僕が平沢進をオススメしない理由

こんにこ。
今日は僕の尊敬するアーティスト(概略)についてお話しようと思います。第一弾。

平沢進。

彼が操作しているのはレーザーハープ。

https://togetter.com/li/723680
操作方法はここに書いてあります。もし読者の皆さんの中で、レーザーハープを手に入れることがあれば参考にしてみてください。

平沢進というのは、僕にとって脳内の友人であって(本人の許諾を得ていない)、音楽の理想です。それは曲調とか、表出するソウルの問題だけではなく、在り方も含めてということ。今日は楽曲を紹介したいというよりも、彼がどういう人間なのか(人間でないかもしれない)という点で評価をしていきたい。

【マイナーなのにこんな大勢の人の前に立たされて憤慨しています】

彼が大まかに何者かというと、ステルスメジャーのアーティストです。
嘗てはマイナーで売り出していたのですが(これは音楽の調のことではなく、人気か不人気かという意味で)、人があまりにも集まりすぎたため、「これではマイナーとは呼べない」ということで本人が独自にルートを開拓したことに端を発してステルスメジャーとなる。

確かに、ステルスです。テレビには出ないし、本当に調べようと思って調べなければ彼についてよく知ることはできない。僕らファン(一部では馬骨とも呼称される)は、自らステルスを探求する旅に出て、一種の答案を見つけたわけだから、ある意味猛者ではある。モンゴルからスカラープールへ。


【やかましい!アンコールはやらないとゆっただろう!かえれー!!!解散だ!、帰れー!ばかもの!】

それに、知ってからも中々厳しい。音楽を聴くまたはライブを観ると、アーティスト本人から「帰れ!」と一蹴される。実際に帰れ!と言われるのはライブの時であるが、音楽自体にも「帰りなさい」と言われている気がしてならない。
それくらいこのアーティストは気難しいのです。僕は誰にもオススメしたくない。むしろ、端末にイヤホンを接続して、「何の曲を聴いてるの?」と問いかけられた時、淡々と「地球ネコだよ」とだけ言いたい。

「ひらさわのことしらない!どのおんがくがオススメなの?」と聞かれると、僕は死んでもオススメしたくなくなりますが、強いて言うなら、自分の意思で「美術館で会った人だろ」を聴きなさいと答えます。
これは正確にはヒラサワの曲ではなく、ヒラサワが所属しているバンドグループのもの。P-MODELっていうんですけど。
まあ彼はボーカルもやってるから、音楽に対してそれなりに浅い認識をしているならば「ヒラサワの曲」ということになる。
いきものがかりと言ったらキヨの声を思い浮かべるだろうし、つまりはそういうこと。

P-MODELっつったってよくわかんねえ、そういう煩雑なの抜きにして彼のこと知りたいんだが、という方、安心してください。ここより読み進めることをやめれば、貴方は幸せなことに、ヒラサワについて深く知ることは無い。

P-MODELはご存知の通り、2000年から現在まで無期限活動休止中なのです。その代わり、2004年からヒラサワが新たに『核P-MODEL』という活動を始めた。因みに、P-MODELの前はマンドレイクというバンドだった。

正確には、

こういうわけです。

だから核P-MODELは現在個人でやってるということになる。何者だ。

話が逸れましたが、何故僕が彼を尊敬しているか(崇拝ではない)というと、在り方だと申し上げました。面倒くさいので、何に惹かれるかだけ箇条書きで表しておきましょう。

・ 他者から要求される像と自己像に乖離が生じる問題について、「それが常に当たり前だ」として自分を貫くスタンスを取っている

彼は良い意味でも悪い意味でも自分勝手なのです。このように我儘なことを、『最終兵器』とまで称している。
例えばSNSで活動しているイラストレーターが、フォロワーから「下手くそ、もっとこういうのを描け」だとか、「何でこれを描いてくれないのですか?」だとか散々言われて頭を悩ます必要性は無いのです。「黙れ。私の勝手だろう」で片付けてしまえる。
個人的に“俺のラーメンが食えないなら帰れ理論”と呼んでいますが、そうです、他人に何か言われたとしても、本当に自分が直すべきだと思わない限り、それは直さなくて構わない。アドラー心理学にも通じるものがあって、僕にとっては大変納得のいくロジックである。

きっと他者から矯正されたヒラサワはつまらないし、それを考えれば説得力がある。

何故人が人として分かたれているか。それは「そもそもアダムとイブの神話など虚構に過ぎず、同時多発的に人類が発生したのみである」という他にロマンつまりは意義を求めるのであれば、個性を個性として存在させるためなのだと思う。従属は個性ではない…とまで言うと、それも個性じゃないかおじさんが出現しそうですが、人はなぜ人たりえるかというと、どうしても個体ごとにステータスに差異が生じるからだと考える。
だって種族値が全種類ピカチュウのものだったら嫌でしょ。

・ツンデレ

この歪んだおじさん、如何にして素直にさせるか。いいや、決して素直にはならないのである。

「帰りなさい」も「やかましい」も、彼からのファンに対する精一杯の愛情表現だと考えられている。 考えられている。

・自分が大好き

YouTubeやニコニコに投稿されている自分のネタ動画を進んで視聴している。かわいい。

・J-POPが嫌い

心底嫌いらしい。
俺もあんまり好きじゃないので共感できるっちゃできる。
80~90年代なら全然いいんだけど、今の曲はなんというか、自分の身体に浸透してこないというか、オンボロの車にハイオク入れられるような感覚です。まあこう、高級か安価かという問題ではなくて、オクタン価の違いで合わない…ということ。個人的にはね。

・JASRACに抵抗した
みんなご存知JASRAC。音楽集めて著作権管理して、お金を集めている組織。
元吹奏楽部としてこの組織は嫌いです。権利を独占しちゃってるからダメなんですよね。音楽を使用することで一々金を取り立てるなど言語道断。ディストピアか。
平沢進も「好きなところと契約する自由は無いのか」と一回ゴネたらしい。大変愉快である。


まあわざわざ読者に説明するプロセスを踏むまでもなく、師匠に対する評価は脳内で自己完結しちゃってるし、わざわざ全部言語化しようとも思わないのでここらへんにしておきますが、あとはご自分で見つけてください。幸いにも彼は本を著していたりもするので。ギタリストであってアンチギタリストであり、「ギターは嫌い」とまで言っていて、謎の電子機器を使って演奏し始めたり、謎にタービンを回し始めるアーティストなので。彼はギターのことが結局のところ好きなんだけど。
というか、彼の良いところを簡単に教えたくはない。むしろ少しでも彼を知る人類が少なくなるように努めたい。ビートルズを知っている人間が自分だけであることに悲劇を味わうのとは逆に、自分だけが平沢進を知っていたらそれは愉悦でしかないだろう。



ただ僕は平沢進のファンの一部が大嫌いです。

これに関しては本当に嫌い。嘘偽りなく、ツンデレでもなく嫌いです。
できれば、彼らと接触しないためだけに、この一生のうちに自分より他の平沢ファンに接触することを控えようとも思うし、いやもちろん友人とかならまだしも。

Twitterのリプ欄見ましたか?酷いですよ。あそこに、僕の嫌いな全てが凝縮されています。

尊敬から度を超えた盲信、恭順、全肯定。
僕は少なくともあれを人間とは呼べない。まともな自我を感じられない。奴隷です、奴隷。
『平沢進』というコンテンツを勝手に宗教化、あるいは神格化している輩が心底許せないのです。
AKIRAでもありましたよね。大覚アキラ。劇場版と違って原作だとあの胡散臭い老人は重要ポジらしいけど、僕はとにかくそういう、依存しまくりの宗教というのは尽く大嫌いなんですよ。お前には自分が無いのかと。自分の道くらい自分で責任持てよという話。
だから宗教勧誘には無敵なんですけど別に必要なスキルじゃなかったので出来れば他のスキル取りたかった。

彼は一人のアーティストであって、オマエタチの仏ではないと言いたい。何様だという話ですが、マシです。わざわざJ-POPの批判をしてまでヒラサワを持ち上げるとか、吐き気を催す邪悪がね、ファンの中にいるんです。俺も現代のJ-POP嫌いですけど、それとこれとは別。比較する必要性など何処にある。その区別がなっていない幼稚園児の多いこと。

平沢進自身は、自分の好きな音楽を勝手にやりたいだけだから(そもそも大勢の観客の前でライブをやることに憤慨していたりする)、マナーの類はリスナー同士で解決しろというスタンス。その場その場で空気を読みなさい、ということ。

もともと、ファンの問題についてアーティストに考慮してくださいというのはお門違いな話。アーティストは音楽をやればいいんだから、ファンの言動に関してどうこう言われる筋合いは無い。だから、「以前あなたのライブに行った時、こういうことがありました。悲しかったです。」と言われても(この発言自体がアタオカ)、「ああそうなんだ…」くらいで全然いいと思っている。むしろ「で?」でいい。だってアーティストにはそこに全く責任が無いから。運営にはあると思うけど。
飯屋行って「お前のとこの客に難癖つけられた。最悪な思い出になった」とか言うのキチガイだと思いませんか?そこのスタッフになんかされたら怒ってもいいと思うけど、少なくとも客は「お前の客なんだからお前が管理しろ」などと言える立場ではない。

もうね、邪魔をしないでもらいたいんです。僕が平沢進を聴くという行為の邪魔をしないでいただきたい。世界中で僕だけが唯一、平沢進を聴いているということにしてほしい。独占したいんです。
僕は平沢進について「かっこいいでしょ?」とか「聴いた方がいいよ」とか、そうしてオススメすることはない。もしそんなことがあるようであれば、僕を指摘して謝罪を求めてもいい。最低でも、「今はこんな音楽聴いてます」という表示に留める。

コンテンツの民度を上げたいなら、寿命を伸ばしたいなら、ファンが行動を見直してくださいというのは最もだと思うんですが、それも各々のファンの自由意思、ファンの勝手…と言われればそれまでなので、僕はこれから遮断します。
平沢進を僕の部屋に閉じ込める。ドアの鍵を閉めてね。
それで、僕は死ぬまで何の干渉もされずに、ヒラサワの曲を聴き続けるのです。誰にも邪魔はさせない。


今回の記事書くのにちまちまやって3日かかったので今度はふざけたいです。
以上

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