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世の中の夫婦は交際何年で結婚しているか?平均値ではなく中央値で見る結婚決断の分岐点

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
(写真:イメージマート)

夫婦の交際期間平均値

結婚した夫婦は交際何年で結婚するのだろうか?

出生動向基本調査には、結婚した夫婦の「出会った年齢」と「結婚した年齢」のデータがある。そこから夫婦の平均交際期間が割り出せる。

恋愛結婚の場合は2015年時点で平均4.6年。見合い結婚(結婚相談所含む)の場合は平均1.3年であった。結婚を目的として出会う見合い結婚の交際期間が短いのは当然だが、見合い結婚の交際期間が1992年以降それほど変化ないのに対して、恋愛結婚は1992年の3.4年から、2015年には4.6年へと約1.2年も延びている。

こうしたところにも晩婚化があらわれており、同時になかなか結婚へ踏み切れない若者の経済事情も反映されているとみるべきだろう。

この年齢で相手がいないと平均じゃない

一方で、この平均交際期間から逆算すると、何歳までに結婚するには何歳までに相手と出会っていないといけないかがわかる。

2015年時点の夫の平均初婚年齢は31.1歳である。平均交際期間4.6年ということは、結婚する相手と少なくとも26.5歳には出会っていないといけないことになる。同様に妻の2015年平均初婚年齢は29.4歳であるから、こちらも24.8歳には結婚相手と出会っていないといけない。

つまり、男性26.5歳、女性24.8歳時点で付き合っている相手がいない人は平均的な結婚年齢に間に合わないという計算になるのである。

写真:イメージマート

もちろん、あくまで平均なので、それより短い人もいれば、長い人もいるだろう。しかし、4.6年の交際期間は、既婚者の自分の経験と比べて長すぎるのでは?という印象を持つ人も多いかもしれない。実は、その印象は間違ってはいない。

平均交際期間が4.6年になってしまうのは、実は交際期間4年以上の夫婦の構成比が多いからである。4年以上の交際期間を経て結婚した夫婦の割合は約4割弱になる。その中には10年以上の交際夫婦も含まれる。

つまり、この4割弱の4年以上交際夫婦の比率によって平均が押し上げられているのだ。逆にいえば、6割の過半数は4年未満で結婚しているのだ。

交際期間中央値は?

そこで、中央値を計算してみよう。内閣府の平成31年「少子化社会対策に関する意識調査」から20~50代夫婦の子無し・子有り別に交際期間中央値を独自に算出したものが下記である(平均値が出生動向基本調査と微妙に違うのは元データが異なるため)。

子無し夫婦の場合、夫は3.12年、妻は2.89年となった。平均期間より1年以上短いのは、6割が4年未満で結婚しているからである。平均値は一部の高い値があるとそれに引っ張られてしまうが、中央値は丁度半分にあたる50%の値を示すものであり、より実態に近い。

子無し夫婦に比べて、子有り夫婦の交際期間中央値が短くなるのは「授かり婚(できちゃった婚)」の影響もあるだろう。

決断の目安は3年

そう考えれば、男女とも3年の交際期間が結婚するかしないかを決断する分岐点と考えてよいかもしれない。3年以上付き合っているのに一向にプロポーズもない男性に対しては、女性からプロポーズするか、見切りをつけて別れるかした方がよいかもしれない。

もともと男は結婚に対して受け身がちなので、待っているだけではプロポーズしてこない。自分から言い出しにくいという女性は、男性が「プロポーズをせざるをえない状況に追い込む」ことが肝要だし、実際結婚している夫婦は、妻のそうした罠…失礼、お膳立てがあってのことが多いのである。

写真:アフロ

大きなお世話だが、独身だと思って2年以上も付き合っていたら、相手は既婚男性だったという事例も決して少なくない。

特に、結婚を急ぐ必要もない場合は別だが、日本の結婚期間別離婚件数の中でもっとも割合が高いのが5年未満である。結婚する前に、二人の関係性が壊れる可能性が高いのも5年未満の間柄ともいえる。

結婚するにしろ、「はい、次」と見切りをつけるにしろ、目安は3年。

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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