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中華・韓国料理は東南アジア料理よりも日本人の口に合う?

私たち日本人の舌は、多種多様な味わいに対応する繊細なものです。その繊細な味覚に合う料理として、中華料理や韓国料理が日本で広く親しまれているのは、ただの偶然ではないかもしれません。

では、なぜこれらの料理が、例えば東南アジアの料理よりも私たちの口に合うのでしょうか?いくつか考えられる理由を探ってみましょう。

地理的な近さと歴史的な背景

まず考えられるのは、地理的な近さです。中国や韓国は日本の隣国であり、古来より文化や食文化の交流がありました。中国から伝わった中華料理は、日本で長い時間をかけて独自の進化を遂げ、日本人の味覚に合うように変わってきました。また、韓国と日本も古くから食材や食文化を共有しており、似た味の好みを持つことが多いです。

香辛料の使い方

次に、香辛料の使い方が影響していると考えられます。中華料理や韓国料理では、香辛料を使うことはありますが、東南アジア料理のように多用することは少ないです。例えば、私のお気に入りである四川料理の麻婆豆腐は、唐辛子と花椒(ホアジャオ)を使いますが、これは刺激的な辛さと痺れるような風味が特徴です。一方で、韓国料理のスンドゥブチゲは辛味を効かせつつも、東南アジア料理に多く見られるような複雑なハーブの香りは控えめです。

調理法と食材

また、調理法や食材の選び方にも日本人の味覚に合う秘密があります。中華料理では、炒める、蒸す、煮るといったシンプルな調理法が基本で、韓国料理も同様です。これに対して、東南アジア料理では、煮込み料理やスパイスを効かせたカレーなどが多く、複雑な味わいが特徴です。日本の伝統的な食文化には、素材の味を生かすシンプルな調理法が多いため、この点でも中華料理や韓国料理が親和性を持っていると言えるでしょう。

旨味と味の調和

最後に、旨味と味の調和も大きな要素です。日本料理では「うま味」が非常に重視されますが、中華料理や韓国料理もこの「うま味」を大切にしています。例えば、麻婆豆腐では豆板醤や豆鼓(トウチ)が旨味を深める要素として使用

されており、スンドゥブチゲにもアンチョビや昆布などの旨味成分が含まれています。

これに対して、東南アジア料理では酸味や辛味、苦味、甘味などがもっとフロントに出てくることが多く、日本人にとっては少し慣れが必要な味の組み合わせも少なくありません。

まとめ

これらの点を踏まえると、中華料理や韓国料理が日本人にとって親しみやすい理由が見えてきます。地理的な近さや歴史的な背景、香辛料の使い方、調理法と食材の選び方、旨味と味の調和など、様々な要素が複雑に絡み合って、私たち日本人の味覚にマッチしているのです。

東南アジア料理もまた、その魅力的な風味や健康に良いスパイスの使い方で、日本国内でファンを増やしています。味覚は人それぞれですから、中華や韓国料理に次ぐ、次なる「お気に入り」を見つけるのもまた一興ですね。食は文化の窓、異国の味を探求することで、より豊かな食生活を楽しむことができるでしょう。

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