階段の寸法や踊り場に決まりはある?手すりは必要?新築時、リフォーム時に知っておきたいポイント

最終更新日 2023年11月03日
階段や踊り場の寸法に決まりはある?手すりは必要?新築時、リフォーム時に知っておきたいポイント

住まいを新築・購入する際やリフォームするとき、階段はデザイン性や安全性など何を重視すべきか気になるもの。
そもそも階段とは?踊り場とは?意外と知らない用語や規定、階段を設計する際の制約や気になるポイントをご紹介します。

階段の寸法には決まりがある

基準があるのは蹴上げ、踏み面、幅、踊り場など

階段とは、上の階と下の階を行き来するための構造物のこと。建築基準法では、そのサイズなどに基準が設けられています。基準があるのは蹴上げ(けあげ)、踏み面(ふみづら)、階段の幅、そして踊り場の位置などです。

踊り場とは、方向転換をするときなどに設けられる、階段の途中の平らな場所のことですが、一般的な住宅に関係する寸法で抑えておきたいのは蹴上げ、踏み面、階段幅です。

階段の幅、蹴上げ、踏み面はどこを指す?
階段の説明イラスト
蹴上げは踏面と垂直になる階段の高さのこと。踏み面は階段の足を乗せる平らな板の部分、またはその奥行き(イラスト/平松慶)

建築基準法で定められている階段の寸法は幅75cm以上、踏み面15cm以上、蹴上げ23cm以下ですが、この寸法通りにつくると傾斜のきつい、急な階段になります。「駅など公共の階段では踏み面が広く、蹴上げが低い階段が多いですが、これは安全性を重視してのこと。住宅の場合でも、蹴上げが低く、踏み面が広い方が、赤ちゃんやお年寄りでも安全に上り下りできる階段になります。

ただし、蹴上げが低く、踏み面が広い傾斜の緩やかな階段というのは、その分階段の面積を取ってしまいます。階段にどの程度面積をとるのか、また階段の位置をどこにするかによって、階段の寸法はおのずと変わってきます」(古屋さん、以下同)

設計時に注意するポイントや間取りのアイデアは?

手すりの取り付けは必須。踊り場を設けることで安全性はUP

階段は転倒や転落などのリスクが伴う場所。小さい子どもやシニアのいる家庭の場合、階段の安全性は特に配慮したいポイントです。

「階段の安全に欠かせない手すりについては、2000年の建築基準法改正により、高さ1mを超える階段には手すりの設置が義務付けられました。しかし、2000年以前に建てられた住宅の場合、手すりのない階段もあるので、中古を検討している場合は手すりの有無を確認しておきましょう。

また、安全性を重視するなら、階段の途中に踊り場を設けるのがオススメです。上から下までまっすぐな直階段は、階段の面積やコストを抑えることができる一方で、足を滑らせると階下まで一気に転落してしまう可能性があります。踊り場を設けると、その分スペースは必要になりますが、転落した場合も踊り場で止めることができるので、危険性を軽減することができます」

階段と踊り場の写真
踊り場を設け、方向転換をするとより安全な階段に。「直階段には畳1枚半ほどのスペースが必要なのに対し、踊り場を設けたまがり階段にすると、少なくとも畳2枚ほどの面積は必要になります」

デザインや間取などさまざまな選択肢がある

階段をどの位置に配置するかは、家全体のプランニングに大きく影響を与えます。注文住宅の場合は特に選択肢が豊富な分、家族の生活スタイルなどに合わせて位置を決めることが重要です。

「昔は玄関を入ると廊下に階段があるという間取りが一般的でしたが、最近ではリビングに階段を設けるような間取りが主流になってきました。リビング階段にすると、必ずリビングを通ってから個室に行くという動線になるため、特に子育て中のファミリーに人気です。

ただし、リビング階段の場合は廊下に設ける階段と違い、上下階がつながりのある空間になるため、空間を暖めたり、冷やしたりするのにコストや時間がかかります。家の中の温度調節については、家自体の断熱性や気密性に加え、エアコンの位置なども事前によく建築会社などに相談しておきましょう」

廊下に設置された階段
廊下に設置された階段
リビングに設置されたスケルトンタイプの階段
リビング階段

リビング階段が主流になると共に、階段のデザインの幅も広がっています。「最近は踏み板と踏み板との間の垂直部分にあたる蹴込み板がないスケルトンタイプのものや、横の壁がないひな段のように見えるオープンタイプ(ひな型)のものも人気です。また、階段下の空間を収納として活用するケースもあり、リビング階段の場合は階段下にテレビ台をつくるなど、壁面収納のようにしつらえることもあります」

リビングに設置されたスケルトンタイプの階段
スケルトンタイプの階段
リビングに設置されたひな型階段
ひな型階段

階段の手すりは後付け可能?

階段の手すりは後付け可能だが、業者に頼むのが安心

前述したとおり、2000年以前に建てられた家の場合、階段に手すりがついていないこともあります。その場合、安全性を高めるため、階段に手すりをつける人も少なくありません。また、手すりのパーツ自体は数千円程度から購入できるものもあるため、DIYで取り付けを検討する人もいるようです。

「手すりを取り付ける場合は、下地のある場所にきちんと固定する必要があります。安全を託すものなので、業者に依頼して取り付けるのがやはり安心です。もし、自分で取り付けたいという場合は安全性を担保することを第一に、下地のあるところに取り付けを行いましょう」

階段用の手すりの取り付けには、自治体などの助成制度を利用できるケースがあります。また、介護認定を受けている場合は、介護保険の住宅改修助成を利用すれば、改修費用の9割(18万円)限度に助成されます。

住み心地のいい家をつくる上で、階段をどうするかは大事なポイント。どの位置に設けるかに加え、安全性やデザインにもこだわって、家づくりにのぞんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

階段には階段の幅、蹴上げ、踏み面など、建築基準法で定められた寸法がある

新築する場合手すりの設置は義務付けられており、踊り場を設けると安全性は高まる

階段の手すりは後付けも可能で、取り付けには自治体などの助成もある

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取材・文/島田美那子 イラスト/平松慶
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