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【雑感】コンサルがよく言う"論点"とやらがイマイチよく分からなくて困っている各位へ

どうも、外資系うさぎのちょこさんです。

突然ですが、コンサルあるあるの結構上位に来そうな話として"コンサルってってなんかいつもカタカナ言葉ばかり使ってて何言ってるかよくわからないよね”的なの、ありますよね。

でもこれ、カタカナ言葉はカタカナ言葉としてそういう用語としての定義が結構できあがってたりするので、いざ横文字やめて全て漢字の言葉でやり取りしたとしても、これって今の文脈だとどういう意味で使ってるのかなって推測が多く発生してかえってめんどくさい気がするんですよね。


おっと、今回はそういう話ではなくて、カタカナ言葉じゃなくてもコンサルがよく使う謎の言葉あるよね、ってお話です。
具体的には、示唆、視座、論点、なんかが地味に意味がよくわからない頻出単語って感じなんじゃないでしょうか。


というわけで、今回はこの”論点”とやらの解説を論点にしてみることにします。
コンサルに限らず、この”論点”という言葉のイメージをしっかりと持てるようになると、お仕事の解像度がひとつ上がります。
うまく実践できると毎日の生産性もちょっとあがること請け合いなので、ぜひ論点ベースの思考法を身に着けて高いバリューを出すことを目指してみてください。




さて、本編入る前にいつものコピペです。
この記事も有料設定していますが、全文無料で読むことができます。もしいいねと思っていただけた場合は、ちょこさんの大好物のおいしいチョコレートを一粒調達するための費用としてカンパいただけると大変うれしいです。

では、本編をどうぞ。


◆論点とは読んで字のごとく、論ずるべき点

論ずるべき点ってなんぞや、ってところなのですが、これは何について結論を出さないといけないのかということです。
要はお題はなんなの?ということですね。

単純すぎて何なのって感じだと思うんですけど、ものすごく大事なことなんですよ。
論点が何なのか、つまり何について結論を出さないといけないのかがわかっていないと、全然違った方向性で時間と労力を使ってしまって、何の進捗も得られませんでした!なんてことになりかねないですからね。

じゃあ一体この論点とやらの何が難しいのかって、この論点は入れ子の構造になっていたり、分岐しまくっていたり、油断すると自分は今どの論点のところにいるのかってのがすぐに分からなくなるくらい複雑なんですよ。

- 構造的な論点の例

ここでひとつ、論点が複雑であるとはどういうことか、図を見てみましょう。


物事はなるべくシンプルに考えた方がよい、ってことで、"ケーキ屋さんの利益を増やすには?”、というテーマで論点を分解してみました。

というか、まずこのケーキ屋さんの利益を向上させるには何をすべきか、自体が一つの大きな論点です。

このままだと論点が大きすぎて検討がうまく進まないので、解像度を上げていきましょう。
ひとつ細かくしてみると、利益の向上に直結する要素とは何か。
ぱっと思い浮かぶのは、売上を増やすか、費用を減らすか、ですよね。
ケース面接の本を読むと一番はじめに書いてあるレベルです。

これで、ケーキ屋さんの売上を向上させるには何をすべきか、という大きな論点が、売上を増やすには何をすべきか、費用を減らすには何をすべきか、という一段階細かなふたつの論点に分解されました。

論点がひとつ細かくなりました。
さらにもう1段、論点を細かく分解します。

まず売上を増やすにはを分解すると、例えば、来客数を増やす、客単価を増やす、なんかが考えられますよね。
そして経費を減らす方は、固定費を減らす、変動費を減らす、とかでしょう。

こうやって論点、つまりは、結論を出すべき問い、を少しずつ構造的に細かくしていき、ある程度網羅的に細かい論点に分解できた時点で、どの論点を重点的なテーマとして取り上げるかを決定します。


ちなみに、あくまでこれは、論点とはこういうものですよ、という例示です。
なので、ケーキ屋さんの利益を増やすための論点としてはもっと筋の良い論点あるのでは、みたいな話はそれこそ論点が違うので、そこんとこはお気をつけくださいましね。



◆論点より先に打ち手を考えてはいけない

ケース面接の練習し始めの段階でありがちな『ケーキ屋さんの利益を増やすために商品ラインナップを改善します!』みたいな回答がなんでダメなのかってお話です。

なんでダメなのか、それは論点をちゃんと分解してデータもちゃんと見てからじゃないと、商品ラインナップを改善する、という打ち手が本当に今時点で行うべき最適な行動なのかがわからないから、ですね。

そうやって打ち手だけ考えて即動いてしまうと、真に解決すべき課題をほっぽり出し些末な課題の解決に力を注いでしまった結果、気づいたら取り返しのつかない事態になっていた、なんてことになりかねないんですよ。
間違いなくクライアントも激おこです。

まさか、さすがにそんなことしないよ?って思ってる各位、実はみんなプロジェクトの現場でも結構気づかずにやりがちですからね。
新しいイシューがポップしてきたときに、論点しっかり整理せずいきなり打ち手考えて動いちゃって、あとでパートナーに叱られるマネージャとかもそれなりによく見かけますというか、ちょこさんもよくそういうマネージャを詰める側に回ってる気がします。

というわけで、何をやるにもまずは"そもそも今の論点ってなんだっけ?"や、"今話すのってこの論点で本当にあってるんだっけ?"って観点をもってタスクに向き合いたいですね。



◆若手コンサルの仕事 ≒ 少論点の仮説検証

ここまででなんとなく、論点ってこういうもの、ってのがわかってきたんじゃないかと思います。

ついでに、実際のお仕事の場ではどんな感じでこの論点とやらを取り扱ってるのかにも少し触れておきましょうか。

我々のお仕事は仮説検証のスタイルが大事なので、プロジェクトの提案のときに実はだいたいの仮説(構造化された論点とそれに対する打ち手案)が見えていることがほとんどです。
ていうか仮説がちゃんと見えてないと提案取れないですからね。

あとはプロジェクトが始まったらそれぞれの仮説が合ってたか違ってたかを実際のデータなどを元に検証していく感じなんですよ。

そうすると、若手コンサルの仕事は必然的に、検討対象とする論点を選ぶための調査と、分解された各小論点の仮説検証がメインになってきます。


さっきの例だとまず、売上や費用の傾向、立地や競合に関する分析などをしながら、来客数を増やす施策をメインに考えた方がよいのか、客単価を増やす施策をメインに考えた方がよいのか、の取捨選択をします。

その後、もし来客数を増やす施策が最も効果がありそうだと結論が出たとしたら、その段階でようやく具体的な施策やその想定効果の検討を開始する流れです。

これがとても大人数のプロジェクトだとしたら、売上検証チーム、費用検証チーム、とそれぞれマネージャやシニアコンサルタントを置いて、それぞれの領域で最も効果的な施策は何か検討したうえで両領域で施策立案、みたいなこともやったりしますね。

このあたりはお金との兼ね合いなので、ケースバイケースですけど、人数が多いなら多いなりに、少ないなら少ないなりに、どの論点を検討対象とするのが筋が良さそうか考えるのがとても大事、ってことです。


◆論点設計のトレーニング

そんな感じで、今までよくわからずに眺めていた論点って言葉のイメージが今やなかなかいい感じで持てるようになってきた頃合いだと思います。

でも読んで理解したつもりになってても頭と手を動かしてアウトプットしていかないとすぐ忘れるものなので、ぜひ身の回りのちょっとしたことを論点として捉えて構造的に分解してみてください。

例えば、ツイッタランドでは突然"○○は問題だ!"みたいな炎上なのかなんなのかよくわからない騒動が起きがちですが、そういうのを見たときに、その○○とやらについて問題となりそうな要素を分解して、果たしてそれは問題であるのか、という視点で一度全体を見返す、とかできるとなかなか実践的です。

あとはひたすらフェルミ推定の練習やってみるのも良い訓練方法ですね。
売上を増やすために来客数を増やすのか客単価を増やすのか、客単価を増やすには1人あたり購入数を増やすのか、商品単価を上げるのか…という分解は典型的なフェルミ推定の手法ですからね。


ポイントは日頃から、"この話の論点は何か!"ってひたすら考える習慣を作るってところなので、ぜひフリースタイル的に目についたものを片っ端から小難しく色々考えるようにしてみてください。

慣れてくると、"今問題にすべきは○○じゃなくて☓☓なのでは?"という真に取り組むべき重要論点がおぼろげながら浮かんできて、こじれかけてきた話を一気に本筋に引き戻す、なんて芸当もできるようになったりしますよ。


◆オススメの1冊

というわけで論点についての本です。
この本の後半に、打ち手バカ、タスクバカ、論点バカ、のお話がでてきます。
このnoteを読んだ各位、目指すべきバカの方向性は何か、もうおわかりですよね。


せっかくなので、もうちょっとお固めの定番のやつも貼っておきますね。
読むのちょっと大変だと思うので、難しい本に慣れてきたらちょっとずつ読んでみてください。



そうそう、ちょこさんよくnote公開前にスライドだけ貼った観測気球上げたりしてるんですけど、今回もなかなか盛り上がるテーマだったみたいですね。
ちょっとびっくりしました。
今後も取り上げて欲しいネタなんかありましたら各種質問箱などからお寄せくださいまし。



ではまた次回!


ご質問などはこちらから!


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