廃棄衣料の焼却48万4000トンは本当? 循環支える故繊維問屋

2022/03/09 06:30 更新有料会員限定


回収した古着の山と窪田ナカノ副社長

 捨てられた服はどこへ――世界で環境負荷が2番目に高いとされるファッション産業。昨年公表された環境省の「ファッションと環境」調査によると、20年に51万2000トンの服が廃棄され、うち48万4000トンが焼却されたという。しかし、日本では昔から古着を回収して別の製品に加工したり、再生原料を作ったりする〝故繊維問屋〟が存在し、繊維製品を循環させるシステムがある。本当に、これほど多くの服が焼却されているのだろうか。1934年創業の故繊維問屋のナカノ(横浜市)に取材した。

(高塩夏彦)

 老舗の一つである同社の事業は大きく三つ。古着の輸出、ウエス(機械器具類の清掃に用いられる布切れ)や軍手などの製品への加工と販売、反毛への加工と販売だ。年間約9000トンの古着を、神奈川・東京の自治体や回収業者から集め、用途ごとに280種類に選別する。内訳は輸出する古着が約4割、製品への加工が約3割、反毛への加工が約3割。横浜市の自社工場に集め、簡単な選別の後、主にフィリピンの自社工場へ送り、本格的に選別・加工する。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約すると続きを読むことができます。

ログイン契約して読む

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定サステイナブル



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事