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夫婦でおこなうべきは、「議論」ではなく、「対話」です

前回の記事で、「また、この人と結婚したい」と感じている夫婦は、会話量が多いこと、そして、単に相手の話を「聞く」ではなく、相手の考えを意識的に「理解しようとする」、そして、自分の考えとは違う相手の考えや価値観について、時に「受け入れようとする」姿勢であることをご紹介しました。

今回は、会話の質を高めるポイントとして、会話を、議論、雑談、対話との違いで整理していきます。

あなたは、この3つの違い、分かりますか?

以下、表にまとめました。

「あの人、コロナになっちゃったんだって」
「今日も暑くなりそうだね」

このような雑談は多くの夫婦であると思います。(雑談すらない、という夫婦もありそうですが)
このような他愛もない話しも、これはこれで価値はあります。

問題は、夫婦で、何かしら決める必要があるときに、対話ではなく、議論ばかりになってしまうケースが多いということです。

例えば、妻が、小学4年生の子どもを塾に通わせるかどうかを夫に相談したいと思っている場面を紹介します。

妻「(夕食後、唐突に)そろそろ、タロウも塾に通わせるべきだと思うのだけど。周りの友だちも通いだしているのよ」
夫「いやいや、必要ないだろう」
妻「でも、ヤマグチさんのお子さんがね・・」
夫「(妻の話をさえぎるように)よその家はよその家、うちはうちだろ。そもそも中学受験させること自体俺は反対だ!」
妻「あなた、受験するしないは、これから決めようって私言ったじゃない」
夫「タロウから受験したいと言っている訳じゃないだろうに」
妻「そりゃ、あの子はマイペースだし、だから、早めに塾に入れて刺激を受けたほうが」
夫「子どもの意に反して塾に通っても、お金がもったいないだろ。またお前、塾の宣伝文句に躍らされてるな」
妻「(怒り心頭で)あなた、全然、今の受験事情分かっていないわ。もういい!」

相手の発言をすぐに否定して、お互いの考えを理解しようとはしていませんね。結果、感情的な対立モードになっています。

自分なりの理屈(妻は「タロウはマイペースだから刺激を受けたほうがいい」、夫は「子どもの意向を尊重すべきで、子どもの意に反して事を進めるのはよくない」)を振りかざして、論破しようとしています。
これは議論です。

議論は、どちらの主張が正しいかを結論出すためにおこなうものです。

対話は、お互いの考えの違いをわかり合おうとするものです。

そのためには、自分の考えを相手に伝わるように伝えつつ、相手の話にも耳を傾けること、そして、「どうしてそう考えるのか」をお互い理解しようとする姿勢が大切です。

では、対話モードでやり取りししたらどうなるのか、先ほどのケースで考えてみましょう。

妻「あなた、ちょっと相談してもいいかしら。そろそろ、タロウも塾に通わせるべきだと思うのだけど、あなたはどう思う?」
夫「あー、前にも相談しようと話していたね。5年生になるタイミングで検討しようかと言ってけども、まずはきみの意見、聞かせてもらえるかな」
妻「この間保護者会の後に、塾の話題になって。ヤマグチさんのところと、木村さんのところが、夏期講習から通い出すのよ。仲良しの友だちが行くタイミングで、お試しに夏期講習だけでも行ってみたらなと思って」
夫「なるほどね、そういうことか。ちなみにタロウの意見は聞いたの?」
妻「ううん、あなたの意見を聞いてからと思って」
夫「そうなんだ、前にも話したとおり、僕はそもそも中学受験自体にあまり乗り気ではないんだ」
妻「そうだったわね。もう一度、その理由を教えてもらえる?」
夫「うん、塾代や入学後の費用をかけてまで、子どもを入れたいと思える中学がないよ。それよりも、タロウには、公立中学で多種多様な人に触れてもらいたいな。何よりもタロウ自身の意志を尊重したい。入りたい学校が見つかれば別だけど、特にないんだったら、高校の段階で自分の意志で入りたい高校を選んでほしいよ」
妻「確かに、あなたの意見もわかるわ。あなたの話しをきいて、そもそも地元の中学がどうなのか、よく知らなかったし、通勤圏の私立中学の教育方針とかについてもよく知らないわ。タロウも、そもそもどんな中学があるのか、公立と私立の違いなって、教えていないし。そのあたり調べてみることが必要ね」
夫「あー、だったら、情報収集はおれのほうでやるよ」
妻「わー、助かる。じゃあ。週末調べてみて、それをもとに、タロウと一緒に確認してみるわ。塾の夏期講習は申込みはまだ先だし、もっとよく調べてからでもいいかなと思ったわ」

さて、いかがでしょうか?

対話では、自分の話を相手に分かるように冷静に伝える。
相手の話に耳を傾け、相手の考えの背景に対しても興味関心をもって、質問する。

自分の主張を一方的に通そうではなく、逆に、相手の主張に妥協する訳でもなく、お互いの考えを掛け合わせながら、新たな発想やアイディア(今回であれば、中学についての情報収集)に行き着くこともあります

さて、いかがでしょうか?
普段あなたは、夫婦間で、対話していますか?

対話の時間が増えるほど、夫婦間の相互理解が進み、関係性も深まると思います。
まずは、パートナーの話しを、「違う」と思っても、最後まで聴くことから始めましょう。

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