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夫婦関係の基本は相手を他人と思うこと『不機嫌な妻 無関心な夫』【無料公開#3】

シリーズ累計35万部突破の『察しない男 説明しない女』や10万部突破の『話し方で損する人 得する人』など、コミュニケーション本のヒットを生み出してきた五百田達成さんの最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』を11月20日に発売することとなりました。その最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』の一部を無料公開します。

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「コーヒー飲む?」
「いらない……」

「ご飯、おかわりは?」
「もうお腹いっぱい……」

ごくごく普通の、よくある夫婦の会話です。
でもこの会話にはコミュニケーションの大前提がすっかり抜け落ちています。

それは相手に対する気遣い、思いやり。
「コーヒー飲む?」こう言ってくれた相手が夫や妻ではなく、友人や同僚だったらどうでしょう?

「いらない」で済ませてしまうのはちょっと失礼。常識のある大人なら、コーヒーを淹れようとしてくれているその気持ちに感謝のひと言を添えるはずです。

「ありがとう、でも、いまはいいや」
「もうお腹いっぱいで……。ごちそうさま!」
といった具合です。

パートナーは親でもきょうだいでもない

ところが、こと夫婦の会話となると、この基本を忘れてしまう人が実に多い。

それは相手を「家族」と思っているから。「家族が相手なんだからぞんざいに話していい」という甘えがあるから。

夫婦にはそれぞれの親やきょうだいといった「家族」があります。そして、多くの人は自分の家族に対して甘え・依存があります。

「この人は私のことを愛してくれる、許してくれる。何も言わなくても、私のことをわかってくれる。よほどのことをしても私のことを簡単には捨てない」という思い込みがあるのです(もちろんそれを「安心感」「安らぎ」と言う人もいますが)。

「靴下どこ?」
「ご飯まだ?」

普通なら絶対に他人には言わないこんな不躾な言葉を、家族にぶつけた経験はきっと誰にでもあるはず。それが許されたのは、受け止める側が寛大な愛を持っていたか、渋々受け入れてくれていたから。いわば「家族」だったからです。

結婚して夫婦になった相手は無条件で許してくれる親でも、〝あうん〞の呼吸で通じ合うきょうだいでもありません。夫婦は結局、他人です。大人同士、相手をきちんと他人として敬い、気遣うことが大事です。甘えてはいけません。無礼なことを言ってはいけません。「家族」じゃないんですから(ほんとうは家族相手でもダメです)。

人の家族観は多種多様です。
「家族ってこういうもの」の「こういうもの」が人によって大きく違う。家族とはなんでも許し合い、助け合うもの」と思っている人もいれば、家族とはいえ「個々の独立した人間、お互いに干渉すべきでない」と思っている人もいる。

もちろんそこに正解・不正解はありません。だからこそ、パートナーのことはフラットに他人と思っておくぐらいでちょうどいいのです。

POINT 夫婦は他人。失礼な話し方をしない


著者紹介

五百田達成 (いおた・たつなり)

作家・心理カウンセラー。 米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。 東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。 専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。 「スッキリ!!」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。 著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ70万部を超えている。

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