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そもそも思考法~制度趣旨(そもそも)に立ち返り,未知の問題を撃破する~

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。

【1】現場思考で解ける問題への対応

本試験においては,自分の知っている知識だけが出題されるわけではありません。

もちろん,自分の知らない知識の問題は分からなくてもしょうがないといえますが、中には現場対応で解ける問題もあります。それは「現場思考力で解く」や「推理で解く」という言葉で片付けられがちですが、「そう言われてもどう考えればよいのか分からない」というのが、多くの受験生の心情ではないでしょうか。

【2】そもそも思考法

そこで、現場思考の具体的な方法として、「制度趣旨に立ち返って未知の問題を撃破する方法」をお伝えします。

「制度趣旨に立ち返って未知の問題を撃破する」とは、自分の知っている知識の制度趣旨(そもそも)に立ち返り、そこから引っ張って未知の知識の問題の答えを出すというものです。私はこれを「そもそも思考法」と呼んでいます。

【3】解法プロセス~3ステップ~

「そもそも思考法」の解法プロセスは以下の3ステップです。

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【4】実践例

それでは実際に練習問題を通して実践例を紹介していきたいと思います(以下の内容は現場思考法の実践例を紹介であり、学術的な内容の解説ではありません)。

「共同相続人の一人が,被相続人が作成した遺言書に欠けていた押印等の方式を補充した場合でも,被相続人の意思を実現させるためにその法形式を整える趣旨でしたものであるときは,当該相続人は,相続人となる資格を失わない。」【〇】(最判昭56.4.3)

ここでは、上記の問題で問われている判例知識を知っていたかどうかは重要ではありません。仮に知っていた方も、以下のそもそも思考法のプロセスに沿って検討していきましょう。

【画像】そもそも思考法実践例

もちろんこれは現場での思考であるため、100%正答ができるわけではありませんが、時間的余裕がある午前の部では特に有効な解法となります。

【5】そもそも思考法のコツ

そもそも思考法では「深読みしすぎないこと」も大事です。そもそも思考法で答えを出したが、深読みしてしまってその反対の答えにして間違えてしまった、ということがないように、深読みをせずにシンプルに答えを出すようにしましょう。


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