野党同士一騎打ちの激戦「長崎3区補選」!告示日前情勢調査の結果は?
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 2024年4月17日に公開された動画のテーマは「激戦 どうなる衆院長崎3区補選?」です。 選挙ドットコム編集長の鈴木邦和と選挙ドットコム編集部で情勢調査を担当する中山智貴が、野党の一騎打ちとなった「離島」長崎3区補選の、告示前情勢調査の情報を細かくお伝えします。 【このトピックのポイント】 ・長崎3区は野党第一党を争う立民vs維新の争いに ・告示前情勢調査では、立民・山田氏がリード ・無党派層5割の動きはこれから
立憲vs維新の一騎打ち 野党第一党をめぐる戦いの影、自民不在の事情
衆議院議員補欠選挙長崎3区では、山田勝彦氏、井上翔一朗氏の2人が立候補しました。
今回、この選挙区は、自民党が出馬せず、「不戦敗」となり、立憲民主党と日本維新の会の一騎打ちとなったことが特徴です。 中山智貴「今回の構図は、野党第一党を次の総選挙で争う政党同士が、力比べというか、しのぎを削る戦いの場になるのかなと」 MC鈴木邦和も、両党だけが出馬する選挙はなかなかないと同意。次の衆院選でどちらがどれだけ票を伸ばせるかを測ることができる争いになりそうだ、と語ります。 今回、立候補者不在となった自民党。「政権の通信簿」と呼ばれる補選で候補者の擁立を見送ったのはなぜでしょう。 2022年の公職選挙法の改正で小選挙区が減り、4から3になる長崎県。 次の選挙からは、旧3区の一部と旧4区の全域がひとつになった新3区になります。 自民党は、ほかの選挙区で支部長が内定している中、今回立候補者を調整しても「リターンが低い」と見なしたと想定されます。
告示日直前の情勢調査では、立民・山田勝彦氏がリード
告示日直前の4月13日(土)14日(日)に、選挙区内の有権者を対象に、電話+ネットのハイブリッド調査を実施しました。 立憲民主の現職(比例当選)の山田勝彦氏がリード、維新新人の井上翔一朗氏が追う展開となっていますが、全体の5割が態度を明らかにしておらず、情勢は流動的です。 両候補者の構図は、以下の通りです。 山田氏:立憲支持層&共産支持層の9割を固めている状況。また、無党派層・自民支持層・公明支持層の2割からも支持。 井上氏:無党派層の1割、自民支持層の2割が支持。 MC鈴木邦和は、前回も同じ選挙区から立候補した山田氏が、立憲と共産の支持層を固め、「知名度が浸透している」と推察します。 井上氏は、上記に加え、維新の支持層の半数も固めているという調査結果が出ています。しかし調査実施の段階で選挙区内の維新支持層の出現数が少なく、この点については「参考程度」と判断を保留しました。 自民支持層の取り込みは、両陣営ともまだ2割程度。自民党支持が厚いこの地域、今後どちらの陣営が取り込めるかがポイントです。 長崎3区は、長崎空港を擁する大村市(選挙時登録有権者数79,841人)が最大の街となる選挙区です。小選挙区比例代表制になってから、自民党と民主党で激しい接戦を繰り返してきた経緯があります。 古くは自民党の虎島和夫氏、民主党の山田勝彦氏の父の正彦氏が戦いを繰り返したものの、小選挙区は、2009年の政権交代以外では、基本的に自民党が小選挙区で勝ってきました。 直近2021年の選挙戦では、山田勝彦氏が初めて立憲民主党から立候補。自民党の谷川弥一氏(政治資金パーティーをめぐる事件で議員辞職)と大接戦を繰り広げました。 MC鈴木邦和「2021年は僅差でしたよね、2,000票くらいでしたか」 中山智貴「対馬市や壱岐市など5つの地域で谷川氏が勝利、佐世保市や大村市など5つの地域で山田氏が勝利する、たいへん大接戦だった地域です」 面積が広い上に離島もあり、「全国的に見ても相当、選挙戦が難しい地域」と分析します。