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太陽系は最も珍しい分類の惑星系だと判明!最新研究で解明された新事実とは

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「太陽系の構造はどれくらい特別なのか?」というテーマで動画をお送りしていきます。

太陽系の歴史や、生命の探査を行う上で、太陽系の構造が他の惑星系と比べてどれほど特別なのかを知ることは極めて重要です。

そんな中、太陽系の特異性を知る上で役立つ可能性のある研究成果が発表されていました。

●系外惑星の探査

太陽系外惑星(系外惑星)は、今から30年ほど前の1992年に史上初めて発見されるまで、存在するはずだけど発見例がない、SFの世界にのみ登場する仮説上の天体でした。

これほど最近まで発見されていなかったのは、系外惑星が地球から非常に遠い場所にあるのもそうですが、恒星のように自らエネルギーを生み出して輝く天体ではないため、非常に暗く観測が困難なことが原因です。

ですが2009年~2018年まで活躍したケプラー宇宙望遠鏡を筆頭に、観測技術の大きな進歩もあり、2023年7月時点で系外惑星は約5500個、複数の惑星を持つ「多重惑星系」も約900個発見されており、現在ではありふれた存在といえます。

特に多くの系外惑星の発見に成功した観測手法として、「トランジット法」と「ドップラー分光法」が挙げられます。

トランジット法は恒星の光が周期的に暗くなる瞬間を観測し、その前を周期的に横切る惑星の存在を明らかにします。

またドップラー分光法は、恒星の光の波長が周期的に伸び縮みする様子(ドップラー効果)を観測します。

ドップラー効果は恒星が地球から見て接近、後退する際に起こります。

つまりそれが周期的に起こる恒星の周囲には、恒星を重力で周期的に揺さぶる惑星が公転していることが理解できます。

●太陽系の惑星の並びは特別なのか?

○似ている惑星系が見つからない

これまでに約900発見されている多重惑星系のうち、性質が太陽系と比較的近いとされているものとして、地球から40光年ほど彼方にある「かに座55番星」が挙げられます。

まず類似点として、太陽系の木星と同じくらい主星から離れた位置に、木星型ガス惑星(d)があります。

また、主星に近い位置に岩石惑星(e)があります。

かに座55番星を太陽系に似ている惑星系の例として紹介しましたが、似ていると言ってもこれくらいです。

さらに主星に近い位置にある岩石惑星eも、太陽系には見られないほど超至近距離にあります。

では続いて太陽系との相違点ですが、まずかに座55番星にはホットジュピター(b)があることが挙げられます。

太陽系では、これほど主星から近い位置に巨大なガス惑星は存在していません。

さらに、主星がそもそも連星系であり、主星から1000天文単位ほど離れた位置にもう一つ恒星があります。

このように比較的「近い」と言われるものでも、太陽系とは性質が全く異なっています。

また、ケプラー宇宙望遠鏡が2009年に観測を始めてまもなく、多重惑星系に属する複数の惑星のサイズは、それらが似たような大きさのものが並んでいるケースが多いことが分かりつつありました。

太陽系の場合、水星のような比較的小柄な岩石惑星がある一方、木星など巨大ガス惑星もあるので、当然この分類には当てはまりません。

このように太陽系の並びが特殊なのではないかという疑いはあったものの、その特異性を定量的に示すことはできていませんでした。

○惑星系の並びを比較する4つの分類

惑星系の惑星の大きさや並び方を定量的に評価し、太陽系の惑星の並びの希少性を理解するため、ベルン大学などの研究チームは、惑星系を4つに分類する枠組みを開発し、2022年11月にその成果を発表しました。

このモデルによって惑星系に属する惑星の並びが正しく評価され、他の惑星系とも特徴が比較できるようになりました。

惑星系の4つの分類には、「類似タイプ」「正順タイプ」「逆順タイプ」「混合タイプ」があります。

類似タイプの惑星系では、似たようなサイズの惑星が並んでいます。

また正順タイプの惑星系では、主星の恒星から遠ざかるにつれて惑星が大きくなる傾向があり、逆順タイプではその反対に遠ざかるほど小さくなります。

混合タイプでは、惑星のサイズも並びもバラバラです。

この4つの分類を作ったことで、現時点でも惑星系の性質について判明していることがいくつかあります。

まず、最も一般的なのは「類似タイプ」の惑星系です。

この結果はケプラー宇宙望遠鏡の観測データから得られていた特徴とも合致しています。

具体的には惑星系全体のうち8割はこれに当てはまるそうです。

そして意外にも、最も希少なのが「正順タイプ」です。

太陽系の惑星の並びはまさにこの分類なので、太陽系の構造が他の惑星系と比べて珍しいものであるという定量的な証拠が得られました。

またこの惑星の並びに関する4つの分類は、その惑星系の初期条件と深い関連があることもわかっています。

惑星系に存在する重元素が少なく、主星の恒星やその周囲の塵円盤の質量が小さい場合、「類似タイプ」の惑星系が形成されやすいそうです。

類似タイプの代表例である「トラピスト1系」についても、その主星が恒星としては小さな赤色矮星となっています。

また重元素が多く、大質量の恒星や塵円盤からは「正順タイプ」や「逆順タイプ」が形成されやすく、中程度の場合だと、「混合タイプ」になりやすいそうです。

●結論

今回新たに得られた結果から、太陽系の惑星のサイズ比や並び方は非常に特異であると言えそうです。

このように、太陽系が他の惑星系と比べてどのような特徴を持っているのかを正確に理解できれば、それに伴って新たに様々なことが理解されます。

まず、太陽系の現在の配列はその形成・進化の歴史に関わっているため、それらを知ることに繋がります。

また、太陽系と性質が似た惑星系には、そうでない惑星系と比べて地球のように生命に適した環境を持つ惑星がある可能性が高いと判断すれば、そのような惑星系にて優先的に生命探査を行うこともできます。

最新最強の性能を持ち、今この瞬間も大活躍を続けている「ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡」は、太陽系外惑星の探査も非常に得意としています。

今後も太陽系外惑星探査の分野の発展に期待しましょう。

https://www.aanda.org/articles/aa/full_html/2023/02/aa43751-22/aa43751-22.html
https://www.sciencedaily.com/releases/2023/02/230214154018.htm
https://telescope.live/blog/researchers-classify-four-architecture-types-planetary-systems
https://en.wikipedia.org/wiki/55_Cancri
https://en.wikipedia.org/wiki/Planetary_system

「宇宙ヤバイch」というYouTubeチャンネルで、宇宙分野の最新ニュースや雑学などを発信しているYouTuberです。好きな天体は海王星です。

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