他人に攻撃的になってしまうのは病気?当てはまる病気や対応について解説

他人に攻撃的になってしまって「どうしてあんなことをしたんだろう」と後悔したことはありませんか?

少しでも自分の思い通りにならないと気が済まず、怒りの感情が攻撃性を生むこともあるでしょう。

また、他人ではなく家族に攻撃的になってしまうのも精神症状の一つなのでしょうか。

今回の記事では他人に攻撃的になりやすい病気対応について紹介していきます。攻撃的になってしまう理由についても解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

他人に攻撃的になってしまう理由

他人に攻撃的になってしまう理由

他人に攻撃的になってしまうのは不安や焦燥感が原因です。

「裏切られるのではないか」「自分を傷つけているのではないか」など他人を心から信じられずに、激しく怒ったり、物に当たったりしてしまいます。

攻撃に繋がる衝動性をコントロールできないのも原因と考えられます。

通常はイライラしても攻撃したくなるのを抑えられる方が多いですが、精神疾患を持つ方は抑えられずに爆発してしまいます。

怒りをすぐに爆発させるのではなく、なぜ怒っているのかを分析して、その結果どんな気持ちになったかを相手に伝えることが大切です。

家族に攻撃的になってしまう場合は、親の過干渉幼少期の虐待なども原因として挙げられるでしょう。

他人に攻撃的になりやすい病気

ここでは、他の人に対してキツくあたってしまいがちな病気を4つ挙げていきます。

それぞれの病気で特徴治療法などを解説するので、あてはまる症状があれば病院や医療機関に相談してみましょう。

パーソナリティ障害

パーソナリティ障害の中でも攻撃性が症状に出やすいものが3種類あります。

妄想性パーソナリティ障害は人を心から信じられず、裏切られるのではないかと常に考えてしまうのが特徴です。

些細なことでも攻撃されたと受け取ってしまうので、激しく怒って攻撃をしてしまいます。

有効な治療法はまだ見つかっていませんが、症状によっては「認知行動療法」が有効だと考えられています。

反社会性パーソナリティ障害の特徴は他者への思いやりが欠けていて、傷つけたりいじめたりするのを正当化することです。

犯罪行為を繰り返してしまう場合も多いです。

効果的な治療法はまだ発見されていませんが、思考や行動の偏りを改善させる「精神療法」などが使われる場合があります。

受動攻撃性パーソナリティ障害は直接怒りをぶつけずに、あえて他者を困らせる行動をして反抗していきます

例えば約束に遅刻をする、相手を無視するなどの行動です。

精神障害の診断と統計マニュアルである「DSM-IV-TR」からは特定不能のパーソナリティ障害に分類されています。

患者は不満や怒りをうまく表現できないので「認知行動療法」をおこなって改善していき、抑うつ症状などが出ている場合は抗うつ薬を使用する場合もあります。

間欠性爆発性障害

間欠性爆発性障害を持つ人は、突然怒りを爆発させ、激しい言葉や力で他者を攻撃してしまうのが特徴です。

衝動がひどい場合は、相手にケガをさせたり物を壊したりしてしまいます。

攻撃してしまうきっかけは、周囲の何気ない言葉や自分の思い通りにならないと気が済まないことなど些細なものです。

親が間欠性爆発性障害である場合は子の発症率も高く、幼少期の虐待やストレスも関係があると指摘されています。

つまり、遺伝や環境が発症の原因になるのではないかと考えられています。

間欠性爆発性障害への有効な治療は「薬物療法」「精神療法」を並行しておこなうことです。

統合失調症

統合失調症は思春期〜30代にかけて発症し、幻聴や妄想、意欲の低下などがあらわれる病気です。

幻聴や妄想によって自分以外の人から批判や噂が聞こえてくるので、興奮して暴れてしまう場合もあります。

統合失調症の原因はまだはっきりと分かっていませんが、脳内にある神経伝達物質のバランスが崩れることが関係しているのではないかと考えられています。

「薬物療法」「精神科リハビリテーション」をあわせておこなうのが代表的な治療方法です。

精神科リハビリテーションでは運動療法や作業療法などをおこないます。

うつ病

うつ病は何をしてもやる気になれず、悲しく落ち込んだ状態が続きます

日本人の約15人に1人が発症するとても身近な病気です。

脳内の神経伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」が減ると、無気力で憂うつな状態になってしまいます。

他の症状としてイライラして落ち着かなくなることもあるので、それが原因となって攻撃性に繋がります。

うつ病の治療には抗うつ薬や抗不安薬を使う「薬物療法」が有効です。

攻撃的になってしまう人への対応

攻撃的になってしまう人への対応

攻撃的になってしまう人には以下のような対応をしましょう。

  • 相手が落ち着くまで放っておく
  • 自分も感情的にならない
  • 病院などの専門機関に相談する

まず相手が落ち着くまで放っておくのが大切です。

相手の怒りを抑えられないまま話をしていると、激しく言葉や力で攻撃されてしまいます。

何か言うことで余計に怒りを助長させてしまう可能性もあるので、落ち着くまで一度関わるのをやめましょう。

相手が落ち着いてからも感情的にならず冷静に対応をしてください。

どちらも感情的になってしまうとヒートアップして、余計に攻撃的になりやすくなってしまいます。

攻撃的になってしまって何度もトラブルになる場合は病院など専門機関に相談してみましょう

病院に相談すれば具体的な治療法を提案してくれるので悩みを解決できます。

まとめ

今回は他人に攻撃的になりやすい病気や対応理由について解説してきました。

攻撃的になりやすい病気として、パーソナリティ障害・間欠性爆発性障害など不安や衝動性が強く表れるものが挙げられます。

周りに攻撃的になりやすい人がいたら、落ち着くまで放っておき、自分も感情的にならないようにしましょう。

職場や学校などでトラブルになってしまったら、早めに病院や医療機関に相談するようにしてくださいね。

参考サイト

統合失調症|こころの病気について知る|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省

うつ病|こころの病気について知る|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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