社会問題となっている、教師の長時間労働。授業準備や保護者対応に加え、部活の顧問や、雑務など、その業務量の多さから体調を崩したり、精神的に病んだりして退職していく教員も多数。また、年々なり手が減っているのが現実です。

そんな中、愛知県名古屋市のある公立中学校では、新たな取り組みで教員の負担軽減を行っています。取り組みの内容を取材しました。

教師の約77%が上限「月45時間」を超える残業

ここが新たな取り組みの舞台、名古屋市立八幡中学校。毎日行われる朝のホームルームの後に、生徒に担任の先生の名前を聞いてみると…

(3年生の生徒)
「(Qこのクラスの担任の先生の名前は?)土屋先生と、加藤先生と、髙橋先生と、牧先生と、吉田先生です」

八幡中学校では、2022年度から一般的な担任制度を廃止。全国的にも珍しい、「担任チーム制」を導入しています。この制度では、3クラスを5人の教師が担当し、週替わりで担任するクラスをローテーションします。その理由は、教師の“長時間勤務”の解消です。

以前から問題となっている教師の長時間勤務ですが、文科省の最新調査によると、中学教師の約77%が国の定めた上限の「月45時間」を超える残業をしていました。未だ8割近い先生が過剰勤務をしている実態が浮き彫りに。文部科学省が取りまとめた教師の仕事一覧では、事務作業や校内の安全点検、地域の人への対応など仕事は膨大です。

この週、3年C組の担任をしていた土屋裕樹先生に話を聞きました。

(土屋裕樹先生)
(Q中学校の先生の業務は多い?)
「明らかに多いと思います。日々の授業に本当は、みんな力を入れたいけど、そこまで準備する余裕がないくらい、いろんなことが降りかかってくる。」