新しい提案に、思考停止で及び腰になっていませんか?

解説:悪しき「前例主義」というハードルに立ち向かおう

「前例がないので……」――。公民連携プロジェクトで、行政から言われて民間が衝撃を受ける言葉の一つだ。

「民間の新しい視点で」などと言っておきながら、そりゃないよと腰が砕ける瞬間だ。

税金を使って事業を行う以上、その使途の確認や判断に時間がかかるのはやむを得ない面もある。でも、「前例がない」ことは、できない理由にはならないはずだ。

よりよい社会を実現するために、ルールを破るのではなく読み替える、またはつくる。新しいテクノロジーやソリューションの価値を的確に判断し、必要であれば大胆に取り入れる。そんな行政マンの勇気が求められているのではないだろうか。

そして新たな「例」を生み出したら、「それを可能にしたプロセス」をぜひ公開し、各自治体間、省庁間で共有してほしい。前例というハードルを超える大きな助けになるだろう。

■関連かるた
・はじめの一歩 社会実験
 …まずは小さく始めてみよう。
・これぞスーパー行政マン
 …複雑な社会課題の解決は、従来のやりかただけでは難しい。
・うちにも同じの作ってよ
 …前例踏襲の安易な姿勢は「例がないからできません」と表裏一体。