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2022年12月23日

物欲がない人の心理とは?心配ない人と要注意な人の違い、対処法を解説

物欲ない人 タウンワークマガジン townwork欲しい物や買いたい物がなくて、最近、物欲がないな…と思っている人はいませんか。物欲がないのは、意欲の低下?それとも精神的に問題があるの?と少し不安を感じるかもしれません。物欲がなくなるのは、どのような心理状態なのか精神科医の井上智介先生に教えてもらいました。

「物欲がない」の全てが問題ではない

普段から気持ちが安定している人は、物欲がないことを心配する必要はありません。物欲がないことは、心理的には「精神的満足度が高い状態」と捉えており、精神的に成熟している証拠でもあります。自分の生活に足りない物を足していくとキリがなく、疲弊してしまいます。それよりも、どんどん引いて心を軽くすれば何気ないことに喜びを感じたり、感動を得たりと精神面での充足感が上がります。物欲がないことは決して落ち込むことでもネガティブなことでもないのです。

ただし、物欲だけに限らず、食欲や睡眠欲などの欲求が以前と比べてなくなったなど、急激な変化がある場合は注意が必要かもしれません。
次から、詳しく見ていきましょう。

 

心配のない「物欲がない人」の心理とは

以下の心理状態で物欲がないのであれば、精神的には問題ないでしょう。

身近にあるもので満たされている

周囲の友達や家族との関係性、趣味や余暇の過ごし方などで満足していれば、物欲がなくても問題ありません。物を必要以上に欲しくなる心理状態として、現状の不安や不満を解消するために物を買おうとする行動を起こす場合があります。使えるものがあるのに、より便利なもの、より新しいものを…というように。物を買うよりも、友人や家族と話したり、ストレスを解消できる趣味があれば、おのずと物欲はなくなります。

もともと楽観的な性格である

物がなくても「大丈夫」「なんとかなるでしょう」という楽観的思考の人は、物欲が少ない傾向が強いです。あるものでなんとかするという考えが根付いているので、ものがないことに不安を抱かないのです。「あれがないと不安だから買っておこう」という考えにならず、必要なときに必要なものだけ買えばいいと考えられているなら、何ら問題はありません。

物よりも体験を重視している

自分の趣味や旅行など物がなくても、自分が行動して得られる「体験」に重きを置いている人も物欲は少ないでしょう。稼いだバイト代を「買い物」よりも「体験」に使いたいと考えていたり、体験のほうが物よりも価値があると考えている人です。若い世代に多い傾向で、今後は、より浸透していくかもしれませんね。

周りと比べない、自己肯定感が高い

人は社会的な動物なので、人からどう見られているか、どう評価されているかを気にしてしまいます。それは物欲にも表れており「みんな持っているから欲しい」「これを持っていたらすごいと思われるかも」など、周囲の目を気にして買い物をする場合があります。しかし、自己肯定感が高く、周囲と比べず、「人からどう見られようと私は私」と思っている人は、よく見られるために買い物をする必要がなくなります。

目的のために貯金している

目的があって節約をしていたり、貯金をしていたりして物欲がないのは、とても良い精神状態です。自分の感情をきちんとコントロールできているのは、精神的に充足している証拠です。ただ、「貯金をしなくてはいけない」「節約のために買えない」など、卑屈な感情でお金を貯めている場合は要注意かもしれません。

 

要注意な「物欲がない人」の心理とは

何をするにもやる気が起こらない…、気づけば物欲もないという人は精神的にあまり良い状態ではないかもしれません。少し注意が必要なケースを解説していきます。

肉体的、精神的に疲労している

一番多いのが、疲労によって物欲がなくなるケースです。授業にバイト、遊びなど、一見充実しているように見えて、実は心身ともに疲労していることはよくあります。「以前は物欲があったのに最近はまったくない」など変化を感じる場合は、心身が疲弊しているために意欲が低下している可能性があります。

買い物に出かけることが億劫に感じる

実は買い物はとてもエネルギーがいる行動です。外出して買い物をするなら、着替えて、電車に乗り、店員さんと話すなどのエネルギーがいります。ネットで買い物をするにしても、比較検討をするなど頭を働かさなければいけません。物欲がない理由が、出かけたくない、店員さんと話すのが億劫、比較するのが面倒…というものであれば、全体的な意欲が減っていて注意が必要かもしれません。

物欲だけでなく、他の欲求もなくなっている

食欲や睡眠欲など、物欲以外の欲求もなくなっていたら要注意です。もしくは、過食になっていたり、ひたすら眠かったり。ポイントは、以前と比較して、生理的な欲求に対しての変化があるかどうかです。変化が生じている場合は精神的に不安定になっているサインの可能性があります。

 

要注意な物欲がない人の対処法

上記の「要注意なケース」に当てはまる人は、何らかの対処をした方がいいかもしれません。まずは、以下のことを試してみるといいでしょう。

睡眠をしっかりとる

物欲がないのは全体のエネルギーがなくなっている状態です。そのため、できるだけエネルギーを溜めるようにしてください。エネルギーを溜めるのに一番早く、有効な方法はしっかり寝ることです。休みの日は時間を気にせずにたっぷり寝て体を休めましょう。睡眠の際、注意してほしいのはスマホやタブレットなどを見ないようにすること。ネットやSNSの情報は感情を揺さぶり、知らず知らずに疲労してしまうため、寝る直前やベッドの中ではできるだけスマホを触らないようにしてください。

人間関係を休む

人と会うことはとてもエネルギーを使います。時には人と接する時間を減らして心身を休めることも重要です。例えば、遊びに行くのを止めてみたり、20時以降はSNSの返信をしないなどのルールを作ってみるのも有効。たまに「意欲がないときこそ人と会おう、外に出よう」というアドバイスを見かけますが、これは無理にしないようにしましょう。人に会いたくない、外に出たくないと思うなら自分の直感に従ってください。ひとりで自宅でダラダラしたいと思ったのなら、それを実行するのが一番いいのです。

好きなものをリスト化する

ネガティブな心理のときは、気分を変えられるようなストッパーがないとどんどん落ち込んでしまう場合があります。落ち込んだときに気分転換となる、「自分が好きなこと」をリスト化しておきましょう。コンビニの高級スイーツを食べる、香りの良い入浴剤を入れてお風呂に入る、推しの動画を観るなど、好きなこと、癒されることをリスト化しておきます。そして、ネガティブモードに入ったときに、リストを見てできることからやってみて、早めに気分転換するのがおすすめです。

社会に必要とされていると感じる

自己肯定感が低いために、物欲やさまざまな欲求が落ちている場合は、「どうせ私なんて…」という思いが根底にきてしまい、何事もやる気がでないことがあります。その場合は、自分は社会に必要とされているということを感じて、自己肯定感を高めることが大切です。社会に必要とされるというと難しく感じるかもしれませんが、コンビニやスーパーなどに日用品を買いに行くだけでも、経済を回していることになり、十分に社会に貢献しているのです。

 

まとめ

周囲に「なんでそんなに物欲がないの?」と言われたとしても、上記の心配ないケースに当てはまるのであれば、悩む必要はありません。
ただし、精神的につらいと感じていることがあるならば、決して無理をせず、十分に休みをとったり、専門家の力を借りたりしてみてください。

 

■取材協力
井上智介
(いのうえ・ともすけ)
精神科医・産業医。数々の病院でプライマリケアを学び、産業医として多くの会社を訪問。現在、精神科医を務めるほか、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターとしても活躍。最新著書に『どうする? 家族のメンタル不調』がある。

Twitter:@tatakau_sangyoi
Instagram:@tatakau_sangyoi

取材・文 中屋麻依子

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