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トマト|葉の網目模様|鉄欠乏|より美味しいトマトを収穫するポイント

 家庭菜園でトマトやミニトマトを栽培すると、葉が網目模様になることがあります。これは鉄の欠乏症です。病気ではありませんが、トマトに少し元気がない状態です。今回はトマトを育てる際に起こりがちな、”鉄欠乏”についてご紹介します。

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鉄欠乏

 植物体内の鉄が不足することで発生します。日本の土壌は鉄を3%程度含んでいると言われており、土壌に鉄分が不足しているケースは少ないです。
むしろ土壌のpHが高いこと、他の肥料成分とのバランス、日照不足などによって植物に吸収されにくい、という場合が多く見られます。
 土づくりで苦土石灰を撒きすぎてpHが高くなった、肥料を与えすぎた、などの人的要因のほか、梅雨の曇天が続いて日照不足、などが考えられます。

細かい話をすると、土中の鉄は三価鉄のことが多く二価鉄ならもっと植物に吸収されやすい、などうんちくがありますが、またの機会に。

症状

 鉄欠乏になると、光合成がしにくくなるため成長が遅くなります。新しい葉に症状が出やすく、葉脈を残して黄化するので、網目模様になります。

鉄欠乏の症状
鉄欠乏の初期症状

 新しい葉に症状が出るのは、鉄の植物体内での移動が遅く、成長スピードの早い成長点付近の葉で不足しやすいからです。

 幸いトマトの成長への影響は、病気や害虫ほど大きくありません。慌てずに原因を考えていきましょう。

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似ている生理障害

 マグネシウム欠乏は、葉脈の間が網目状に黄色くなる、似ている生理障害です。マグネシウム欠乏は古い葉に、鉄欠乏は新しい葉に発生するので区別できます。

鉄欠乏の対策

 まずは日照不足を疑います。梅雨などで曇りの日が続いているなら、ある程度の鉄欠乏は仕方がありません。
 もし晴天が続いているのに鉄欠乏になっているなら、pHが高くなりすぎているかもしれません。土づくりの際に苦土石灰を撒きすぎていないかをご確認ください。
 ただしpHが一旦高くなってしまうと、資材などでさっと矯正することが難しくなります。

具体的な対策としては
酸性雨で自然に治るのを待つ(かなり時間がかかります)
・窒素の追肥時に硫安を撒く(若干土を酸性にする効果があります、ただしトマトは窒素過多になりやすいので量は少なめに!)

・カリの追肥時に硫加を撒く(若干土を酸性にする効果があります)

・活力剤を散布する
葉面散布する活力剤としては、鉄分を中心に補給する鉄力あくあなどがあります。

鉄欠乏の予防

予防で大事なのは、苦土石灰の量を適切にすることです。土づくりの時に土壌pHを計測し、6.8以上あれば苦土石灰を入れなくても良いでしょう。


まとめ

 家庭菜園でよく使う苦土石灰ですが、使う量は気を付けたいですね。鉄に限らず、いくつかの栄養素はpHがずれていると植物に吸収されにくくなり、成長に悪影響が出てしまいます。野菜にとってよりよい環境を作ることが、家庭菜園上達の大事な一歩です!

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