Z世代に飲みニケーションは不必要? 職場の会話で齟齬が判明
近年、3年以内に離職する人が多く、経営者や採用担当・人事が頭を悩ませる問題になっています。企業の数に対して、人材不足が言われている昨今、戦力になりそうな人材や即戦力の人材は貴重です。 【ポイント解説付きで読む】Z世代に飲みコミュニケーションは不必要? 職場の会話で齟齬が判明 そのため、各企業が採用に多大なコストをかけて、「いい人材」とされる人を得られるように競争する状況が生まれています。早期に転職されてしまっては、教育コストのみならず採用コストもかさみ、大きな損失になってしまうということです。 「どのようにすればZ世代の離職を減らせるか?」はSNSを見る限りでも、多く議論されています。そこで、LIMO・U23編集部では、先輩から聞く話なども交えつつ、離職率につながっているであろう「コミュニケーションの齟齬」について論じていきます。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
Z世代が「職場コミュニケーションではない」と思っていること
●飲み会で話をする 忘年会を実施する企業は多いですが、忘年会も日ごろ実施されるものも、飲み会は基本的にプライベートの時間。ライフワークバランスを重視するZ世代のなかには、飲み会なしで職場コミュニケーションを図りたいと望んでいる人も。 それだけでなく、若手にとって苦痛な時間になりがちです。飲み会の場では、ついつい上司の態度が大きくなり、部下が遠慮してしまうということがあるからです。 そのとき、上司と部下の会話と言うよりも、上司の一方的な話を聞いているだけになることもしばしば。 特に、上司の「若い時は~」という苦労話や「知り合いが有名人で~」といった自慢話は、「上司を満足させる」「満足させるまで話を聞く」というZ世代にとっては。この状況は「コミュニケーション」とはいえないでしょう。 さらに「恋人いそう・いなさそう」というような、セクハラになる発言も出てくるため、いわゆる「飲みニケーション」を避ける人もいます。 また、これまで恋愛至上主義といわれてきましたが、社会変化によって価値観が大きく変わってきました。楽しめる娯楽が増え趣味に興じる人もいれば、将来の貯蓄に不安を覚え、恋愛や結婚を避ける人もいます。 ジェネレーションギャップを埋めるのは難しいことですが、お互いに気持ちよく話せる環境が整ってこそ、コミュニケーションは成立するのでしょう。 ●プライベートの話をする 話してもいいプライベートな話題と、公私混同させないために話したくない話題がある人は多く、Z世代の間ではかなり慎重に会話が交わされる傾向があります。 プライベートに仕事を持ち込みたくないのと同様に、仕事にプライベートの事情を持ち込みたくない気持ちは、筆者にもよくわかります。プライベートの話で偶然気が合って、上司から休日のお誘いを受けると、断ることもできずストレスにつながりかねません。 Z世代は、仕事の外での深い関係性を求めていないことがわかります。 また、プライベートの話をして、価値観の違いから否定されることを避けたいという理由も考えられます。そうならないように、プライベートの話は気の合う友人とだけで話し、上司にはしたくないZ世代は多いのではないでしょうか。 ●仕事の自慢話をする 飲み会でも好ましく思われないことが多い自慢話。アドバイスのつもりでZ世代に自慢話だと捉えられてしまうことがあります。 すごい上司だと思われたいという気持ちなどを敏感に察知してしまうため、客観的なアドバイスではなく、主観的な要素が多いとゲンナリしてしまうことも。 Z世代と目上の人たちでは、育った環境やおかれた環境が異なります。アドバイス自体が、時代錯誤に感じてしまうこともあります。 そして、一度、今使えるアドバイスではなく、自分の経験談を延々と語っているように捉えられてしまうと、アドバイスではなくただの自慢話に聞こえてきます。 本当に届けたい思いがあったとしても、残念ながら響かなくなってしまうかもしれません……。