タワマンの低層階と中層階、高層階は何が違う?ほか疑問をQ&Aで解説

公開日 2023年03月01日
タワマンの低層階、中層階、高層階は何が違う?タワマンの疑問をQ&Aで解説

タワーマンションには、一般的なマンションや木造の戸建てとは違う特徴があります。遠くまで景色が見える高層階や、中層階、低層階はどのような良さがあるのでしょうか。また、タワーマンションの防音や地震での揺れはどうなのでしょうか。住み心地にかかわるさまざまな疑問にSUUMOが答えます。

タワーマンションの住み心地は?低層・中層・高層階は何階を指す?

高層階からの眺めの良さが大きな魅力のタワーマンション。でも、低層階や中層階でも充実した暮らしは楽しめます。タワマンの低層階、中層階、高層階それぞれの特徴を紹介します。

タワーマンションとは何?何階建てから?

法的な定義や決まりはないが、一般的には20階以上のマンションがタワマン

通常のマンションに比べて超高層のマンションがタワーマンション。では、何階以上、高さ何メートル以上といった定義はあるのでしょうか。実は、タワーマンションという名称に、法的な決まりや定義はありません。しかし、20階以上のマンションをタワーマンションと呼ぶのが一般的です。

これは、建築基準法で高さ60m超の建築物が「超高層建築物」とされているからです。高さ60mの建物がマンションの場合は20階建て程度になることが多く、そのため、20階以上の超高層マンションが、タワーマンションと呼ばれているのです。

超高層マンションと一般の高さのマンション、高さ以外の違いはある?

タワマンを含む超高層建築物は国土交通大臣の認定を受ける必要がある

超高層のタワーマンションと一般的な高さのマンションでは、窓からの景色などさまざまな違いがありますが、タワーマンションの場合、建物の品質や緊急時への備えに対策が取られているという特徴があります。

一つは、超高層建築物は、構造の安全性や耐火性能、避難安全性能について審査を受け、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。この超高層建築物には、高さ60m超のタワーマンションも含まれています。

また、高さが100mを超えるマンションの屋上には、消防庁の「緊急離着陸場等」でヘリポートの設置基準が決められています。国では、火災が発生した場合など、緊急時には屋上からも避難できるよう、各自治体にヘリポート設置の推進を指導しています。

超高層マンションと一般の高さのマンション
タワーマンションは構造の安全性や耐火性能、避難安全性能について審査を受け、国土交通大臣の認定を受ける(画像/PIXTA)

タワーマンションで一番高いのは何m?

高さ255.5 mのマンションが2023年1月現在では日本一

今、世界各地にはさまざまな超高層ビルがあります。世界一高いビルはUAEのドバイにあるブルジュ・ハリファ。なんと高さは828mです。日本で一番高いビルは、大阪市にある地上60階のあべのハルカスで高さ300mです。

では、マンションはどうでしょう。2023年1月現在、日本で一番高いマンションは、地上55階建て、高さ255.5mの虎ノ門ヒルズレジデンス(虎ノ門ヒルズ 森タワー)。オフィスと賃貸住戸の複合ビルで、住居フロアは46階が最高階数になります。

低層階、中層階、高層階ってそれぞれどのあたり?

マンションの高さによって区分は違ってくる

何階建て以上の建物がタワーマンションなのかを定義する決まりがないのと同様に、マンションの低層階、中層階、高層階がそれぞれ何階以上・何階以下を指すのかといった決まりはありません。マンションによっては低層階用と高層階用のエレベーターがあり、それが低層階、高層階を分ける目安にされることもありますが、多くのマンションでは明確な区分はされていません。

一般的には、15階建程度のマンションなら、1~5階が低層階、6~10階が中層階、11~15階が高層階と言っていいでしょう。タワーマンションの場合は、20階建てなら1~7階が低層階、8~15階が中層階、16階以上が高層階というイメージがしっくりきそうです。同じタワーマンションでも、50階、60階の高さがある場合は、8~15階でも低層階とされることもあるようです。50階以上のタワマンなら低層階になる15階の住戸は、一般的なマンションなら高層階に区分されるなど、マンションの高さによって低層階、中層階、高層階が何階から何階に当たるかが違ってきます。

マンションの高さによって低層階、中層階、高層階が何階かが異なることを説明する図
マンションの高さによって低層階、中層階、高層階が何階から何階に当たるかが違ってくる(イラスト/いぢちひろゆき)

階によって窓からの景色はどう違う?

周辺環境によって異なるが、高層の階ほど眺望が良い傾向に

マンションの窓からどんな景色が見えるのかは物件次第。タワマンの場合、マンションの敷地が広く周辺の建物からある程度の距離が確保されているので、都心の物件であっても、「窓を開けたら手の届きそうな距離に隣の建物が!」というケースはあまりありません。しかし、周辺に建物があればその向こう側の景色は遮られることになります。立地によって異なりますが、一般的には、高層ビルやタワーマンションが密集しているエリアでなければ、低層階よりも中層階、中層階よりも高層階の方が眺望は期待できるといえるでしょう。

窓からの景色、購入前に知る方法は?

モデルルームでイメージ映像や画像を見せてもらおう

マンションは建物ができる前に購入の申し込みをすることが多いため、自分が暮らすことになる住戸や窓からの景色を自分の目で確かめることができません。住戸の場合は、モデルルームで内装や建具の色や素材、どんな住宅設備が使われるかなどを確認することができますが、眺望についてはどうイメージすればいいのでしょうか。

大切なのは現地へ行くこと。建設予定地や、建築中のマンションの周辺がどうなっているのかを確認しましょう。購入を考えている住戸の方角に背の高い建物があれば、購入する階数とどちらが高いかをモデルルームの担当者に確認しておきましょう。また、高架になった高速道路や、電線にも注意。眺望にはあまりこだわらないからと低層階の景色を確認せずに購入したら、窓の正面に高速道路の遮音壁があったり、窓の外の電線が目障りに感じたりというケースもあります。

マンションが完成前の場合、購入する階数からの景色を実際に確認することはできませんが、物件によっては、全ての階ではないかもしれませんが、眺望をイメージした写真や映像が用意されています。購入したい住戸の階数と方角をある程度しぼリこめたら、写真や映像で確認をしておきましょう。

タワーマンションのモデルルームのイメージ
モデルルームの窓に眺望のイメージ画像が設置されていることもある(画像/PIXTA)※写真はイメージ

50階以上のタワーマンションからの眺望はどんなイメージ?

高さは地上150m程度。東京タワーのメインデッキからの景色を思い出そう

高さが50階以上ともなると、かなりの高さ。目の前に大きなビルなど遮るものがなければかなり遠くまで見渡せそうです。50階のマンションの高さは、おおよそ地上150mほど。これは、東京タワーのメインデッキと同じ高さになります。東京タワーに行ったことがある人は、その時の眺望を思い出してみるといいでしょう。

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タワマンの低層階、住み心地や選ぶポイントは?

低層階は気軽に外へ出やすい。そのほかのメリットや住み心地は?

災害時に避難がしやすい安心感がある

ここでは20階建てのタワーマンションの低層階(1~7階程度)で暮らすメリットや住み心地について解説していきましょう。
低層階には中層階や高層階にはない良さがあります。タワーマンションに限らず、どのマンションの低層階でも得られるメリットには、次のようなものがあります。

気軽に外へ出られる

中層階や高層階から時間のかかるエレベーターを使って外へ出るのが億劫に感じられるときがあります。その点、階段でも移動しやすい低層階なら、エレベーターを使わずにサッと外へ出やすいといえます。

停電時も階段で移動できる

地震などの災害で停電になり、数日間、エレベーターが使えないことがあっても、階段で上り下りがしやすいのが低層階。食料や水など、重たい買い出しの荷物を持って上がるときも中層階や高層階よりもラクです。

階下に住戸がなければ子どもの足音で気兼ねしなくていい

1階の住戸や、階下がエントランスの吹抜けになっているなど、低層階には階下で人が暮らしていない住戸があります。子が走ったり、ソファなどから飛び降りたりする音で気兼ねをせずにすみます。叱ったり、注意したりがなければ、親のストレスもたまりません。

1階住戸で専用庭があれば第2のリビングを楽しめる

マンションによりますが、専用庭があればテーブルや椅子を置いて第2のリビングとして使ったり、子どもの遊び場にできたりします。

眺望にこだわらないならタワマンの低層階も向いている?

眺望以外の、タワマンのメリットを享受したいなら低層階もおすすめ

タワーマンションに住むなら、高層階からの眺めを楽しみたい!という人には、低層階での暮らしは物足りないでしょう。しかし、眺望にはあまりこだわりがなく、タワマンならではの立地の良さや充実した共用設備に魅力を感じるなら、高層階に比べて価格が低めの低層階をあえて選ぶという選択はメリット大です。

低層階を選んで後悔しないために知っておきたいことは?

採光や周辺の騒音などを確認すること

敷地が広いタワマンは、低層階でも採光や通風に恵まれているケースが多いといえます。とはいえ、物件によっては高いフェンスで囲まれていて窓からの景色や採光、通風に満足できないことも。近くに幹線道路や鉄道の線路がある場合は、騒音が気になることがあるので、窓の遮音性能を確認しましょう。

また、一般的にはセキュリティがしっかりしているタワマンですが、敷地内に入りやすいタワマンの場合、1~2階は室内に人がいるかどうかを外から確認しやすく窓から住戸内に入られる可能性があります。また、3階程度までならバルコニーのフェンスづたいに外から侵入されることも。低層階は、外部から侵入されるリスクが高層階に比べれば高くなるといえます。

虫が苦手な人は庭から入る虫や、飛んでくる虫のことも考えておきましょう。

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タワーマンションの1階住戸。専用庭のイメージ
専用庭があれば、タワーマンションで戸建て感覚の暮らしが楽しめる(画像/PIXTA)※写真はイメージ

タワマンの中層階は低層階、高層階とどう違う?

中層階の住み心地やメリットは?

低層階と高層階のメリットのいいとこ取りが中層階の住み心地

タワマンの中層階といっても、20階建てと40階建てのタワーマンションでは、どの階からどの階までを指すのかが異なるのは前述の通り。20階建てのタワマンの中層階が、40階建てでは低層階に相当します。ここでは、20階建てのタワーマンションの中層階(8~15階)の住み心地やメリットについてお話ししていきましょう。

公園や水辺などの景色が身近

近くに公園や海、川があるタワーマンションの場合、高層階ではせっかくの緑や水面の風景が遠くに感じられます。しかし、中層階の場合、立地によっては窓から公園や水辺の風景を見下ろすことができ、自然を身近に感じることができます。

採光や通風も期待できる

タワーマンションの場合、敷地が広くとられているため、道路や周辺の建物とある程度距離があります。そのため、中層階であっても採光や通風も期待できます。

虫が室内に入ってくることが少ない

低層階に比べて、蚊やハエなどの虫が入ってくることが少ないのは高層階と同様のメリットです。

高層階に比べて地震の際の揺れが小さい

タワーマンションは上層階に行くほど、地震の際の揺れを感じます。低層階と同様、高層階に比べると地震の揺れが小さいのはメリットでしょう。

停電時、階段での上り下りが可能

8~15階となるとラクではありませんが、階段を使っての上り下りは不可能ではありません。災害時に停電になってエレベーターが使えなくなっても、階段経由で買い出しに出かけることも可能です。ただし、健康状態によっては困難なケースもありますから、年齢や体力も考えて何階に住むかを検討しましょう。

中層階を選んで満足するのはどんな人?

価格と住み心地のバランスの良さを重視する人に向いている

高層階のように絶景を望めるわけではなく、低層階のように外へ気軽に出かけられるわけでもない中層階。大きなアピールポイントがない分、実は、眺望や採光、通風、セキュリティ、停電時の出入りなど、さまざまな面で大きなデメリットがないのです。さらに、高層階に比べると価格は安め。住み心地の良さと価格のバランスを考えて家選びをする人に向いていそうです。

中層階を選ぶ時の注意ポイント

立地や周辺環境、共用施設などをチェック

中層階選びで気をつけたいことは、高層階や低層階、一般のマンションを選ぶ際のポイントと共通しています。通勤や通学に便利か、買い物など日常生活に便利な施設はあるか、共用施設は自分にとって必要なものかなど、住戸以外についてもチェックしましょう。

タワマンの中層階のバルコニーから眺望を楽しむイメージ
中層階からは周辺の公園の緑など景色が身近に感じられる(画像/PIXTA)※写真はイメージ

タワマンの高層階で暮らすメリットは?

高層階は眺望抜群。そのほかのメリットや住み心地は?

プライバシーが守られる開放的な暮らしがかなう

20階建てのタワーマンションの場合、16階以上が高層階。眺望の良さのほかにもさまざまなメリットがあります。

眺望が良く、開放的な住み心地

リビングや寝室の窓から、広がる空や街並みを見渡す時、大きな開放感が得られます。タワーマンションの高層階の大きなメリットが眺望の良さ。東京タワーや東京スカイツリー、レインボーブリッジ、東京の夜景などが見えればより満足度は高くなります。

採光や通風が良い

タワーマンションでは窓の正面に同じくらいの高さのマンションやオフィスビルなどがなければ、階数を問わず採光や通風の良さが期待できます。特に高層階の場合は、採光が遮られる確率が低くなります。ただし、物件によっては高層階の窓が開けられないケースがあるため、通風に関してはケースバイケースです。

外からの視線が気にならない

窓の前方にマンションやビルがなければ、外からの視線を気にせず暮らすことができます。昼間だけでなく、夜もカーテンで目隠しをする必要がない住戸も。高層階からの眺望を思う存分楽しめます。

セキュリティ面での安心感が高い

タワーマンションは、二重三重のオートロックシステムや24時間有人管理、セキュリティ会社との提携など防犯性に優れ、どの階でも外部からの侵入は難しいのが特徴です。高層階は、さらにバルコニーからの侵入が難しいこともあり、より安心して暮らすことができます。

売却したり、貸したりがしやすい

高層階は人気があるため、将来、売却をしたり、賃したりする際に、買主や借主が決まりやすいというメリットがあります。

高層階に向くのはどんな人?

眺めの良さを最優先した家選びをしたい人に向いている

タワーマンションの高層階の、圧倒的なメリットは眺望の良さです。時刻によって、季節によって変わる開放的な景色を眺めながら過ごす時間は、マンションの低層階や住宅密集地の戸建では得られない贅沢。ただし、仕事が忙しく家には寝に帰るだけ、といった生活スタイルの人は、せっかくの眺望をなかなか楽しめません。テレワークの日数が多く家にいる時間が長い人、休日をきちんと確保できる人が、タワマン高層階の良さを満喫できます。

また、前にも触れたように、タワーマンションの高層階は売りやすく貸しやすいメリットがあります。将来的に住み替えを考えている人や、転勤で戻ってこない可能性がある人にも向いているといえます。

高層階を選ぶ時の注意ポイント

実は高所恐怖症だった。という失敗がないように

「普段は意識していなかったのに、タワーマンションの高層階に入居してから、自分が実は高いところが苦手だとわかった」というケースはゼロではありません。筆者の知り合いにも、「せっかくの眺望が見られない」「ベランダや窓に近づけない」という人が。自分や家族が高いところが平気かを今一度確認しておきましょう。

そのほか、高層階には、「エントランスまで距離があり外へ出るのが億劫になりがち」「地震のときに揺れが大きい」「方角や立地によっては日当たりが良すぎて夏になると室内が暑い」などのデメリットや特徴があります。それらのデメリットがあっても高層階の暮らしを楽しみたいかを考えましょう。なお、夏の室内の暑さは窓に遮熱性の高いガラスで軽減されるケースも多いですから、モデルルームで確認してみるといいでしょう。

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タワマン高層階からの眺望のイメージ
高層階からは開放的な景色が楽しめる(画像/PIXTA)※写真はイメージ

タワマンの最上階の暮らし心地は?

最上階ならではのメリットや住み心地は?

特別仕様の間取りがある物件も

タワーマンションの最上階には、眺望や採光の良さ、開放感、セキュリティ面の安心感が高い、売りやすく貸しやすいなどのメリットがありますが、これらは高層階であれば得られやすいこと。最上階ならではの、メリットや住み心地にはどのようなものがあるのでしょうか。

『広い』『メゾネット』など特別仕様の住戸に住めることがある

グレードの高いタワーマンションなどで、最上階が他の住戸よりも専有面積が大幅に広い、メゾネットになっているなどの特別なプランになっていることがあります。また、数は少ないですが、グレードの高い住戸にはエントランスや駐車場から専用のエレベーターがつながっている物件も。タワーマンションの高層階の中でも、さらに特別感が感じられるのが最上階のメリットです。

上階の音が気にならない

最上階ですから上階に人は住んでいません。足音や椅子を動かす音、物を落としたときの音などが上から聞こえることがなく、生活音を感じにくいといえます。

ラウンジや展望室に気軽に行ける

タワーマンション内の共用施設、ラウンジやゲストルーム、展望室は眺望のいい高層階にあるケースが多く、最上階の住戸からは気軽に行きやすいといえます。

資産価値が特に維持しやすい

低層階、中層階、高層階に限らず、立地の良さなどから資産価値が維持しやすいのがタワーマンションですが、棟内で住戸数の少ない高層階はその希少性から特に資産性が高いといえます。

最上階に向くのはどんな人?

資金計画に余裕があり、眺望を楽しめる人

高層階と同様、タワーマンションの最上階での暮らしに向いているのは、眺望や開放感を楽しみたいという人です。最上階の住戸は、それ以外の階の住戸と比較すると価格が高めの傾向にありますから、資金に余裕があること、高額な住宅ローンを借りても安定して返済していけることも重要なポイントです。

最上階を選ぶ時の注意ポイント

災害時にどのような備えがされているかを確認

地震や浸水などの自然災害で停電が起きたとき、タワーマンションの最上階は気楽に階段で上り下りというわけにはいかなくなります。そこで、購入の申し込みをする前に、避難ルートや停電時の対策、水や食糧の備蓄はどうなるのかなどを確認しておくこと。最近は、敷地内や屋上に太陽光発電パネルを設置+蓄電システムを確保して、エントランスや廊下、エレベーターなど共用部で電気が使用できるようにしている物件もあります。

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タワーマンションのラウンジのイメージ
タワーマンションのラウンジは高層階など眺めのいい場所に設けられることが多い。最上階の住戸からなら気軽に利用しやすい(画像/PIXTA)※写真はイメージ

タワーマンションって何年住める?タワマンならではの建物の特徴は?

タワマンって寿命はどれくらい?

何年住めるかは、完成後のメンテナンス次第

最近は、高層建築物の構造や建築資材が進化し、一般のマンションもタワーマンションも耐久性が高くなっています。例えば、地主が期限付きで貸した土地に建てられる定期借地権付きマンションの場合、契約期間満了時には建物を解体・更地にして地主に返すのが原則。つまり、契約期間中は、建物は使用できるともいえます。最近は、60~70年程度の契約期間が設定されることが多いとか。

最近のタワマンなら、新築で購入し住宅ローンを35年で完済した後も、まだまだ長期間住めそうです。

ただし、最近建てられたマンションであっても、メンテナンスを怠れば物理的な寿命は短くなります。50年、60年と快適な暮らしをキープするためには、躯体や防水、配管、共用設備などの定期的な補修や交換が必要です。

ちなみに、1953年に分譲された日本初の分譲マンション(宮益坂ビルディング)は、完成から約60年で老朽化・建て替えのために解体されています。

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タワーマンションの点検のイメージ
定期的な点検、メンテナンス、大規模修繕を行うことがタワーマンションの寿命を延ばすためには大切(画像/PIXTA)※写真はイメージ

タワマンって窓のガラスの強度は大丈夫?

風や熱に耐えられるよう建築基準法の規定がある

タワーマンションの高層階は強い風が吹き、ガラスには風圧がかかります。また、周辺に遮るものがなければ直射日光が長時間当たり、熱でガラスが膨張し熱割れの恐れも考えられます。そのような事故がないよう、建築基準法で風圧に対するガラスの設計法が細かく決められています。また、熱割れに対しては、断熱性や太陽熱をカットする日射遮蔽性能の高いガラスの採用で、対応が可能です。断熱性の高いガラスは、夏涼しく冬暖かい快適性も得られます。

窓ガラスに結露したりしない?

断熱性と空調での換気の良いバランス、暮らし方が結露を防ぐ

結露のもとは、室内空気に含まれる水蒸気。室内の暖かい空気が、冷たいガラスや壁に当たると結露が発生します。マンションで結露が発生しやすいのは、室内と室外の温度差が大きな北側の壁や窓。最近の分譲マンションは断熱性の高い壁やサッシ、ガラスを採用しているところが多いため、ひと昔前に比べると結露はしにくくなっています。しかし、換気をせずに煮物や鍋などの調理をしたり、観葉植物をたくさん置いたり、大量の洗濯ものを室内干ししたりすると、北側の部屋ではなくても結露しやすくなります。

結露を防ぐために必要なのは、高い断熱性と十分な換気、そして室内の湿度を上げない暮らし方です。

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室内にたくさんの観葉植物があるイメージ
観葉植物が多い室内は湿度が上がり、結露が発生することも(画像/PIXTA)※写真はイメージ

タワマンが地震で揺れるのはなぜ?

揺れることで地震のエネルギーを逃している

タワーマンションは地震に強い建物ですが、地震が起きたときには建物が揺れ、高層階ほどその揺れは大きくなります。これは、あえて揺れることで地震のエネルギーを逃し、建物の倒壊を防いでいるのです。

タワマンの地震に対応するのはどんな構造?

耐震構造、制振構造(制震構造)、免震構造で地震から守る

マンションやビル、戸建てを地震から守る構造には、「耐震構造」「制振構造」「免震構造」があります。マンションやビル、戸建てなど広く採用されているのは耐震構造。高層・超高層ビルやタワーマンションに向いているのが「制振構造」、そして、最近は高層・超高層ビルやタワーマンションにも多く採用されているのが「免震構造」です。

耐震構造

壁や柱の強化や補強材の設置で建物自体を強くして地震に対抗する構造。地震や風による揺れは、制振構造や免震構造よりも大きくなるのが特徴です。

制振構造

建物内に制震ダンパーという装置を配置し、地震や風による揺れを吸収する構造です。ビルや一般のマンション、タワーマンションなど幅広い建物で採用されています。

免震構造

建物の基礎部分や、1~2階の中間階に免震装置を配置して、地面からの地震エネルギーが建物に伝わるのを遮断する構造。耐震構造や制振構造に比べてコストはかかりますが、建物への損傷がほとんどなく、地震による揺れも小さくてすみます。

耐震構造、制振構造、免震構造の図
構造によって地震の時の揺れの大きさが異なる(画像/PIXTA)

ビル風が強くてベランダに出られなかったりする?

風でベランダの物が落下すると大事故に。管理組合のルールをチェック

タワーマンションの高層階などでは強い風が吹いていることが多く、ベランダ(バルコニー)に出ると危険を感じる日があります。また、そもそもベランダがついていないタワマン、窓が開かないタワマンも。また、ベランダの洗濯物や観葉植物、パラソルなどが風で飛ばされ落下すると大きな事故につながることがあります。そのため、タワーマンションに限らず、マンションではベランダの使い方にルールがありますから、きちんと確認して守るようにしましょう。

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電車や車の音、風の音がうるさいことはある?

人が暮らす場所には必ず「音」が発生。うるさいと感じたら管理組合か管理会社へ

古いマンションに比べて、最近のマンションは壁や窓の遮音性能が高い傾向にあります。しかし、人が暮らし、周辺に街がある以上、必ず「音」は発生します。電車や車の走行音やクラクションなど、空気の振動によって伝わる音は、近い場所で発生する音ほど大きく聞こえます。また、マンションの階数によって聞こえ方が異なり、遠くで発生した音は、周辺に遮るものがない高層階の方が音は届きやすいそうです。

風の音は、遮音性の高い窓を閉めれば抑えることはできますが、風向きによっては給気口から入った風の音がダクトの中で増幅してうるさく感じることも。

そのほか、水の排水音や足音、掃除機や洗濯機などの音、エレベーターの昇降音など、マンション内ではさまざまな音が発生します。上の住戸からの音かと思っていたら、斜め上の住戸だったなど、音の発生源はわからないことも多いため、もし、騒音に悩むことになったら、管理会社や管理組合に相談するのがいいでしょう。

壁がうすい?隣のくしゃみが聞こえるってほんと?

隣戸との戸境壁がコンクリートではないため音が透過しやすい

タワーマンションの場合、一般的なマンションとは構造が違うため、隣からの音が伝わりやすいことがあります。一般のマンションでは、隣の住戸との戸境壁は湿式壁といわれるコンクリートなのが一般的。しかし、タワマンの場合は建物の軽量化を図るため、乾式壁といわれるコンクリートよりも密度が低い材料が使われるのが一般的で、音が透過しやすくなるのです。

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木造のタワマンってある?

世界各地で木造のビルやマンションが誕生

ビルやマンションというと鉄筋コンクリート造のイメージですが、今、世界のあちこちで木造のビルやマンションが建てられています。世界で一番高層の木造建築物は、ノルウェーにある高さ85m、18階建のホテルとアパートが入る建物。日本では、国土交通省が民間での木材活用を推進したことを背景に、2021年から木造ビルが各地に誕生。2021年11月には東京都稲城市で木造5階建(1階部分は鉄筋コンクリート造)の賃貸マンションが、2023年8月には東京都大田区で1階~4階の全フロアの構造部材に木を使用したALL木造賃貸マンションが竣工予定。2023年11月には千葉県鎌ヶ谷市に国内最高層の15階建の木造マンションが誕生予定です。今後、木造マンションが立ち並ぶ未来がくるかもしれません。

木造マンションのイメージ
環境への負荷が減らせる木造マンションの建築が増えている(画像/PIXTA)

建物の上の方の赤いランプは何?

高さ60m以上の高層ビルに設置される航空障害灯

飛行機やヘリコプターが夜間に飛行する際、高層ビルは飛行の障害になります。高い建物があることを示すのが、航空障害灯という灯りで、高さ60m以上の建物に設置が義務付けられています。

まとめ

マンションの低層階、中層階、高層階にはそれぞれ何階から何階までという定義はない

20階建のタワーマンションの場合、1~7階が低層階、8~15階が中層階、16階以上が高層階の目安

低層階のメリットは、外へ出かけやすく、災害時にも階段での上り下りがしやすいこと

中層階のメリットは、高層階に近い眺望の良さやセキュリティの高さ、低層階のように非常時に階段利用か可能なこと

高層階のメリットは、眺望や開放感のほか、売ったり貸したりしやすいこと

最上階のメリットは、住戸の希少性や資産価値が維持しやすいこと

タワマンは地震に強い建物。最近は揺れが小さい免震構造のタワマンも多くなっている

タワマンでの騒音は発生源がわからないことも多い。気になる騒音があれば管理会社や管理組合に相談

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取材・文/田方みき
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