蛇口を閉めているのに水が止まらない、止水栓から水が漏れているなど、すぐに発見できる漏水はいいとして、問題は気がつきにくい“微妙な水漏れ”。特に発見が遅れがちなのがトイレなのだとか。
「見つけることが難しく、かつ頻繁に発生しがちなのがトイレタンクからの水漏れです。便器の水たまりを注意深く見ていただいたときに、水面が揺れていたり、便器の前部や後方部から水がちょろちょろと流れていたりしたら要注意。タンクの中には、『浮き球』がついていて、上にあがると給水をやめて、下がると給水が始まるという仕組みになっています。しかし、浮き球の根元部分にあるパッキンが劣化してゆるくなると、浮き球の上げ下げがうまく機能せず、タンクから給水され続けてしまいます」
ちなみに、便器の水たまりが多いタイプの洋式トイレの場合、水面がわずかに揺れている程度の漏水でも、1カ月で約150m3、約7万4500円もの料金にのぼることもあるそう(東京23区の場合)。なお、水道管やトイレなどの水道設備については使用者の責任において管理されるものとされているので、漏水があったとしても水道メータで計量した水量に対する料金は支払うことが原則。ただし、きちんと管理していても発生したと認められる漏水については、減額できる場合もあるとか。
とはいえ、便器を常にチェックし続けるなんてできません。水道代の高額請求で仰天なんてことにならないためにも、見つけにくい漏水も含めて簡単に発見する方法はないのでしょうか?
「ひとつには、水道メータについている『パイロット』という銀色の金属がどのような状態かを確認する方法があります。このパイロットが継続的に回転しているときは水が流れていることを示していますが、家の中で水道を使っていないのにパイロットが回っている場合は、水道メータから蛇口までの間で漏水の可能性があります」
「パイロット」は蛇口から水が垂れているくらいの水量でも回転するそう。通常、マンションやアパートといった集合住宅であれば玄関ドア横の扉の中に、一戸建ての場合は、玄関の近くにメータボックスがあるケースが多いようです。自宅の水道メータがどこにあるのか確認をしておきましょう。
では万が一、漏水していたらどのように対処すればいいのでしょうか? 焦って水道工事店に連絡する前にまず自分で水を止める方法があるそう。
「例えば、水道管が破裂して外や床下で水がシューシューふいている場合だと地面を掘って調べたり、床下に潜って漏水箇所を探したりする必要があるので、復旧には時間が掛かります。修理会社にお願いすると、調査をしにくるだけでも費用が掛かる場合もあり、即日対応してもらうには費用負担も増えることがほとんど。
そのため、水を使わないときはまずは、水道メータの近くにあるバルブを閉めて、水道を一旦遮断することをおすすめします。また、修理を依頼するときは必ず事前に作業内容や費用をよく確認することが大切です」
ちなみに、水道管の破裂でよくあるのは、寒い季節になり気温が下がり、水道管を通る水が凍って破裂するケースなんだとか。そのため、水道管が外気に触れないように保温材などを巻いておくのも家庭でできる対策のひとつだそう。もしもの漏水で焦らずに済むよう、定期的に水道メータを確認しておきましょう。