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2019年11月26日

声優・田所あずさ インタビュー『悩んだり迷うのは、“声優の仕事を続けたいからこそ”。諦めずに向き合い続けたい』

田所あずさ_タウンワーク1

オーディションでグランプリを受賞し、声優や歌手と多岐に渡り活躍中の田所あずささん。声優としてキャリアを積んできた彼女に、デビュー当時に学んだことや、現在までの仕事との向き合い方についてインタビュー! さらに、11月27日にリリースされるシングル「RIVALS」の制作エピソードについても伺いました。

 

1本芯の通った強い人物像が描かれた新曲「RIVALS」

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——新曲「RIVALS」はアニメ『神田川JET GIRLS』のED主題歌になっていますね。

はい! 作品に寄り添った熱さと疾走感のある曲で、スポ根ならではの心にグッとくるメロディがステキだと思いました。楽曲のキーが高いのと、テンポの速さやリズムの難しさもあってレコーディングは苦労しましたが、歌に込めた熱や気持ちが伝わると嬉しいです。

——歌詞の共感ポイントを教えて下さい。

登場人物の意思の強さや、努力の裏付けがあることが感じられる2番のサビ《邪魔はしないで泣いたって〜》からのフレーズが好きです。芯が1本通った女性のイメージがあるので、歌っていても身が引き締まりますし、強気の歌詞を歌わせてもらうと“カッコイイ!”ってテンションがあがりますね。

——楽曲にちなんで田所さん自身のライバルといえば?

みんながライバルだと思っています。ライバルは刺激をくれる存在であって、その対象がいることで自分自身もより伸びていけると思っています。人と比べるのは良くないという意見もありますが、私は出来ればライバルがいる環境を選びたいです。

——c/wには雰囲気の違う2曲が収録されています。

「Courageous-Clap」は、マーチやワールドミュージック的な要素が入っていて、今までの私の楽曲にはなかった新しい曲調になっています。「スペクトラム ブルー」は、自分自身にとってもすごく大きな意味も持つ楽曲で、ネガティブだったり自信がなくて迷うことを肯定してくれる楽曲です。

——ライブでは、ご自身をネガティブだとおっしゃっていましたね。

そうなんです。“これでいいのかな?”っていつも悩んでばかりです。でも、“迷ったり悩んだりすることこそが大事”だと教えてもらえた曲で、私の性格も含めて肯定してもらえた気がして、ライブでもそのままの自分で歌うことができています。同じように、迷うことが多い方には刺さると思うので、ぜひ歌詞も意識して聞いていただけたらと思います。

 

声や言葉の表現だけで、人の心を動かせる声優という職業に魅了された

田所あずさ_タウンワーク3

——では、ここからはお仕事について伺いたいのですが、声優を目指したキッカケは?

中学2年生の時に、『犬夜叉』を見て初めて声の表現で感動したんです。その時に声と言葉だけで人の心を動かしたり、キャラクターのバックボーンを表現できる『声優』というすごい職業があるんだと、この作品で知ったのがキッカケです。

——そこからどのように夢に向かって動き出したのでしょうか?

しばらくはどうやって目指せばいいのかも分からなくて夢のままでした。でも、高校生になって進路を考え出した時に、やっぱり声優しか考えられなくて。そんな時にたまたま、高校のOBに憧れの声優さんである中島愛さんがいらっしゃることを知って、彼女がどうやって声優になったのか調べました。オーディションを受けていたことが分かったので、急いでオーディション雑誌を買いにいきました。そこで応募したのが、今所属している事務所の主催のものでした。

——オーディションを受ける事に緊張はなかったですか?

声優になりたいという気持ちが強かったですし、好奇心が強いタイプなので、最初はなんの迷いもなく受けました。ただ、正直にいうと最初は受かるとは思っていなくて非現実的だったんです。東京に来るのも楽しかったですし、経験になればいいなというくらいで。なので、徐々に審査が進んで行くうちに現実味を帯びてきて、不安で不安ですごく泣きましたね(笑)。

——そんななか、どうやってメンタルを保ったのでしょう?

実はオーディションで私の隣にいた子が、私よりかなり年下だったんですけど、「大丈夫だよ」って声をかけてくれて(笑)。現場はギスギスしているイメージだったので、ライバルには違いないにも関わらずその子に背中を押してもらえたのは、とても環境に恵まれたと思います。

 

初めての現場で教わったのは、感情を正しく伝えるための日本語!?

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——見事オーディションを通過してお仕事を始めるわけですが、最初に戸惑ったことは覚えていますか?

アフレコも難しかったんですが、その前に日本語の難しさに戸惑いました。茨城出身なので訛りもありましたし、日本語の組み立て方など基本的な部分を指摘されました。たとえば、“この言葉はどこにかかる”とか、“どこを強調してどこで切る(句読点をつける)”かで全然違う文脈になってしまうんです。

今まで普通に話していた言葉なのに、頭を使って考えて話すのはすごく大変で、あらためて日本語は難しいんだと思いましたね。ただ、そのおかげで正しい言葉の使い方を知れて感情も乗せやすくなりました。

——アフレコ現場はどうしたか?

挨拶の仕方から分からなかったので、知らないうちに間違ったことをしているかもしれないという怖さでいっぱいでしたが、演技以外にも基本的な礼儀作法も含めて毎日が勉強でした。でも、今考えると声優という職業に限らず、社会に出て必要なことを教えて頂いたことに感謝しかないです。

 

自分だけで精一杯だったことも、経験を重ねるごとに視野を広げていきたい

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——お仕事でのターニングポイントはありますか?

今感じていることでお話すると、今まではメインキャストを演らせていただくことが多くて自分自身のことで精一杯だったんです。でも、今回のアニメ『神田川JET GIRLS』で、最強のライバルという役をいただいて、“どういうライバルでいるのが主人公にとって良いライバルなのか”“主人公のために存在できるキャラクターや立ち位置ってなんだろう?”ということを意識するようになりました。

声優になって8年が経ちますが、年月を重ねるごとに広い視野を持てるようになっていきたいですし、次は自分が後輩たちがやりやすい環境を作る側に立って引っ張っていかないといけないなと感じています。今まで先輩たちがやっていてくださったことにも改めて感謝するようになりました。

 

悩むのは向き合っている証拠。ようやく“迷っているうちは大丈夫だ”と思えるようになった

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——落ち込んだり壁にぶつかった時の対処方法を教えて下さい。

落ち込むのはしょっちゅうです! 常に“これでいいのかな”と悩んでいるので。ライブでも、“なんでみんなが私のライブにきてくるのか?”“何を求めてきてくれるのか?”とか、“本当の歌の良さってなんだろう?”とか、いつもそこまで考えてしまうんです。

——答えはどうやって見つけますか?

“きっとこれが正解かな”と思う方法でトライしたり、やっていくなかで見つけたりして日々過ごしています。たくさんの方のお話を聞いたり、ライブで応援してくださる方の声援を聞くことで、“大丈夫だったみたい!”と思えたりと、たくさんの方に助けられていますね。

——1つずつ確認しながら進んでいくと。

そうですね。それと、今回の楽曲の「スペクトラム ブルー」の、《ひとりきりでいたいのは ちゃんと迷いたいから》という言葉にも救われました。作詞をしてくださった大木さんに、“淋しさ”は人に頼るものだけど、“孤独”はちゃんと自分で受け入れて引き受けている人の言葉だと教えてもらえたのも心に響きましたね。

——では最後に、お仕事をする上で大事にしていることを教えて下さい。

辞めないこと。声優の仕事は難しいぶん、やればやるほど面白みがあってずっと楽しいんです。悩んだり迷うのは、“この仕事を続けたいからこそ”なので、最近は“迷えているうちは大丈夫だ!”と思えるようになりました(笑)。壁にぶつかっても諦めずに向き合っていきたいと思います。

■Profile
田所あずさ(たどころ あずさ)

『第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン〜次世代声優アーティストオーディション〜』グランプリ受賞。声優として『アイカツ!』霧矢あおい役をはじめ、『アイカツフレンズ!』神城カレン役、『BanG Dream!』瀬田薫役、『ウマ娘プリティダービー』シンボリルリドルフ役など数々のアニメ・ゲームに出演。また、2014年に1st アルバム『Beyond Myself!』でアーティストデビュー。 以降、数々のアニメでタイアップを担当し、 2019年8月21日にはノンタイアップシングル「イコール」をリリース。11月10日は初のアリーナワンマンライブを行なった。

◆田所あずさ Official Website:http://tadokoroazusa.com/
◆田所あずさ Official Twitter:@AzusaTadokoro

撮影:河井彩美 取材・文:原 千夏 企画・編集:森晶

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