アプリ「okke」で効率よく学ぶ!

状態変化


概要

「状態変化」とは、気体・液体・固体がそれぞれ別の状態に変化すること。どこからどこに変化するかでそれぞれ名前がついています。面倒やけど頑張って覚えよ。

状態変化_1.png

昔は気→固と固→気は両方「昇華」と呼ばれましたが、英語の呼び方などとの兼ね合いから気→固の方は「凝華」と呼ぶ流れになってきています。

詳細

状態変化の仕組み

状態変化は温度と圧力によって生じます(*注1)。温度が高いほど粒子は速度が増してバラバラになりたいので、固→液→気と変化したがります。また、圧力が高いほど粒子は圧縮・固定されて気→液→固と変化したがります。この2つの兼ね合いで状態変化が起こります。

例えば、水(液)を冷やせば氷(固)に、温めれば水蒸気(気)になります。また、濡れたものを真空において圧力を小さくすると、シュワーっと一気に水が気体になって乾燥します。このように温度と圧力で状態変化が起こるわけです。

圧力と温度によって安定な状態を図にしたものが「状態図」です。詳しくは状態図の辞書をチェック!

状態変化_2.png

状態変化のエネルギー

固→液、液→気と変化するには、分子間力などを断ち切ってバラバラにしてあげる必要があるため、外部からエネルギーを加える必要があります。固→液で必要なエネルギーを「融解熱」、液→気で必要なエネルギーを「蒸発熱」と言います(*注2)。

(sは固体(solid)、lは液体(liquid)、gは気体(gas))

また逆に、液→固で放出される熱を「凝固熱」、気→液で放出される熱を「凝縮熱」と言います。当然、それぞれ融解熱と蒸発熱の逆の値になります。

補足

  • (*注1)とはいえ、なぜ気体・液体・固体のように全く違う状態にコロっと変わるのかは謎ですよね。もしかしたら液体を温めたら徐々にモヤモヤした状態になって、気付いたら目に見えない気体状態にまでなってしまう、という可能性だってあるのに、100℃になるとパッと一斉に気体になってしまいます。実はこれは「相転移」と呼ばれる現象で、大学の熱力学や統計力学という分野で扱われるとても難しい問題です。 ちなみに高校化学で出てくる相転移は他に、鉄は低温では体心立方格子だけど高温では面心立方格子になる(本当はもう少し複雑)などもあります。習わないもので言えば、磁石を加熱するとある温度から急に磁性が全く無くなったりするのも相転移です。興味がある人はぜひ大学で勉強してみよう。
  • 全然関係ないですが、口笛の技で音の高さをコロっと変える技術を「ウォーブリング」と言います。後半からの細かいフレーズが特徴の「チャルダッシュ(東京藝大出身の口笛奏者、青柳呂武さんの演奏)」ではこの技が多用されるので必見です。もちろんウォーブリングは相転移ではありません。
  • (*注2)融解熱と蒸発熱に式中でマイナスがつくのは「必要なエネルギー」だからです。便宜的に融解熱を移項すれば、 と書け、これは「氷に44kJを加えれば水にできる」と読めます。でも化学のルールで熱は右辺に書くのでマイナスになっています。

タグ

# 凝固
# 凝固熱
# 凝縮
# 凝縮熱
# 凝華
# 昇華
# 昇華熱
# 物質の状態変化
# 状態変化
# 蒸発
# 蒸発熱
# 融解
# 融解熱
# 化学基礎