました。

INDEX:

 

思春期女子の反抗期。イライラしているのはなぜ?

 

体の成長に心が追いつかない

 
思春期には体が急激に変化しますが、心はまだまだ不安定です。
「脳の完成は幼児期ごろ」と言われてきましたが、近年の研究によって、10代の脳は未成熟の段階だとわかってきました。
不安や怒りをコントロールする前頭葉が未発達のため、気分の浮き沈みが激しくなり、わがまま・自分勝手といった「自己中心性」が強くなります。

また、第二次性徴を迎えると、性ホルモンの分泌が活発になり、ホルモンバランスがくずれます。
体の変化に戸惑いや恥ずかしさを感じたり、わけもなくイライラしたりしがちです。
親よりも友人との関係を優先するようになり、親に隠し事をしたいという気持ちもあらわれます。
 

自立と依存の葛藤

 
思春期には、「親から自立したい」「でも、離れるのは不安…」という気持ちの間で揺れ動きます。
子どもは「いつまでも親に守られていてはいけない、自立しなければならない」という欲求をもっています。ですが、これまで長い間親に守られて生活してきたのに、いきなり親元を離れるのは不安が大きいもの。

この時期の子どもには、「両価性(アンビバレンス)」が見られます。
両価性とは、例えば親に悪態をつき、ほんの数分後には甘えてみせるといった、矛盾した態度のことです。
自立と依存の間で葛藤するため、精神的にも不安な状態が続き、イライラを親に向けやすくなります。

自立と依存に揺れる思春期

 

自分に自信が持てない

 
思春期に近付くほど、子どもは自己肯定感が低くなる傾向にあります。
自己肯定感とは、自分の価値を肯定できる感情のこと。自己肯定感が低いと、自分に自信を持てず、どのような活動にも消極的になりがちです。

また、自分と他者を比較して、劣等感を抱きやすい時期でもあります。
SNSで充実した書き込みを見ると嫉妬したり、メディア上のかわいらしい女性像と自分を比べて落ち込んだりします。
周りからどう見られているかを気にするようになり、ネガティブな考えに陥りやすい時期です

 
参考:文部科学省:日本の子供たちの自己肯定感が低い現状について

父は娘にどう接する?思春期女子とのコミュニケーションのコツ

 

サポート役に徹する

 
思春期の女子は心の不安定さからくるイライラを、父親にぶつける傾向にあります。
父親は娘との距離が離れたように感じ、以前のようなコミュニケーションはできなくなりますが、思春期を理解して娘の自立と母親のサポート役に徹しましょう

娘が避ける場合も、コミュニケーションを諦めてはいけません。「おはよう」「おかえり」といった日常の挨拶を、1つひとつ大切にしてください。
そして、「困った時はいつでも相談にのる」という姿勢を見せるのが大事です。車の送迎や力仕事など、娘から頼られることがあったら、チャンスだと思って引き受けましょう。
 

伝え方に注意する

 
過度な機嫌取りは必要ありません。
腹が立つことや心配していることなど、伝えたいことは我慢せずに伝えましょう。
一番大切なのは、伝える際の言い方です。
思春期は自立しようとする時期なので、上から目線は逆効果
子どもの感情の起伏に左右されず、必要なことを端的に伝えるのが効果的です
 

感情のまま怒るのは逆効果

 
娘の度重なる悪態に、ついカッとなることもあるでしょう。
父親も人間ですので、怒りのスイッチが入ってしまい、言わなくていいことや普段ためていた思いが止まらなくなる恐れがあります。そうなれば、娘の心はいっそう父親から離れていくでしょう。
こうした事態を未然に防ぐため、娘の行いに対する応え方や言い方を考えておくのがおすすめです。
また、暴言や心配な行動には、否定から入るのではなく、話を聞いてあげるようにしてください。どうしてそんな問題行動を取ったのか、娘自身が自分を振り返りつつ、答えを見つけられるよう話を聞きましょう。
 

ともに考える姿勢を見せる

 
必要とされたら相談に乗り、娘と同じ目線で経験談や失敗談を話してみてください
正しい情報や感情のコントロールなど、具体的なアドバイスも大事です。
子どもが悩み、視野が狭くなっているようであれば、新しい趣味や活動を一緒に探すのもおすすめです。
悩みに対する答えは一つではなく、さまざまな考え方があることも伝えてあげましょう。
 

嫌がられることはしない

 
父親からのスキンシップやボディタッチは嫌がられ、コミュニケーションとはいえない場合もあります。
たくさんスキンシップをとりながら一緒に遊べる幼少期とは違い、父親としては寂しくもありますよね。
自立を目前に迎えた新たなステージと前向きにとらえ、思春期を終えたときに1人の人として対等に話せる日を楽しみにしてください。

まとめ

思春期の女子は、心の未成熟にともなうイライラや葛藤、自分への自信のなさから、父親に冷たくあたる機会が増加します。
父親が娘に接する際は、娘の自立と母親のサポートに徹しつつ、頼られたときは寄り添ってあげてください。問題行動をいさめるときは、伝え方に気を付けつつ、冷静に対応しましょう。
親御さんにとって今はつらい時期かもしれませんが、お子さんもまた悩み、葛藤しています。
お子さんが人間として成長するために、おだやかな心持ちで温かく見守ってあげてください

語らう父と娘

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