メトホルミンの正しい飲み方とは?副作用や併用禁忌など注意すべき飲み合わせを紹介

メトホルミンを使うときには、正しい飲み方を守らなければ期待した効果を実感できなくなるかもしれません。もしメトホルミンと併用注意の薬を自己判断で服用したときには、副作用が出やすくなる恐れもあります。

ここではメトホルミンの正しい飲み方や、副作用が出やすい併用注意の薬についての情報を紹介します。

メトホルミンとは

メトホルミンは、主に「2型糖尿病の薬」として使われている薬です。
昔から使われてきた薬ですが、近年では2型糖尿病患者に見られる肥満に役立つ働きも注目されています。
ここではメトホルミンのそれぞれの特徴について紹介します。

血糖値を低下させてインスリン抵抗性を改善する

メトホルミンはビグアナイド系という種類の2型糖尿病に使われる薬です。
メトホルミンは「筋肉でブドウ糖を消費しやすくすること」と「肝臓でブドウ糖の放出を抑えること」により血糖値を下げる働きがあります。

またメトホルミンは「インスリン抵抗性」というインスリンの効き目が弱くなる症状を改善する働きもあり、運動療法や食事療法をしても血糖値が改善されない場合に処方されています。

肥満に役立つ働きもある

メトホルミンは「食べ過ぎを防ぐ」「満腹感を持続させる」「糖分を排泄しやすくする」「筋肉量を増やして引き締まった体に導く」という働きにより減量効果が期待できます。

当院ではこれらの働きを利用したメトホルミンのダイエット治療をしています。
詳しくは「メトホルミンで痩せる?ダイエット効果が期待できる4つの理由」をご覧ください。

(※メトホルミンは日本において2型糖尿病の目的に使うときは保険適用ですが、肥満治療の目的で使うときには公的医療保険が適用されない自由診療です。)

メトホルミンの飲み方

メトホルミンは、服用する目的によって用法用量が異なる薬です。
ここでは一般的な2型糖尿病の飲み方と、当院の肥満治療における飲み方をそれぞれ紹介します。

<2型糖尿病治療の飲み方>

成人の場合は1日2~3回、食直前または食後に服用しましょう。
1日500mgから開始して、維持量として750~1,500mgを服用します。
症状に合わせて1日2,250mgまで増やせます。

<肥満治療の飲み方>

当院では、肥満治療に以下のような用法用量で処方しています。
服用時期によって服用方法が異なるため注意してください。

服用開始から1か月目まで

1回1錠250mgを1日2回朝夕の食直前や食後に服用しましょう。

服用後1か月を過ぎたら

1回1錠500mgを1日2回朝夕の食直前や食後に服用しましょう。
ただし症状や体調によっては1回1錠250mgで継続する方もいます。

どちらの飲み方も自己判断で飲み方を調整せずに、用法用量を守って正しく服用しましょう。

メトホルミンと併用できない薬はある?

メトホルミンと併用禁忌の薬はありません。
ただし過度の飲酒は副作用が起こりやすくなるため、必ず避けましょう。

またメトホルミンとの併用に注意が必要な薬には、さまざまな種類が知られています。
ここではメトホルミンの服用中に注意したい薬について紹介します。

<メトホルミンと併用注意の薬|副作用があらわれやすくなる>

以下の薬をメトホルミンと併用すると、副作用である乳酸アシドーシス(胃腸障害、けん怠感、筋肉痛、過呼吸など)があらわれやすくなります。

  • ヨード造影剤
  • ゲンタマイシンなどの抗生剤
  • 各種利尿剤

<メトホルミンと併用注意の薬|血糖値を下げる働きが強くなる>

以下の薬をメトホルミンと併用すると、副作用である低血糖症状のリスクが高くなります。

  • 各種糖尿病薬
  • タンパク同化ホルモン剤
  • サリチル酸剤
  • β遮断薬
  • モノアミン酸化酵素阻害剤

<メトホルミンと併用注意の薬|血糖値を下げる働きが弱くなる>

以下の薬をメトホルミンと併用すると、メトホルミンの血糖値を下げる働きが弱くなります。

  • アドレナリン
  • 副腎皮質ホルモン
  • 甲状腺ホルモン
  • 卵胞ホルモン
  • 各種利尿剤
  • ピラジナミド
  • イソニアジド
  • ニコチン酸
  • フェノチアジン系薬剤

<メトホルミンと併用注意の薬|その他>

メトホルミンの排泄を阻害してメトホルミンの作用が強くなるタイプの薬です。

  • シメチジン
  • ドルテグラビル
  • ビクテグラビル
  • バンデタニブ


メトホルミンの副作用である消化器症状があらわれやすくなる薬です。

  • イメグリミン塩酸塩

メトホルミンと併用注意の薬を飲むと、ダイエット効果は高くなる?

メトホルミンと併用を注意しなければならない薬にはさまざまな種類があります。
これらの併用注意の薬を自己判断で服用しても、メトホルミンのダイエット効果が高くなるわけではありません。

期待した効果を実感しにくくなるうえに、副作用が起こりやすくなることでメトホルミンを使ったダイエットの継続が難しくなる恐れもあります。
期待した効果を高めたいからといって自己判断で併用注意の薬を使用しないでください。

ただし医師の判断によって、メトホルミンを服用中でも併用注意の薬を使うこともあれば、減量や中止をする場合もあります。

病院を受診するときには、メトホルミンの治療中であることを必ず伝えるようにして、医師の指示に従った使い方を心がけましょう。

副作用・注意事項等

禁忌

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 他に糖尿病の薬を服用している方
  • 経口摂取が困難な方、寝たきりの方など全身状態が悪い方
  • 乳酸アシドーシスの既往歴がある方
  • 16歳未満75歳以上の方
  • 肝臓・腎臓・心臓・肺機能障害のある方、大量の飲酒、手術前後、脱水、インスリンの絶対的適応の方、栄養不良、下垂体・副腎機能不全の方
  • 推算系球体ろ過量(eGFR)が30mL/分1.73m2未満の場合

使用上の注意、副作用

  • 用法用量を守って服用してください。服用中はこまめに水分補給をしましょう。
  • 腎血流量を低下させる薬剤(利尿薬、NSIDs、レニン・アンジオテンシン系の阻害薬など)の使用などにより急激に腎機能が悪化する場合もあります。
    メトホルミン使用中は定期的に検査を受けましょう。
  • ヨード造影剤を使った検査の前または造影時には、メトホルミンを服用しないでください。
    ヨード造影剤投与後48時間はメトホルミンの服用を再開しないでください。
    腎機能が悪化する恐れがあるときにはeGFRを測定し、また肝機能についても検査した後に再開してください。
  • 下痢や発熱などにより脱水の恐れがある場合はメトホルミンを休薬してください。
  • 利尿作用を有する薬剤(SGLT2 阻害薬、利尿薬など)との併用時には、脱水症状に注意しましょう。
  • 吐き気、下痢、筋肉痛、強いけん怠感、過呼吸などの症状が出たときには、メトホルミンの服用を中止して医師にご相談ください。

料金

(※メトホルミンは日本において2型糖尿病の目的に処方するときには保険適用ですが、肥満治療では公的医療保険が適用されない自由診療です。)

お薬代

メトホルミンの料金

250mg 60錠 (1日2錠内服した場合30日分)¥1,800(税込¥1,980)
500mg 60錠 (1日2錠内服した場合30日分) ¥2,800(税込¥3,080)

メコバラミンの料金

500μg 60錠 (1日2錠内服した場合30日)¥1,500(税込¥1,650)

※メトホルミンの服用中には、ビタミンB12の欠乏による貧血症状や味覚の異常といった副作用が起こるかもしれません。当院ではこれらの副作用を予防するために、ビタミンB12製剤であるメコバラミン錠を同時に処方しています。

オンライン診療でご購入の場合

郵送料¥1,000(税込¥1,100)
診察料¥1,000(税込¥1,100)

直接ご来院の場合

診察料¥1,000(税込¥1,100)

メトホルミンの肥満治療に興味がある方は、渋谷駅前おおしま皮膚科へ

メトホルミンは2型糖尿病の薬ですが、当院では主に肥満治療に使用しています。
メトホルミンとの併用に注意すべき薬は、さまざまな種類が知られています。

病院を受診するときには、メトホルミンの服用中であることを必ず伝えるようにしましょう。
メトホルミンについて気になることがあるときには、いつでもご相談ください。

「メトホルミンについて」

・未承認医薬品等(異なる目的での使用)

メトホルミンは医薬品医療機器等法において2型糖尿病の効能効果で承認されていますが、肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。

・入手経路等

国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。

・国内の承認医薬品等の有無

国内で肥満治療の効能・効果で承認されているビグアナイド系薬剤はありません。

・諸外国における安全性などに係る情報

 GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAで肥満治療薬として承認されています。

【渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島 昇 監修】