余計なひとことで人を傷つけてしまう【ワタシのトリセツ】（企画：トキオ・ナレッジ　漫画：カマタミワ）

ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。

喫茶店で働く一見普通のパート主婦・照代は、人間観察や悩みを解決することが大の得意。毎回、性格に何らかの悩みを抱えているお客さんに、問題を解決する方法をこっそり伝授します。

今回のテーマ：余計なひとことで人を傷つけてしまう性格

【解説】

無意識に相手を傷つけてしまう。自覚がない人は要注意

「余計なこと言っちゃったかな…」というシチュエーションは、誰しもあると思います。気まずい沈黙に耐えかねて、さらに言わなくていいことを言ってしまい、状況をさらに悪化させてしまった経験がある人も多いのでは？

自覚できているなら、まだ救いはあります。けれど自覚がない場合、改善は難しいかもしれません。なぜなら、余計な一言を言われた側が、「その一言、いらないよね？」と注意する可能性は極めて低いからです。もちろん関係性にもよりますが、言えない人のほうが多いであろうことは想像に難くありません。自分が余計な一言を言われて「注意できるだろうか？」と考えてみれば、これは否定できない事実とわかるはずです。
というわけで、さっそく思い当たるところがないか、特徴を検証していきましょう。

まずは「無意識で口にしている」＆「思ったことが口に出てしまう」。
本人に悪気はなく、そのうえその言葉を発していることにすら気づいていない口癖パターンです。相手はあまりにサラッと言われるためツッコむ間もなく、スルーしてもらっていることも多いでしょう。
たとえ自分で失言に気づいてたとしても、相手が何も言ってこなため「大丈夫だったか…危ねぇ……」と思ってしまいがちですが、言わないだけで相手の心にはきっちり刺さっています。後からでも遅くないので訂正、もしくは言い訳したほうがよいでしょう。

続いては「上から目線」の一言をつけてしまう、というパターン。
一言多いだけでも相手をイラっとさせてしまうのに、「上から目線」とのコンボは最悪です。心のどこかで相手を下に見てしまっている場合のほか、お節介焼きの人も要注意。アドバイスをした後に「あなたのためを思って言ってるんだよ」と言ってしまう人は、「余計な一言が多い人」と思われている可能性があります。ウザい人認定されてしまうことさえ、あるでしょう。

そして３つ目が「ウケを狙ってしまう」。
相手を楽しませようと思って放った冗談が、「余計な一言」になってしまう残念なパターンです。ウケれば何の問題もないのですが、漫画のように焦ったシチュエーションでは、ほぼスベるものと思ってよいでしょう。

さて、あなたに思い当たる節はなかったでしょうか？
「一言多い人」は周りに距離を置かれてしまいます。無自覚のまま大切な人にフェイドアウトされないためにも、思い当たる人はなるべく早めに対処しておきましょう。

【対処法】

「意外に」「思ったより」「割と」はNGワード。ゆっくり話すことを意識して

余計な一言を言ってしまう人の原因は十中八九、「何も考えずに話している」です。
頭に浮かんだワードをそのまま吐き出してしまうため、発言する前に「これを言ったらどうなるだろう」というところまで考えが至らないのです。
そもそも「相手が不快になるかもしれない言葉」が思い浮かぶのも問題なのですが、シンプルに「意外に」とか「思ったより」とか「割と」が枕詞になるだけで、相手の受け止め方は変わってきます。「ん!?」となってしまうのです。

まずは、これらの枕詞を日常から使わないよう意識すること。それだけで、「一言多い」はだいぶ改善することでしょう。プラス、「ゆっくり話す」を心がけてみてください。ゆっくりと、発言するワードの一つひとつを意識しながら話すのです。

勢いで発言してしまうと、癖づいている「意外に」とか「思ったより」といったワードが無意識に漏れ出てしまいます。日常会話の中で「自分の言葉に即答してほしい。レス早よ！」と思っている人はほとんどいません。多少の間があったとしても気になる人はいないのです。ですから、「ゆっくりでいい。いや、むしろ、ゆっくりがいい」と肝に銘じましょう。
「相手が求めている言葉」を発するのは理解力や言葉選びのセンスが必要になってきますが、「相手が求めていない余計な一言」は単純に言わなければいいだけです。NGワードの「言う」「言わない」その2択ができる程度に「ゆっくり話す」を意識してみてください。

解説で挙げた「あなたのためを思って～」のほか、相手の失言に対して「そういうとこだぞ」と言ってしまうなど、上から目線なフレーズも、もちろんNG。ウケを狙うのは、ひとまずNGワードやNGフレーズを封印してからでも遅くはありません。