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続・まったくの素人が彫塑で藤井風フィギュアに挑戦する<第2回>

石粉ねんどにて製作中の藤井風フィギュア。昼休憩50分チャレンジから試行錯誤を経て、久しぶりに義母のところへ教えを乞いに行きました。

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この状態で持参 髪の毛を外すとスケキヨ風 まゆ毛がないとかなり怖い 



「うーん、この間から同じところをさまよってるね。しかも風さん、かなり彫りが深くなってる…(笑)」


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前回、見せたのはこちら 清塚さん入ってる?


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こうなって…


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こうなったのはいいが


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髪の毛が上手くいかないので、バランスを見るために外す ちょっと遊んでみた(笑)


わかっているようで難しい 西洋人と東洋人の骨格の違い


「そうなんですよ。解剖学のテキスト見ながら作ってたんですけど、モデルが西洋人なので寄ってきちゃって」


「いくら風さんの彫りが深くても、西洋人と東洋人では、だいぶ骨格が違うからね…」


「そうですよね。ネアンデルタール人からは脱却したと思いましたが。まだまだクロマニョン人、入ってますよね」


「解剖学にのっとって肉付けにトライしているのはわかるんだけど。眼窩(がんか  目のくぼみ)は、もうちょっと浅くして。西洋人よりも平たくしたほうがいいんじゃない?」


「そうですね。この次に作るときは、眼窩とほお骨の高さは、東洋人を意識して作ってみます」


「あと全体的なバランスだけど、後から髪の毛を被せるにしても、頭蓋骨の形はちゃんと作ったほうがいいよ」


「ベースを作る時には、目鼻口耳のパーツ位置と、全体的なバランスが狂わないように。そうすると仕上がりが整って、きれいに見えるし作りやすいからね」


「なるほど」


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グラスリッツェン(ガラス製品に彫刻する)をやっていた時の電動ドリル。

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こんなところでまた使うとは。約3ミリの鼻の穴や耳を彫るのに大活躍。



「しかしこんな小さいパーツを、よくここまでツルツルに磨けるもんだわ」


「磨くのは、ひたすらこするだけですし。技術は要りませんから何とかなりました」


「老眼になったら、こんな小さな作品、ルーペ無しではとてもじゃないけど作れないよ。今のうちかもね(笑)」


「今のところ…ですが、ド近眼の割に、近くはなんとか見えてます」


「そうそう、石粉ねんどは乾燥したら、何割か縮んで小さくなるはず。風さんの顔はアニメのフィギュアより形が複雑だから、次はもう少し大きめに作ったら?彫るのも削るのも、扱いやすいと思うよ」


「乾燥すると縮むんですか!それは知らなかったです」



初心者にありがちな「木を見て森を見ず」


「それとね、目とか口とか、パーツひとつずつの細部にこだわりだすと、そこばっかりいじりたくなってくるじゃない?そうなってくると全体像が見えなくなるんだわ。だから、必ず全体的なバランスを見るようにして」


「あー、まさに『木を見て森を見ず』ですね。わたし、その穴に陥りがちです」


「絵でも立体でもそうなんだけど、パッと見た時に、何かがおかしいと感じる時ってない?そういうのはバランスが狂ってることが多いよ」


「パッと見たときのバランスですね。何となくわかるんですが、具体的にはどういうことですか?」


「例えば、左右対称でなかったり、鼻の位置が顔の中心からズレているとか。身体に対してパーツの大きさが合ってないとか。直感的になにか変だと感じるのは、たいていバランスが悪いことが多いのよ」


「なるほど、そういうことなんですね。それ、わかります。ディティールは上手な絵でも、なんだか違和感がある時、ありますもん」


「目と目の間は、目一つ分の長さだとか、耳は眉間から鼻先までと大体同じ長さだとか。人間の身体は必ずしも左右対称ではないんだけど、基本のバランスがあるでしょ」


「そうですね。絵だとどこが変で、何を修正すればいいか、ある程度はわかるんですよ。でも立体だと何かがおかしいと気付いても、具体的にどう修正していけばいいのかがわからない。だから難しいんですよね。正解にたどり着くまで、わたしは、ものすごく時間がかかります」


「そりゃそうだ!あんこさん、何言ってんの(笑)粘土から作るのはまだ2体目だもん。そんなすぐにできなくって当たり前。初めて作ってこれだけ作れたんだから、十分できてるじゃない。わたしなんて、どれだけ試作したことか。ほら、頭部だけでもそこら辺にゴロゴロ転がってたでしょ。ま、ぼちぼちやって!」



ということで、ツルツル頭の風さん頭部、持ち帰りました。全体的なバランスを少し修正しつつ、髪の毛を盛ってみたのがこちら。


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まゆ毛は粘土を盛ったのち、毛の流れを彫ってみた


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この写真のスタイリングを参考に

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毛束感を粘土で再現するのは難しい!


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風さんのヘアスタイリングを教わりたい

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子どもたちから「かぜ、メドゥーサ!」と不評だった状態からは脱却したかも?!

石粉ねんどは真っ白。磨くと雰囲気だけはギリシャ彫刻っぽく見えます。

とにかくバランス!「きちんと見る」ということに重点を置いてやっていこうと思います。



人形師ホリ・ヒロシさんの作品と言葉


人形師で等身大の人形を一から作り、その人形と一緒に舞う「人形舞」を創設したホリ・ヒロシさんのドキュメンタリーがEテレで放送されていました。

彫塑用粘土で原型を作り、型取りしたものに和紙を重ね、布貼りをする人形は、わたしが義母に習った方法とよく似ています。

わたしは以前からホリさんのファンでした。源氏物語や谷崎潤一郎、江戸川乱歩らの幽玄の世界。能楽のようでいて、文楽のようでもある人形舞公演も観に行ったことがあります。その頃は、まさか自分が人形を作ることになろうとは思ってもいませんでしたが。


映像の中で、ホリさんが人形の手を作るシーンがありました。


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「手」はすくい上げる。包み込みながらすべての胎愛・大愛(たいあい、と言っていた)というか、いつくしむ心、どんなメタメタな人生でも、どんな悪いことをしたひとであろうと救い上げるのが「手」  ホリ・ヒロシ氏

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藤井風さんの手も、ピアノと音楽を通して全てを包み込んでくれます。彼の手はいつくしみすくい上げるために大きく、美しくあるのかもしれないと思った次第です。

この写真は「ダンゴムシ、見て!」と言っている小学生みたいですよね。と、フォロワーさんが教えてくださいましたけれども(笑)



これからの藤井風フィギュア、続編を綴ります。

石粉ねんどで、より精緻(せいち)な立体造形に挑戦中。


藤井風フィギュア、第一作の制作過程、全22回の記録はこちら


藤井風さんのこと、いろいろ書いてます


画像引用:藤井風公式IYouTube、藤井風公式Instagram、藤井風公式アプリ

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