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メンタル疾患を周囲に打ち明けるという挑戦。

これは僕の人生にとって大きな挑戦だ。

誰しも自分のプライベートな部分、デリケートな話に触れるのは勇気がいることだろうと思う。

僕の場合、自分が抱えるメンタル疾患「双極性障害」について打ち明けることの壁が非常に大きかった。
それでも、勇気を振り絞って打ち明けたことで、自分を取り巻く環境がガラッと変わった気がする。

このnoteでは、なぜ「双極性障害」を打ち明けようと思ったのか、そして、打ち明けてみてどうだったかについて書いていこうと思う。

まずは家族に打ち明けた。

メンタル疾患を周囲に打ち明けるという挑戦。_01

初めてメンタルが原因で体調を崩したのは2016年の夏頃。
当時は原因も分からずに襲ってくる不安感、焦り、緊張、無気力、悲しみなどに悩んでいた。
なんとなくネットで調べていくうちに、それが「適応障害」や「うつ病」なのではないかという疑惑を持ち始めて、家族に相談することにした。

しかし、当時は家族もその事実を受け入れられず、「心の病」があることすら疑っていた。
何度説明しても、なかなか理解してもらえず、ついには父親と衝突することさえあった。

それでも、訴えを続けていく中である程度の理解を得ることができ、何とか心療内科への通院にこぎつけることができた。

その後も通院を重ねるうちに家族の理解は深まっていき、段々と自然に病について話題にすることができるようになってきた。

気分が落ち込んで寝込んでいる時は、あまり話しかけずにそっとしておいてもらえるようになったし、できないことに対して責めたりしないでくれた。

この日常においての小さな歩み寄りや優しさが、かなり僕を助けてくれた。

そして、会社に打ち明けた。

メンタル疾患を周囲に打ち明けるという挑戦。_02

大学の友達など、大部分の相手にはセンシティブな話題なので隠して過ごしていた。

新卒入社後も、「同期や先輩、会社に迷惑をかけてはいけない」と思い、双極性障害のことは隠して仕事をしていた。

しかし、無理をしていると人間というものはボロが出るようで、仕事の最中でも頭が重くなったり、涙が溢れてきたり、文字が読めなくなったりし始めたのだ。

これはどう頑張っても隠しきれない、もしできたとしてもどこかでパンクしてしまう、と思ったので上司に打ち明けた。

当時の上司は、夫がメンタル疾患になったことがあるようで、丁寧に僕の話を聞いてくれ、対応してくれた。

なるべく休まなくても良いような働き方ができるように、人事や他部署にも掛け合ってくれた。今でも本当に感謝しています。

それでも体調が思わしくなく、2ヶ月間休職することにした。
結果的には、復職後にもう一度休職してしまい、そのまま退職してしまったけれど、当時の上司や会社の対応がとても優しいもので、かなり心を救われたのを覚えている。

その後、新しい会社に移って1年。
再び体調を崩してしまい、かかりつけ医にも外来の電気療法を勧められたので、まとまった休みを取るために休職することに決めた。

双極性障害であることも含めて、そのことを上司に打ち明けたところ、「気持ちの持ちようでどうこう変わるものではなくて、脳の機能的な問題なんでしょう?」「思い切り治療・静養に専念して、また働きたいな〜ってエネルギーが湧いてきた頃に戻ってきたら良いよ」という言葉をかけてもらった。

まさかそんなに優しい言葉をかけてもらえるとは思っていなかったので、ものすごく安心することができた。

せっかく2社目を辞めずに続けてこられていたので、休職することに対して悔しさや情けなさを感じていたが、この言葉のおかげで今、思う存分治療に専念して休むことができている。

noteでも打ち明けてみた。

メンタル疾患を周囲に打ち明けるという挑戦。_03

家族、会社ときて、最後にnoteを使って世界に自分の病を打ち明けてみた。
非常に勇気のいる作業だった。
なぜなら、言葉にしなければ「見えない」自分のいちばんの弱みを、赤裸々に公開することになるから。

それでも公開しようと思ったのは、自分と同じようにメンタル疾患を抱えていたり、もしくは別の病を抱えていたりする人が、それを我慢して隠さなくても良い社会を作りたいな、と思ったからだった。

誰かが先人をきって打ち明けていき、病気を身近な存在にしていかなくてはならない。そんな使命感を覚えたりもした。

最近では芸能人が「適応障害」や「うつ病」を告白することも増えてきたので、多くの人の耳にこうしたメンタル疾患が届くようになってきた。
これはとても大切なことだと思う。

その一方で、芸能人ではなく、どこにでもいるような等身大の僕自身が書くことで、よりリアリティあふれる体験談を届けることができるのではないだろうか。

幸い、noteでメンタル系の記事を読んでくれた人からは、「今まで抱いていたイメージが少し間違っていたかも」とか「あのnoteのおかげでメンタル疾患について知れた」などと感想をいただくことが何度もあった。

同じ悩みを持つ誰かのために、一歩踏み出して良かったと心から思っている。
これからも、メンタルヘルスに関する発信を続けて、自分の周囲から少しずつ理解を広めていきたい。

そうすれば、自ずと世界が変わっていくだろう。

#一歩踏みだした先に

Profile
Yuki Shibuya │ 423(シブサン)
97年生まれ/新卒入社を10ヶ月でリタイア→転職/双極性障害クリエイター/ALLY/Webメディア編集・ライター・イラストレーター/漫画、生きづらさ、学びについて書いてます/カントリーマアムが主食


自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。