京城料理店

▼都内某所をぶらついていたら、色あせたトタンぶきの焼肉屋があった。店の様子からもう営業をやめてからかなり年月が経っている感じだが、おやっと思ったのは看板に「京城」と言う名前が使われていることだった。韓国料理でも朝鮮料理でもなく京城料理と言うのが今時珍しい。

・京城料理だけでなく栄養満点のキャッチフレーズや手書きの文字からも昭和感が漂う

▼独立後韓国の首都が植民地時代の「京城」をやめ、単にソウル(みやこの意、ハングル表記のみで漢字はない)と呼称されるようなったのは戦後まもなくだが、日本でソウルが定着したのは昭和40年代(たぶん)に入ってからではないだろうか。そんなに昔のことではない。高校か中学?時代韓国の首都は「けいじょう」、北鮮の首都は「へいじょう」と習った記憶がある。手元にある当時の地図帳(帝国書院昭和38年1月刊)にもまだ京城が併記されている。ちなみに中華圏ではソウルには長い間李朝時代の旧称「漢城」をあてており、ようやく音通りに首爾 (簡体字は首尔)をあてるようになったのは2005年「ソウルの漢字表記は 首爾 にしてほしい」との韓国側からの提案に応えてからだ。当時北京に住んでいたので北京空港の行先表示が 漢城 から 首爾 に替わったのは新鮮だった。

・(左)一昔前の日本の地図帳には京城も併記されていた(右)現在中国では公式には 首爾 だが旧称の漢城も広く使われている。

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