185系

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定期運用いよいよ終了へ 「新快速」として生まれた117系の生涯

2023.06.20

text & photo:鉄道ホビダス編集部

 国鉄時代の1980年に、関西圏と名古屋地区に投入された2ドア近郊型電車の117系。現在では山陽本線岡山地区で最後の活躍を続けていますが、新型である227系「Urara」の導入により2023年7月、いよいよ117系は定期運用の歴史に幕を下ろします。

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■「新快速」のサービス向上のため登場した意欲作

‘11.4.9 湖西線 近江中庄 P:平尾彰啓
(鉄道投稿情報局より)

 117系は私鉄との競争が激しい東海道本線・山陽本線の「新快速」用に、1979年に落成し、1980年から営業運転を開始した電車です。基本的に全国標準の系式を導入することが多かった国鉄が、この京阪神地区向けに専用の車両を設計したのは当時としては珍しいことでした。その背景には、当時のライバルとして京阪には旧3000系、阪急には6300系という非常に強力な2ドア特急車が走っていたこともあり、こうした意欲作とも取れる車両が開発されるに至りました。

 従来からある技術を取り入れた車両ではあるものの、両開き2ドアという車体、転換クロスシート、冷房完備な上新鮮外気導入装置を取り付けベンチレーターを廃した屋根廻り、そして新快速の「ご先祖様」にあたる京阪神初代急行電車であるモハ52系譲りのベージュと茶帯のツートンカラーは、統一したカラーリングしかいなかった国鉄路線において一際目立つ存在でした。

 117系はその後、京阪神地区の他に名古屋地区にも導入され、マイナーチェンジも行ないながら1986年までに216両が製造されました。

■JR化後様々なカラーリングが誕生

 そんな117系ですが、民営化後JR西日本では221系や223系、JR東海では211系5000番代や311系、313系といった、より接客設備も充実した高性能な後継車が続々投入されていき、メインであった新快速運用は縮小していくことになります。

▲岡山地区で活躍した「サンライナー色」。

’08.12.31 山陽本線 岡山 P:楢井勝行
(消えた車両写真館より)

 JR西日本で余剰となった117系たちは、各地へと転出していき、その地域独自のカラーリングに塗られていくことになります。白地に緑帯を施した「福知山色」、岡山地区の快速「サンライナー」のロゴをあしらったデザインの「サンライナー色」、紀勢本線や和歌山線で活躍したオーシャンブルーに白帯を巻いた「和歌山色」などがありました。その後、各地域統一色に塗る流れにより下関・岡山地区では黄色、京都地区は緑色、和歌山地区では青緑色一色となりました。

▲JR東海カラーを纏う117系。色こそ違うが塗り分けラインは国鉄色と同一だった。

‘12.11.30 東海道本線 共和―南大高 P:高橋幸佑
(鉄道投稿情報局より)

 JR東海でも白地にコーポレートカラーであるオレンジ帯に変更。初期は子持ちラインのオレンジ帯のほか、雨樋部もオレンジ色に塗られていましたが、その後塗装が簡略化されオレンジ帯は1本に、雨樋部は白色塗装となりました。

■世代交代、そして引退へ

 117系も寄る年波には勝てず、JR東海では一部車両が「トレイン117」というジョイフルトレインに改造されたりしましたが、2013年に完全引退。JR西日本でも各地で置き換えが進んでいました。

 そして2023年3月に京都地区での運用を終え、岡山が全国で最後の117系活躍の場として注目されていましたが、今回227系「Urara」の正式投入日が決定し、同時に117系の定期運行終了も決定しました。

■最後の現役117系は夜行列車で

’22.1.15 山陽本線 河内~入野 P:廣瀬悠吏
(今日の一枚より)

 岡山地区で定期運用を終えることで、一般車の117系は本線上から姿を消します。ですが、「WEST EXPRESS 銀河」用の117系は当面活躍を続ける見込みです。大規模な改造により見違えるほどに生まれ変わった同車ですが、これからの夜行列車のあり方について新たな提案をした車両として、これからも末長く活躍を続けていってほしいものです。

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