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援助交際

前回、援助交際やパパ活、大人の付き合いなどを書いたからというわけではないが、平成の援助交際を描いた日本映画を2本観たことがあり、そのうちの1本の「ラブ&ポップ」をブックオフオンラインで注文していたものが昨日届いたのでさっそく観た。
「ラブ&ポップ」の原作は、1996年に刊行された村上龍の女子高生の援助交際を題材とした小説である。映画は1998年に公開されたが、何故観に行ったかというと、別に援助交際に興味があったからではなく、監督が当時はまっていた「新世紀エヴァンゲリオン」を手がけた庵野秀明の初実写映画だったからである。
「新世紀エヴァンゲリオン」はテレビ東京の深夜に放送されていたとき、クラブで昼前まで踊り狂っていた絶頂期だったので、毎回ビデオの予約録画をしていて、クラブから帰ってきたあとに見たものである。
「ラブ&ポップ」は、「最後までいく援助交際」をすると決めた女子高生の1日を回想を交えながら描く物語で、家庭用デジタルビデオカメラを一つのシーンで同時に5台使う形で撮影され、アビッド・テクノロジーの最新機器によるノンリニア編集が全編に施され、フルデジタルで制作された初の邦画である。特殊なアングルからのカットや、「新世紀エヴァンゲリオン」にも見られるようなテロップの使用など、庵野秀明らしさも少なからず含まれる映像となっている。この映画で初めて仲間由紀恵を知った。ちなみに、当時、一般的にはまだ無名だった仲間由紀恵のビキニ試着シーンが短時間ながらある。
エンディングは、主演の三輪明日美の歌う主題歌「あの素晴しい愛をもう一度」をバックに4人が並んで渋谷川をひたすら歩き続けるという象徴的な演出が印象的である。主人公の吉井裕美を演じた三輪明日美と、裕美の姉役を演じた三輪ひとみは実の姉妹で、私は何故かこの姉妹にはまってしまって、写真集まで買ってしまった。
映画を観たのは確か渋谷のパルコ劇場だったと思うが、スタッフロールの最後には「監督 庵野秀明(新人)」との表記に客席から爆笑が起こった。

もう1本の映画は、原田眞人が監督して1997年に公開された「バウンス ko GALS」である。この映画も「ラブ&ポップ」同様に、援助交際に興味があったからではなく、当時、「non-no」モデルとして活躍していて、注目していた佐藤康恵の女優デビュー作だったから観に行ったのである。
90年代の女子高生たちに焦点を当て、「コギャル」や「援助交際」など、明るみに出ない問題の実態を映しだすが、観た感想としては、体を売らずとも客から金を巻きあげるのが得意のジョンコ(佐藤仁美)と友人に客を紹介することで稼ぐラクちゃん(佐藤康恵)とニューヨーク行きの飛行機に乗るため、渋谷に立ち寄った美少女で、旅費を稼ぐために危ない仕事を引き受け、代償に貯金を失ってしまうリサ(岡元夕紀子)の3人の女の子の友情の物語のように思えた。しかし、若さを武器にし、恐怖の垣根を身軽に飛び越えてしまう彼女たちは無敵で、時代の風潮を一身に背負ったその姿は、たくましくも儚く思える。
体を売って金を稼いでおり、中絶の経験が何度かあり、ラストではオヤジ狩りに協力したところ、返り討ちにあって病院に搬送される矢沢心演じるマルが客として取ったヤクザの大島役の役所広司や、リサが渋谷で最初に立ち寄ったブルセラショップの店員のサキ役の桃井かおりもいい味出していた。特に、ヤクザなのに役所広司がカラオケでジョンコ(佐藤仁美)と「インターナショナル」をデュエットするあたりが笑わせられた。

何故、「non-no」モデルに注目していたかというと、私と一緒にクラブで遊んでいた友人で、ドラッグのプッシャーをやっていたKが、VELVETという六本木のクラブで踊っていた時に一目ぼれした女の子がいて、「あれは絶対モデルに違いない」と探して見つけたのが、当時「non-no」モデルをしていたりょうだった。それ以来Kは「non-no」を毎回買うようになり、私にもそれが移ってしまった。
90年代に活躍していた「non-no」モデルは、りょうの他にはな、佐藤康恵、甘糟記子などがいる。私はどちらかというと甘糟記子推しだった。いつだったか東京の天王洲アイルで「non-no」モデルたちのイベントがあったとき、間に合わないから急いで五反田からタクシーで駆けつけたことが懐かしい。

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