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事実はひとつ、解釈は無数。

新卒で入社した会社で、10年前くらいに、営業経験しかなかった私が初めて15人を超える(しかも中間管理職無しの全員ダイレクトレポート)コンサルティング部門のメンバーを、20代中盤の若手局長であった私がその組織を持つ経験をした頃、当時の会社では数少なめな年上もメンバーも多く、転職組のとても経験豊かな男性や、エンジニア出身の女性等々、新卒文化が強い会社の中で私の局は転職組も多く、私の未熟さがゆえ、おそらく自分がマネジメントしてきた中で最も辛かった、苦労した、メンバーや会社には迷惑をかけた時期だったと思う。その分、未だに当時の経験は学びとなっている。

そして、長女が生まれて少し経ったくらいのタイミングでもあった。

そんな時に、タイトルに書いた言葉をとある方から教えてもらい、未だに心に残っている言葉である。

事実はひとつ、解釈は無数。

自分自身やその人が選択した解釈や判断やによって、感情が変わり、思考が変わり、行動が変わり、結果が変わる。

人は、顕在意識と無意識、そしてこれまで自身が経験してきた価値観から物事を判断してしまう生き物である。

自身が追い込まれた時こそ、思考と視野が狭くなってしまうもの。

起ること全てをポジティブに受け止め、感謝へ転換できることが何よりも強いこと。

物事のせいにしたり、人のせいにすることとは自分を不幸せに導く道標。

そのためには、顕在意識と無意識をポジティブに変換できるよう、自分自身への意識とコントロールを行い、癖つけすることが重要である。

頑張っているのに上手くいかないという人は、物事の考え方(無意識に判断する思考)と、物事を柔軟に考える頭(思考・脳)、そして失敗する経験や体験が少なく人間力の低下(できる限り、失敗させないような教育を受けてきたため)が、無意識的にマイナスへ転換してしまう結果、利己的、ネガティブな発想を生む。

聞いた時は、まさに、と思いましたが、自分が体現するとなるとなかなか簡単ではないと思いました。

どこかのシンクタンクのデータを以前見た際に、日本は海外と比べると1年位内の転職率が最も低く(10%以下)、勤続年数は最も長い。一方、日本以外にイタリア、フランス、ベルギー、ドイツあたりも勤続年数が長い。

これまでたくさん面接してきて、面接官同士で会話もしてきましたが、採用候補者が仮に30歳で転職回数が4回の人がいたとする、それを多いと解釈する人と、少ないと解釈する人がいる。

OECDの移民人口比率を調査したデータでは、ルクセンブルクが40%を超え、オーストラリア、スイス、ニュージーランド、イスラエル、カナダが20%を超える。米国、英国、フランスは約13%。一方、日本は1-2%。

あくまで、これらは一部のデータや数字でしかありませんが、他の国と比べると日本は異文化の融合がされづらい環境にあるように思えます。

"阿吽の呼吸"や"暗黙の了解"と言った言葉があるのも良い側面もあれば、解釈次第では判断や行動が異なります。

外資系企業(Multinational Corporation)で働いていた時、メールでの分量が非常に多く具体的な表現の海外の社員の仕事スタイルを散見しました。ドキュメント化される意識も非常に高い印象でした。その理由は異文化で働くのが当たり前で、対面で会えない国境を越えるプロジェクトも多く、解釈がずれないように言語化していると言っている人がいました。ハイコンテキスト、ローコンテキスト文化の違いかとは思います。

私個人の話で、どうでもいい話ではありますが、SNSにちょこちょこナチュラルワインを飲んだ写真を投稿しています。

「石戸さんは毎日美味しそうなナチュラルワイン飲んでいて羨ましいですねー、飲まない日は無いんですかー?」

実は週に最低1-2日くらいは休肝日は設けたりしていて、家にいる時はあまり飲まないのです。

私はキャンプが好きなので、2-3ヶ月に一度は有休取得してソロキャンプに行って、自然の中での時間をSNSに投稿したりします(実はこの半年行けてないのが、最近の最大の悩み 涙)

「石戸さんは毎週キャンプ行ってるんですね!おすすめのキャンプ場とかテント教えてください」

おすすめのキャンプ場でかテントは全然共有するのですが、毎週ではなく、2-3ヶ月に1回くらいのペースであるのです。たまに月に2回とかもありますが。

もちろん人によって、好き・嫌い、美味しい・まずい、綺麗・汚い、早い・遅い、等々の解釈や好みは様々ですが、SNS投稿では事実とは異なる様々な解釈やイメージが膨らみやすいのだなぁ、と感じることが多いです。

Facebookは日本に2008年に上陸しましたが、たまたま海外に親戚がいたので、2009年に産まれた長女の成長を画像で共有しやすい便利なアプリとして活用し始めました。2010年くらいから多くの法人もマーケティングや販促目的で活用するようになりました。

Twitterも2008年に日本語化され、私は2009年からアカウント登録して気ままな投稿で、フォローしている方々の投稿を見たりしてます。

Instagramに初めて投稿したのが2011年。

この10年ちょっと、自分でも投稿して色々と反応をいただいたり、周囲の方々の投稿を見たり、SNSきっかけでオンラインの世界を超えてその周辺で起きる事象も色々見てきましたが、インターネットの発展の中で、言わずもがなですが、SNSは様々な影響をもたらしていると思います。

SNSを通じて、私自身の生活を助けてくれたこと、豊かにしてくれたこと、たくさんありました。

一方、過去に自分が投稿した内容で人を不快にさせてしまったこともあります。
むしろ、自分が投稿している内容が、自分はネガティブな事を書いていないつもりでも、人を不快にさせている可能性だって充分にあると思います。SNSというのは個人発信によるテキスト、画像、動画、というコンテンツが想像以上のパワーを持っていると思います

SNSに限らず、メールやチャットで同僚や上司からいきなり詰められたらさすがにきついですよね。言い分もあるし、せめて会話や対面で怒ってほしいと思ったりする時に近いのかもしれないです。

学生時代に地元の千葉の柏でフリーペーパーというメディア運営していたのですが、1冊目発刊の後くらいに、とあるアパレルショップのオーナーから言われた言葉があります。

「君たち若造の作る雑誌に誰がお金出してお店を広告したいと思う?メディアとしての哲学や共感を得るような特集やコンテンツが無いとお金払う価値はないよ。先日発生したスマトラ島沖地震で、コレラ、コレラとマスメディアでは言っているけど、真意は何なのか、行って見てきて、それ記事にしたらお金出すよ」
*言葉が完全再現ではないとは思いますが、おそらく上記だったような。

ご意見はおっしゃる通りでしたが、メディアや雑誌の仕事経験の無い世間知らずな若造には非常に難易度の高い直球なご意見だった。

Vol.1は2004年12月15日に関係者のご協力もありなんとか創刊できました。

発刊号の表紙

2冊目(2005年3月28日)での巻頭特集はそのアドバイスもあり、2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震で実際に被害のあったタイの現地に行って、見て、聞いた事実の特集です。

あの時の共同代表の山野の行動力にも私は感銘を受けましたが、実際には現地では全くコレラ被害はなく、むしろマスメディアによるコレラの報道で震災被害のあったタイなどへ観光客が来なくなり、観光産業が大きな収益である諸国の二次被害になっている事実がありました。

つまり現地での事実とメディアの解釈や発信がまったく異なっていたのです。

それを巻頭特集にしたからだけではないと思いますが、想像以上のスポンサーや支援者が集まり、その後、2冊目、3冊目と季刊誌で継続しましたが、痛感したのは自分たちの目で見た、聞いた事実を伝える事の大切さ。報道やメディアの仕事をしている人からしたら当たり前のことかもしれません。

発刊するたびに毎回様々な人からの嬉しい感想、一方で時にはクレームや妬みなど、様々な声がありました。それも、我々がやっていた事実はひとつであり、解釈は無数なのだな、と感じます。

私自身は色々と検討や共同代表と議論をした結果、フリーペーパー運営を続けることではなく、他メンバーに運営を任せる形となり、就職活動はほぼしていませんでしたが、駆け込みで面接を受けてサイバーエージェントという冒頭にある会社に新卒で就職することになりましたが、En'sというメディアの運営は本当失敗だらけで、迷惑かけてばかりでした。
たまにある成功体験や成長実感、スポンサーさんやEn'sの読者からの声がなんとも言えないやりがいでした。当時の未熟さからか、En'sにはやり残したこと、反省すべきこともたくさんありましたが、それも事実であり解釈は無数でもあると思ってます。

学ばせてもらったというと大変おこがましいですが、En'sでの経験は本当にかけがえのないものでした。

SNSやインターネットが普及して、発信や言論の自由度も増しました。気軽に誰でも投稿もできれば、SNSでビジネスが大成功している人まで様々。

時には深刻な社会問題へと、発展していることも多く見受けられます。

何事にもポジティブとネガティブの両方があると思います。

むしろ無意識な言動が大きな影響をもたらすようになり、インターネットが社会に欠かせなくなった今だからこそ、なかなか簡単ではなく、全てに言えるものではないですが、以下は改めて意識したいと感じる今日この頃です。

事実はひとつ、解釈は無数。

自分の目で見た、聞いた、事実を伝える事。

以前、同僚に薦められて良かった本があります。
この週末久々に読み返してみようと思います。


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