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「上手」「下手」って何?【舞台用語を覚えよう①】

こんにちは。北村です。

今日は「舞台用語を学ぼう!」ということで、
舞台で使われる専門用語についてお話します。

最初の舞台用語は【上手】と【下手】

【じょうず】【へた】ではなく
【かみて】【しもて】と読みます。

これは、舞台(ステージ)の左右を区別する言葉です。
客席から舞台を見て、右側が上手、左側が下手。
ステージから客席側を見て、左側が上手、右側が下手になります。

慣れないうちは
「あれ?どっちが上手だっけ??」
と混乱してしまうこともありますよね。

上手下手


舞台のお稽古をしているときには
「北村くーん、立ち位置もうちょっと上手にしてー」
とか、
「じゃあ下手側から順番にサウンドチェックしまーす」
なんて使われ方をします。

決して北村くんの立つ場所が上手(じょうず)じゃないわけではなく、
時間のかかる下手(へた)な人からサウンドチェックをするわけでもありません。



1.なぜ「左右」ではいけないのか…

例えば、舞台稽古中に客席から見ている演出家から
「北村くーん、立ち位置もうちょっと右にしてー」
と言われ、北村くんが右に動くとします。

でも、舞台と客席ではお互いに向かい合っている状態なので
北村くんにとっての右は、演出家にとっては左になってしまいます。

できるだけスムーズに進行したい舞台稽古で
「僕から見て右、北村くんから見て左に動いてー」
なんて効率の悪いやりとりはやっていられません。

定義をはっきりさせることで、誰から見ても上手はカミテ、下手はシモテと
同じ場所を指せるようになっています。


ただ、英語圏では舞台からの視点という共通認識があり、
上手をStage Left、下手をStage Rightと呼びます。

共通認識さえしっかりしていれば、どんな呼び方でもいいんでしょうね。


2.なぜ客席から見て「右が上、左が下」なのか…

これには諸説ありますが、
「身分の高い人の役は観客から見て右に、身分の低い人は観客から見て左に立つ」というお芝居の約束事(もちろん演出にもよりますよ!)から上手・下手という言葉ができたという説もあります。
ビジネスマナーなどで言われる「上座・下座」と同じ感覚ですね。

テレビ番組を見てみても、ゲストを引き立てるために司会者が下手にいることが多い気がします。
アメトークとかぐるナイとかはそうですね。
笑点でも司会者は下手にいますよね。

誰かを引き立てるために必要な構図なのでしょう。


ちなみに、徹子の部屋ではゲストが下手にいます。
番組の性質がよくわかりますね。笑

…冗談です。


司会者が大ベテランだったり、司会者を立たせて進行する場合は、あえて上手に配置することもあるそうです。


歌舞伎の舞台では下手側に花道(役者さんの通り道)があり、その近辺はバタバタするので、ゆったり見られる席を上手と呼ぶという説もあります。
これはかなりしっくりきますね。


余談ですが、舞台上にピアノを置く場合は基本的に下手に配置します。

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これは、グランドピアノには「屋根」と呼ばれる音を反響させるための蓋のようなものがあるのですが、その開閉する方向がどのピアノも同じに作られているからです。

会場に音をよく響かせるためには、屋根の開いている方向を客席方向に向ける必要があり、
さらに、奏者の顔が客席に見えるようにするには上手では具合が悪いのです。



グダグダと説明をしてきましたが、大事なことは
「自分の覚えやすい覚え方を見つけること」

舞台上で上下(カミシモ)を間違えると結構恥ずかしいものです…笑

舞台用語やルールをしっかり覚えて、一味違う自分をアピールしましょう!!


次回は「面」と「奥」について。
お楽しみに〜!!

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