「半端ない」の意味は?

 

では、「中途半端でない」ことを「半端ない」と言うのは間違っているのでしょうか? まず「半端」の意味を見ていきましょう。

【半端】
①数・量が揃わないこと。はした。例:「半端が出る」「半端な仕事」「半端物」
②どちらともつかないこと。例:「中途半端」「半端な気持」
③することに抜かりがあるさま。まぬけ。例:「半端者」

(広辞苑 第七版/岩波書店 より引用)

①全部揃っていないこと、不完全なこと。例:「半端な数/どうしても半端が出る/半端物/中途半端」
②どちらともつかないこと。例:「半端な気持/半端な待遇」

(新明解国語辞典 第八版/三省堂 より引用)

ということは「半端ない」とは、全部揃っていること、不完全なこと、抜かりがないこと、どっちつかずでないこと、になりますね。中途半端ではないとも言えるでしょう。

 

では、「半端ない」と言ってもいいの? 間違いではない?

 

 

 

「半端ない」を辞書で引いてみると、このようにあります。
(「半端でない」の省略から)はなはだしい。ものすごい。例:「人手が半端ない」
(広辞苑 第七版/岩波書店 より引用)

口頭後では、「半端じゃない」の形で、そのことの程度が並大抵ではない、の意で用いられる。例:「あいつの怒りようは半端じゃない」
(新明解国語辞典 第八版/三省堂 より引用)

「半端ない」という言葉は、おそらく昔から辞書には掲載されていた言葉ではないでしょう。ですが、今はこの言葉が浸透してきたことにより、一部の辞書にも掲載されており、「ものすごい」場合に使われることがあるようです。
 

構成・文/高橋香奈子

 

 

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