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クレバーさと肝っ玉を併せ持つ西武・平良海馬 自ら選択した異例の「申告敬遠」に込めた信念と覚悟

 ◆ソフトバンク2―4西武(13日、ペイペイドーム)

 先発転向を直訴して臨んだシーズン。西武の平良は「信念」と「覚悟」を持って毎試合マウンドに上がっている。その強い思いが異例のシーンとなって表れた。両チーム無得点で迎えた5回。2死から連打され、3番の近藤には2ボールとカウントを悪くした。ここで平良は豊田投手コーチをマウンドに呼んで意思を伝えた。申告敬遠―。次の打者は4番の柳田にもかかわらずだ。

 「(近藤に)ストライクを取りにいって打たれるのが嫌で、カウント(0ボール0ストライクから)柳田さんと勝負した方がいいと思って」

 立ち上がりから真っすぐが走らず、本調子ではなかった。だからこそ、ピンチを切り抜けられる確率が高い選択をしたという。塁を全て埋めても、柳田の心情を考慮しても迷わなかった。結果はスライダーを中前に運ばれ、2点を失った。それでも勝利を追求する右腕の姿は味方打線に伝わった。6回から小刻みに得点し、終わってみれば逆転勝ち。今季2度目の同一カード3連勝だ。

 昨季の最優秀中継ぎ投手は、これでチームトップの6勝目。この日も7回を2失点にまとめるなど抜群の安定感を誇る。「リカバリーも調整も慣れてきてリズムをつかんできた。非常に早い対応で先発として良くやってくれている」と松井監督の信頼も厚い。「(申告敬遠の後に)しっかり打たれてしまいました」。ヒーローインタビューの言葉とは別に、落ち着き払った平良の顔にはたくましさがにじんでいた。(西口憲一)

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西口 憲一

西口 憲一

編集委員

立命館大学でアメリカンフットボールに打ち込み、「人の心を動かし、心に残るような記事を書きたい」とスポーツ記者を志しました。 1993年西日本新聞社入社。 運動部からスタートし、以来、福岡→大分→福岡→東京→福岡→東京→福岡。 主にプロ野球(ダイエー、ソフトバンク、西武)やソフトボールを取材。1999年ダイエー初優勝、2008年北京と2021年東京の両五輪でのソフトボール金メダル獲得に心が震えました。 現在はバレーボールVリーグ女子の久光スプリングスの記事も書いています。福岡市出身。

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