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急造捕手が下級生リレーを好リード 神村学園、2季連続の4強進出【高校野球春季九州大会】

 ◆高校野球春季九州大会準々決勝 神村学園4―3大分(24日・さがみどりの森)

 神村学園(鹿児島)が接戦を制して2季連続のベスト4進出を決めた。

 スタメンでマスクをかぶったのは本来は一塁手の藤田侑駿(3年)。正捕手の木下夢稀(同)が初戦で負傷したため、捕手として出場した。

 小、中学時代も捕手の経験はなく、大会の2週間前から本格的に捕手の練習を始めたという。対外試合での捕手の経験は練習試合の4イニングのみ。背番号3の急造捕手が背番号2桁の下級生投手3人をリードしてチームを勝利に導いた。藤田は公式戦初の捕手での出場に「最後までできてよかった」と大役を果たし、安堵(あんど)の表情を見せた。

 小田大介監督は正捕手不在の事態に「気持ちが強くて根性がある。普段の練習態度を見て任せようと思った」と未経験の藤田を指名した理由を説明した。藤田は試合に、備え木下からキャッチングや配球のアドバイスを受けた。「木下は『自分が試合に出たい』と思っているはずなので、あいつの分まで頑張ろうと思いました」。8回には二塁への送球で盗塁を阻止した。内野手だけに「スローイングには自信があります」と笑みを見せた。

 投手は2桁背番号を背負う3人の2年生リレーで逃げ切った。3回無死満塁から登板し6回2/3のロングリリーフで1失点(自責0)の好投を見せた2番手の千原和博(2年)は「最初は不安もあったけど、安心感に変わりました。変化球もちゃんと止めてくれて安心して投げられました。今までワンポイントとか短い登板ばかりだったので自信になりました」と公式戦で初めて組んだ藤田に信頼感を寄せた。

 守備のミスが出るなど苦しみながらの1点差の辛勝だったが、夏へ向けての戦力アップを目指すチームにとっては価値ある勝利となった。

(前田泰子)

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前田 泰子

前田 泰子

記者

高校野球、大学野球、社会人野球などアマ野球を中心にスポーツ全般を取材。 1992年、日刊スポーツ新聞社西部本社に入社。 2012年にフリーとなり西日本新聞、西日本スポーツのほか雑誌、ネット媒体などで執筆。 甲子園取材では担当チームが春夏通算6度優勝し、全国高校サッカーと全国高校ラグビーでも3度ずつ、担当チームの優勝を経験。記者仲間からは「強運記者」と言われるが、その運が自分に向けられたことはない。 「九州高校野球界の黒柳徹子」を目指し日々取材中!

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