安い日本の「ヒト」~複合的な4つの理由~
「安い日本」は物価だけではない。賃金の国際比較でも日本の給与が安すぎることが問題視され、人材確保面でも国際競争力を失うことが懸念されている。しかしそうした論のなかには、誤った認識に基づいているものもある。短期集中で「安い日本のヒト」の実体とその真の原因を突き止める。
連載記事一覧
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最終回 芳野会長へ直言! 連合は中小企業経営者と手を結べ
日本でも欧州のような横断組合を作り、業界一律の賃上げと価格転嫁ができる構造を作る。この障害となるのが中小企業だ。利益や付加価値が大企業に集まる取引構造にメスを入れ、「給料が上がる」社会を築くために、今取るべきアクションとは何か。
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連合芳野会長へのラブレター、組合と従業員代表の2チャンネルを作る
企業ごとに組織された日本の組合は、強硬に賃上げ闘争をすれば業績が悪化し、社員の待遇がダウンするパラドックスにはまる。欧州型の業界横断組合を作り、社内は従業員代表が社内の雇用・労働に関わる方針を経営と協議するという形にすれば、組合は待遇改善交...
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飲食店の時給1500円超え!値上げラッシュは欧州型平等社会への入り口
人口減が進む日本では、主に主婦・高齢者・学生による非正規労働者が産業を支えた。その待遇の悪さは長年問題だったが、非正規労働者の枯渇による採用競争で解決されつつある。さらなる改善に向けた海老原さんの提案とは。
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インフレ耐力あるが賃上げは苦手 日本型労働組合の功罪
需要増によるインフレは業績が改善して給与が上がるが、コスト高騰が原因のインフレは人件費の増加がさらなる業績悪化につながる。日本では労使ともに我慢して負のサイクルを回避してきた。そこに貢献したのが日本型の労働組合だ。
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日本の給料は韓国より38万円安い?賃金データの見方を誤るな
長く賃上げが抑えられてきたため、日本人の給与は国際的に見ても安く、韓国を大きく下回る。ただしこのデータは、非正規雇用者の給与の安さによって下振れしている。非正規雇用者の待遇の悪さは問題だが、実は「待遇が悪くても生活には困らない」人が大半を占...
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アベノミクスの行く手を阻んだ反インフレの魔物たち
米国でインフレが加速し、円が下落を続けても、日銀が堅持し続ける「量的緩和」。緩やかなインフレを続けて経済を安定成長させるため、安倍政権で始動したが、9年たっても達成できない。様々な関係者の思惑が行く手を阻んでいるからだ。
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知っているようで知らない「量的緩和」の本質
デフレ脱却を目指して決行されたアベノミクス。ここでなされた金融緩和、とりわけ「量的緩和」とはいったいどのようなものだったのか。高校で学んだ理論が通用しない、「異次元の量的緩和」のメカニズムを分かりやすく解説。
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日本の賃金が国際比較で大幅にダウンした本当の理由
賃金ダウンの原因とみなされがちなデフレ。日本がデフレで欧米がインフレでも、為替による調整が行われれば、相対的に日本の賃金は下がらないはず。それを意図的に変えたのがあの政策だった。
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「米国では年収1400万円は低所得」は本当か?
「安い日本」は物価だけではない。賃金の国際比較でも日本の給与が安すぎることが問題視され、人材確保面でも国際競争力を失うことが懸念されている。しかしそうした論のなかには、誤った認識に基づいているものもある。短期集中連載で「安い日本のヒト」の実...