死刑と無期懲役のはざまで、“マル特無期”の男達が心境を語る
死刑判決を受け、一時は“命”を完全に諦めた男達が獄中で心境を語った。
無期懲役囚B(70代後半・殺人・服役37年)
「罪名は殺人です。保険金殺人です」
現在、Bは工場で高齢者の世話をしている。
無期懲役囚B
「ここでお世話した人が何人も亡くなりました」
逮捕後、罪を後悔し死刑を望んでいた。
無期懲役囚B
「(死刑を)覚悟しました」
しかし2審で無期懲役、命が繋がった。
無期懲役囚B
「無茶苦茶嬉しかった。一晩寝れなかった。一晩寝たら判決は嘘だったと言われるじゃないかと。その一晩が人生で一番つらかった」
被害者が2人いて、死刑を免れないケースだった無期懲役囚C。しかし、裁判官が21歳と言う若さを“更生の可能性あり”と判断したのか減刑された。
無期懲役囚C(60代・殺人・強盗殺人 服役36年)
「死刑判決を受けた時は、頭が真っ白になった。(被害者は)関わり合いのない人でした」
減刑の瞬間、俄然生きる意欲が強くなったという。
無期懲役囚C
「一度は失った命だったので、もう一度人生をやり直したい」
しかし36年にも及ぶ受刑生活に、出口は全く見えない。検察の死刑求刑に対して“無期懲役”になった者は塀の中では“マル特無期”と呼ばれ、なかなか仮釈放が実現しないのだ。
Dは希望して4人の集団室で生活している。
無期懲役囚D(70代・強盗殺人 服役22年)
「(自分たちの)犯罪の話はしない、する必要がない」
経営していた会社が倒産、多額の負債を抱え強盗殺人事件を起こした。裁判で犯行を全面的に認め減刑されたが、共犯者は死刑の執行を待つ身だ。
記者
「減刑で無期懲役になったときは、どんな感じでしたか?」
無期懲役囚D
「涙が止まらなかった。生かして頂いたという気持ち。与えられた命を粗末には出来ないと。だから生き抜く。絶対に外に出て死ぬ、何歳になろうと」
Dの頭から離れないのは、殺害される直前の被害者の表情だ。
無期懲役囚D
「毎日思い出す。(被害者の)目線、目の光、助けてくれと。鮮明に映りますね、忘れることはできない。息絶える前ですね」