「エクステリア」と「外構」は何が違うの? 外回りの工事費用と施工例を紹介!

最終更新日 2023年09月11日
「エクステリア」と「外構」は何が違うの? 外回りの工事費用と施工例を紹介!

家を建てる際に家の中のことは一生懸命考えるけれど、家の外を考えるころには力尽きてしまった人も多いのでは。しかし家の外側、つまりエクステリアとは家の「顔」。適当に済ましておくわけにはいきません。そこでリフォームのプロである東京ガスリノベーションのリヴィングモア東京東 店長の源田純男さんにエクステリアの基本や「エクステリア」と「外構」の違いについてを伺いました。これから建てる人もリフォームする人も家の顔をすてきにしませんか。

「エクステリア」と「外構」って何が違う?

「エクステリア」や「外構」といった言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。どちらも敷地内にある家の外側に関する言葉です。ではこの二つの言葉にどんな違いがあるのか? まずはこの基本から押さえていきましょう。

「エクステリアとは、家の外側の空間を捉えた言葉です。エクステリアの対になる言葉がインテリアですが、それと比較すると想像しやすいかも知れません。インテリアというとテーブルやソファ、テレビ、時計……といろいろなものを含んだ空間を指しますよね。同様にエクステリアも門やフェンス、カーポートなど、家の外部を構成するものを含んだ空間を捉えた言葉です」(源田さん、以下同)

一方の「外構」とは、門やフェンス、カーポートといった家の外側を構成する構造物そのものを指す言葉。つまり「エクステリア」を構成するのがいくつもの「外構」という言い方ができます。

エクステリアの考え方のポイントとは

ではエクステリアを考える上で大切なのはどのようなことでしょう。それは「どういう風に家の外側を使いたいか」ということです。

これもインテリアに例えてみましょう。リビングのインテリアを考える際に、まずリビングをどんな風に使いたいか、を考えれば、それに必要なものや配置が分かりますよね。家族がくつろげるようにしたいならテレビや大きなソファが必要ですし、子どもがリビングで勉強できるようにしたいなら、そのためのテーブルが必要になります。またリビングのカタチやドアの位置などで配置も変わります。

エクステリアも同様に車や自転車を何台とめたいのか、子どもが遊べるような場所が必要なら芝生か? あるいはデッキか? 動線や外部の敷地のカタチ、玄関などの位置などを考えて門やフェンスといった外構を配置するように考えることが大切です。

なお、注意したいのが工期です。「エクステリア工事は雨や雪が降ると工事ができないものがあるなど、天候に左右されます。また植栽では樹木の種類によって植えるのに適している時期があります。そのためエクステリアの工事は、工期に余裕をもって検討することが大切です」

エクステリアを構成する外構には、どんなものがある?

エクステリアを考える上で、エクステリアを構成する外構にどんなものがあるのかを、まず把握しておきましょう。

エクステリアを構成する構成物が外構
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どんな暮らしをしたいかによって、必要になる外構やその配置が決まる

(1)門扉・門柱

門扉とは出入口に設けた門の扉のこと。素材にはアルミ製や木製、アルミ+樹脂などがあります。一般的なのは腐食やさびに強いアルミ製。また開閉方法は両開き、片開き、スライド式があります。スライド式は前後に開けるスペースを用意する必要はありませんが、代わりに横に引き込むスペースが必要です。

門柱とは門扉の横に設置される柱や壁のこと。たいていここに表札やポストを備えます。最近は宅配ポストを備えた門柱もあります。門柱に備えなくても、今後門の周りには宅配ポストは必須になりそうです。

(2)フェンス

フェンスとは柵、囲いのこと。外部から家の中が見えないよう目隠しの役割を果たします。素材は門扉同様アルミや木製、アルミ+樹脂などのほか、植栽を巡らす生け垣やブロック塀、土壁などがあります。下にブロック塀などを配置し、上にアルミ製の柵などを組みあわせることも多いです。

外部からまったく見えないようにしてしまうと、かえって侵入者が外から見えなくなってしまうため、ある程度外部から内側が見えるようにするなど、防犯上の工夫が必要です。また日当たりや風通しも考えたほうがいいでしょう。

生け垣は日常のメンテナンスに手間がかかり、怠ると近隣に迷惑をかけてしまうこともあるので注意が必要です。

(3)アプローチ

アプローチとは門扉から玄関まで続く通路のこと。素材はコンクリートやインターロッキング、タイル、レンガなどが一般的です。

アプローチの周りに花壇などを用意して植栽を楽しむ人も多いです。

(4)デッキ・テラス

デッキやテラスは、どちらも家のリビングと空間的につながった、外部リビングのようなもの。一般的に室内の床と高さが同じ場合はデッキ、庭より一段高くなった台はテラスと呼ばれています。どちらもイスやテーブルを置いて第2のリビングとして使用することが多いようです。テラスをガラスの壁や天井で覆ったサンルームや、庭側の壁が開放できるガーデンルームなどもあります。

木製のデッキをウッドデッキと呼びます。天然木のウッドデッキは人気が高いのですが、メンテナンスを怠ると傷んだり変色してしまいます。最近は本物の木のような風合いながら、メンテナンスのラクな人工木(木粉と樹脂を組みあわせたもの)のデッキもあります。ほかにはタイルや天然石などのデッキやテラスが一般的です。

(5)カーポート・ガレージ

カーポートとは屋根と柱だけの簡単な車庫のこと。一方のガレージは車を格納するための建造物を指します。屋根がないものは単に駐車場と呼びます。とめる台数や、道路への接し方、積雪量、さらに防火・準防火地域かどうかで選ぶカーポートが変わりますから、施工会社と相談しながら決めるとよいでしょう。

(6)植栽

植栽とは庭やアプローチ沿いに植えられた樹木や草花のこと。観賞用や家のシンボルツリーとして大きな木を植えるケースもあります。

木は意外と簡単に大きくなります。隣家に枝や落ち葉が入ってしまうとトラブルになりかねないので、植栽計画は慎重に行いましょう。

(7)照明

玄関や門扉まわりのほか、シンボルツリーを照らす一灯があるだけでも、夜の家の印象がガラリと変わります。照明の配置は施工会社と相談するといいでしょう。

エクステリアのデザインの種類

エクステリアのデザインは、道路や近隣との関係などにより、大きく3つの種類に分けられます。

オープン外構

敷地のまわりにフェンスなどをつくらない外構のこと。日当たり・風通しが良く、開放感があり、低コストですむのが特徴です。人によっては、外から見えて落ち着かないと感じることもあります。

オープン外構
隣地や道路との間に隔てるものがないオープン外構(画像提供/PIXTA)

セミクローズ外構

敷地の一部を囲み、近隣と程よい距離感をつくるセミクローズ外構。花壇はオープンに、リビング周辺は隠すなど、見える場所と見せない場所を分けることでそれぞれの楽しみ方ができます。

セミクローズド外構
住まい周辺の一部をフェンスなどで囲んだセミクローズド外構(画像提供/PIXTA)

クローズド外構

フェンスや生垣、門扉などで家と庭のまわりを囲んだ外構のこと。よりプライバシーを守りやすく、子どもやペットが道路に飛び出しにくい、不審者が外から侵入しにくいなどのメリットもあります。

クローズド外構
住まい周辺をフェンスや門扉などで囲んだクローズド外構(画像提供/PIXTA)

エクステリアの施工費用って、どれくらいかかるの?

ではエクステリアの施工費用はどれくらい必要なのでしょうか。もちろん内容や施工会社によって費用は変わりますが、参考までに東京ガスリノベーションのリフォーム施工例を紹介します。

【ケース1】庭の一部を、駐車場に変更した例

以前は2階に子世帯、1階に親世帯が住んでいた二世帯住宅。1階部分も子世帯が相続することになったため、家族構成の変化に合わせてリフォーム。庭の一部を駐車場にし、門扉と門柱を備えました。塀もアルミフェンスに変更しています。
解体処分費約229万円 材料費約94万円 工事費約329円 合計約652万円

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【Before】(左)家の周りはブロック塀で囲まれていました。(右)庭は1階の茶室から眺められる日本庭園がありました(画像提供/東京ガスリノベーション)
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【After】(左)塀を取り払い、新たにブロック+アルミ製の柵と木製の塀を設置。(右)駐車場の奥に門扉を設置。表札やポストなどのある門柱も備えました(画像提供/東京ガスリノベーション)

【ケース2】アプローチにスロープを備え、庭にデッキを設置した例

車いすを利用する必要が生じたため、階段だったアプローチ部分にスロープを設置。そこから玄関までのアプローチはコンクリートで平らにし、ゆるやかなスロープを車いすで上がれるようにしました。またリビングからも出入りできるように、リビングの床と同じ高さのウッドデッキを新設しました。
解体処分費約16万円 材料費約137万円 工事費約157万円 合計約310万円

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【Before】(左)道路から玄関まで階段がありました。(右)階段から奥の玄関までのアプローチにも段差がありました(画像提供/東京ガスリノベーション)
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【After】(左)階段にスロープを追加して車いすでも行き来しやすくしました。奥に見えるアプローチはコンクリートを敷き、平らにしました。(右)リビング~デッキの床の高さを同じに、また玄関のタイルまではウッドデッキの材料でスロープをつくって段差を解消。リビング部分は人工木のウッドデッキです(画像提供/東京ガスリノベーション)

【ケース3】和風のエクステリアを、プロバンス風に変更した例

親の住んでいた家に移り住むことになった子世帯が、自分たちらしい家にリフォーム。エクステリアもそれに合わせて和風の庭や門柱・門扉などを、家の外観と合わせてプロバンス風に変更しました。
解体処分費約76万円 材料費約147万円(うち樹木費18万円) 工事費約420円 合計約643万円

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【Before】(左)和風テイストの家構え。大きな庭と駐車場がありました。(右)庭石も置かれているなど、庭も和風でした(画像提供/東京ガスリノベーション)
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【After】(左)家の外観同様、オレンジと白がキーカラーのプロバンス風に。駐車場は屋根を備えてカーポートに。(右)アプローチには色の濃淡が異なる石を貼りました。玄関近くに植えられた木には下からの照明が用意されています(画像提供/東京ガスリノベーション)

上記はリフォームの一例ですが、用途や敷地、予算に応じて使用する材料が異なります。またリフォーム後のメンテナンスや防犯、プライバシーの保護についても立地条件などで違いますからリフォームの施工会社に相談するといいでしょう。その際に使用目的など「どんなエクステリアにしたいのか」といったところだけは、インテリアのリフォーム同様にしっかりと決めておきましょう。

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取材・文/籠島康弘 イラスト/伊藤美樹
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