わが家には5歳の長女ともうすぐ3歳になる次女がいます。兄と弟に挟まれて育った私は「姉妹」に強い憧れがありました。長女と次女が仲睦まじくキャッキャッと戯れているところを見ていると本当に幸せな気持ちになります。
義両親は、面と向かってはっきりとは言いませんでしたが、「跡取り」になる男の子が欲しかったみたいです。「仕方ないわよね」という義母の言葉が胸に突き刺さりました。
でも娘たちは世界で一番大切で尊い、私たち夫婦の子どもです。義母や親戚たちに何と言われようが構わない。私は、娘たちがくれる幸せに満たされながら笑顔で生きて行こう。そう心に決めました。
しかし……。
夫の弟の家に男の子が生まれた途端、義両親はお祭り騒ぎ。生まれた直後から「初節句の兜はどこにしようかしら~?」と浮足立っています。
生後3ヶ月になって親族への「赤ちゃんお披露目会」があったときには、全身から幸せオーラを爆発させていました。うちの娘たちが生まれたときも確かに喜んでくれましたが、明らかに浮かれ具合が違うような気がします。
どうして男の子だと特別に嬉しいの? 言いようのない、もやもやとした感情に包まれていきました。
※全4話