健康的なライフスタイルを維持するためには、健康的で栄養価の高い食事を作ることが重要です。最近、人気の調理法のひとつに「蒸す」という方法があります。
蒸し料理は、調理方法も簡単なことから人気が高まっています。
しかし、蒸し料理にはどのようなメリットがあり、どのようなデメリットがあるのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、蒸し料理とは何か、蒸し料理がもたらす健康効果、蒸し料理のメリット・デメリット、蒸し料理の種類、蒸し料理の器具、蒸し料理の方法など、蒸し料理に関するあらゆることを解説していきます。
さらに、蒸すことと茹でることの違い、蒸し料理中に食品を加熱しすぎないようにするコツや、蒸し料理をよりヘルシーにするコツも紹介しています。
蒸し料理とは
蒸し料理とは、食材を蒸気にさらして調理する料理法のことです。
油分を加えずに調理できるため、健康的な調理法として人気があります。野菜、肉・魚介類、餃子・シュウマイなどによく使われますが、おこわやスイーツにも使うことができます。
食材の本来の風味や栄養素を保持することができるため、より栄養価が高く、風味も豊かな料理として知られています。
蒸し料理はなぜ健康的と言われるのか
蒸し料理は調理する過程で油を使わずに済むので、脂肪分やカロリーが少なくなります。
また、蒸気を通すことで食材の栄養素が失われにくく、食材に含まれるビタミンやミネラルを壊すことも少ないため、栄養素を豊富に摂取することができます。
そのため、肥満や生活習慣病の予防に役立つので健康的だと言われているのです。
蒸し料理の栄養的なメリット
高温で加熱すると栄養素が失われるのに対して、蒸気で加熱することで、食材の栄養素を保持することができます。特に野菜は、ビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれているため、蒸し料理で調理することで、より栄養価が高くなります。
例えば、ブロッコリーに含まれるビタミンCや葉酸は高温で加熱すると壊れやすく、茹で汁に栄養素が溶け出してしまいますが、蒸すことによって栄養の流出を防ぐ効果があります。
個人的に感じたメリット
またブロッコリーのことで申し訳ないですが、茹でるよりも蒸した方が味が濃いです。
意外かもしれませんが、ごぼうは茹でるより蒸した方が独特の臭みが減ります。(もちろん火を通す前に水にさらしてアク抜きしてます)
私の個人的な考えになりますが、茹でると茹で汁にごぼうのアクがでて全体にアクが回った状態になるのに対し、蒸すと蒸気で加熱するためアクは自然と下におちます。だから独特の臭みが減ったのだと思っています。 (ごぼうサラダにすると違いがわかりますよ)
蒸し料理をよりヘルシーにするコツ
蒸気で調理することで、食材が柔らかく、噛みごたえがあり、食感が良くなります。また、食材の本来の風味や旨みを引き出すことができるので、蒸し料理は健康的で栄養価が高く、風味も豊かな料理として知られています。
ただし、揚げ物のように油を使わないからヘルシーというわけでもありません。
蒸し料理の素材そのものを楽しんで食べる分にはヘルシーですが、使用する調味料によっては違ってきます。
例えば、蒸し野菜のサラダにマヨネーズやドレッシング (フレンチやシーザー) をたっぷりかけていては、カロリーや塩分を抑えることができません。
蒸し料理 (特に野菜) は本来の味や旨みが増しているので、普段より控えめに調味料を使うことをおすすめします。
まずは何もつけずに食べてみて!
メリット・デメリットは何?
蒸し料理に興味のある人は「低カロリーでヘルシー」「本来の味が味わえる」とかメリットを多く知っていますよね。
当然、メリットがあればデメリットもあるので蒸し料理のメリット・デメリットをしっかりと把握しておきましょう。
メリット
- 栄養素の損失が少ない
- 水分と熱を使用して調理されるため、他の調理法に比べ、栄養素をより多く保持できる
- 消化吸収が容易
- 柔らかく、口当たりが優しいため、消化吸収がしやすくなる
- 脂肪分の摂取量が減る
- 油を使わずに調理することができるため、摂取カロリーを抑えることができる
- 生活習慣病の予防につながる
- ビタミン、ミネラル、抗酸化物質を多く含むため、慢性疾患のリスクを軽減する。また、野菜や魚などの低糖質食材を蒸すことで低糖質・低カロリーな食事をつくることができる。
- 食材の自然な味と食感が保たれる
- 油で揚げたり調味料をふんだんに使用しないので、食材本来の味や旨みを楽しむことができる
デメリット
- 調理時間が長い
- 火の通りに時間がかかるため、焼いたりフライにするよりも調理時間が長くなることがある
- 味が薄い
- 調味料を加えずに調理することが多いため、味が薄く感じられることがある
- 食材の形が崩れやすい
- 水分と熱を使用して調理するため、食材の形が崩れやすいことがある。また蒸すのに適していない食材もあるので要注意
- 均一に火を通すのがむずかしい
- 食材の大きさや厚みをそろえないとムラになりやすい
- 蒸し器を使う必要がある
- 蒸し料理を作るには、専用の器具が必要で用意する手間がかかることがある
蒸すことができる食べ物の種類
野菜
ほとんどの野菜は蒸すことができますが、一般的に人気のある野菜は以下の通りです。
- ブロッコリー
- カリフラワー
- ニンジン
- アスパラガス
- ほうれん草
- ズッキーニ
- キャベツ
- さつまいも
- じゃがいも
- とうもろこし
- 大根
また、水分を多く含む野菜は風味や食感が悪くなったり、煮くずれに似た状態になることがあります。蒸すことに向いていない野菜の一例は以下のとおりです。
- トマト
- レタス
- きゅうり
- なす
ただし、短時間で蒸したり個人の好みにもよるので一概に「蒸しちゃだめ!」ということではありません。
うちはかぼちゃをよく蒸してます。
うまうまです♪
肉・魚介類
一般的に人気のある食材は以下の通りです。
- 鶏肉
- 豚肉
- 牛肉
- ラム肉
- 鮭
- カレイ
- タラ
- ほたて貝
- あさり
- エビ
- イカ
- タコ
ただし、厚切り肉やハンバーグのような塊は、加熱時間が比較的長くなってしまい、肉の表面が似たような感じになってしまいます。また、中まで十分に加熱されない可能性もあるので、薄く切ったり加熱時間を短くするなどの調整が必要になります。
レシピによっては作れるよ
その他
まだまだ蒸し料理に向いている食材はあります。
- 米や麦などの穀物類
- うどんやそうめん、中華麺などの麺類
- たまごや豆腐などの豆類
- 果物やお菓子などのデザート類
- パンやピザ生地などのパン生地類
下記の食材は一般的に蒸すことには向いていないといわれています。
- キムチや納豆などの発酵食品
- 乾麵やドライフルーツなどの乾燥食材
- チーズやバターなどの高脂肪食材
- パイ生地やクッキー生地など生地に脂分が多い食材
蒸し器の種類と蒸し方
蒸し器の種類は下記の記事で詳しく説明しています。
蒸し器を使わない蒸し料理方法
専用の蒸し器を使わずに蒸し料理を作る方法を紹介します。
フライパンで蒸し焼き
フライパンに食材を入れ、水を注いでから調理する方法です。この方法なら煮るよりも水分が少ないので、調味料で味付けをしてしまえば流れ出た栄養もいっしょに摂ることが可能です。
また、一般的な蒸し器よりも短時間で仕上げることができるので、時短を目指している人向けです。
ただし、注ぐ水分が少ないので焦げ付かないようにこまめなチェックが必要になります。
スチームクッカー
台湾の大同電鍋が有名です。これは万能調理家電で、水を注いでスイッチを押すだけで「炊く」「蒸す」「煮込む」「温める」ことができるスグレモノ!
容量も1.08L (6合炊き) と1.8L (10合炊き) の2タイプあり、カラーバリエーションも7色と豊富です。
火加減の調整がいらないこととできあがると自動で保温になるので、ほったらかしができます。
電子レンジ
シリコンスチーマーや耐熱ボウルに入れて、電子レンジで蒸す方法です。
蒸し器を使った方法よりも火の通りにムラがあることと、蒸気で蒸すときとは違い、アクやえぐみが取れずらい点もあります。
私は挫折しました。
おすすめレシピ
詳しくは下記の記事をご覧ください。
「蒸す」「ゆでる」「煮る」何が違う?
「蒸す」「茹でる」「煮る」の大きな違いは、調理方法です。
蒸すは食材に蒸気をあてる、茹でるはお湯の中で、煮るはスープや水の中で調理することです。
茹でると煮るは調理方法としては似ていますよね。
蒸す | 茹でる・煮る | |
調理方法 | 食材を蒸気にさらす | 煮沸したお湯に浸す |
水の使用量 | 蒸し鍋に張る分のみ | 食材を浸すほどの水 |
栄養素の保持 | 高温で比較的短時間なので保持しやすい | 水に栄養素が流れる |
風味と食感 | 素材の旨みや甘みを引き出し、歯ごたえを残すこともできる | 蒸した時よりはやわらかくなりやすい |
調理時間 | 5~20分と比較的長くなることがある | 蒸すよりも短い時間で火を通すことができる |
調理する素材によって調理時間や水の量は変わってくるので一概にどちらが長いとか短いは言えません。
小松菜などの葉物だったら湯を沸かす時間も含めて、どちらも同じくらいだと私は思いました。しかし、じゃがいもなどをまるごと火を通すのなら茹でるより蒸した方が時間はかからないですね。
また、私が実際に調理した経験から、蒸した方が食材がやわらかくなりすぎることが少ないと感じました。
世界の蒸し料理
世界には、有名な蒸し料理がたくさんあります。ここではそのいくつかをご紹介します。蒸し料理は、塩味から甘味まで、さまざまな料理に使える人気の調理法で、ヘルシーでおいしい料理が作れます。
点心
中国南部で生まれた有名な広東料理です。一口サイズの餃子を竹かごに入れて蒸したものです。点心には、エビ、豚肉、野菜など、さまざまな具材を入れることができます。
タマレス
メキシコの伝統料理で、トウモロコシ粉をラードとあわせてこねた生地 (マサ) の中に味付けしたチキン、野菜、チーズなどの具を入れ、トウモロコシの皮やバナナの葉で包んで蒸した料理です。
ラテンアメリカの多くの国で食べられている、人気のある屋台料理です。
イドゥリ
南インドやスリランカの朝食として一般的に食べられている塩味のライスケーキの一種です。米と皮をとったウラド豆からなる生地を発酵させてから蒸したものです。柔らかく、ふわふわで、通常チャツネとサンバールを添えて食べます。
よくある質問
- 蒸し器がない場合の代替は何がいい?
- フライパンで蒸し焼きにしたり、耐熱容器にいれて電子レンジで蒸すことができます。
詳しくは以下のページを参考にしてください。
蒸し器がなくてもOK!炊飯器やフライパンなどで代用する方法
- 野菜を蒸す場合、何分くらい蒸せばいいの?
- 野菜といっても葉物から根菜まであるので、一概に何分とはいえません。
目安として「葉物なら2~3分程度」「根菜なら15分程度」が良いと思います。
ただし、じゃがいもなどまるごと蒸す時と、カットして蒸す時は必要になる時間が違ってくるので、長くて15分くらい、硬かったら火を消した蒸し器の余熱で火を通す方法がよいと思います。
- 肉を蒸す場合、何分くらい蒸せばいいの?
- ブロック肉や鶏肉を1枚そのまま蒸す場合は、20分以上かかります。
薄切りにすれば10~15分程度で火が通ることが多いですが、蒸す時に入れる器によっても時間が変わってきます。
耐熱性の厚めの皿やボウルだと2分くらい長めにしたほうがよいですが、あまり蒸し時間を長くすると硬くなってしまうので強火で10分蒸して、火を消して10分など時々火の入り具合を確認しながら蒸した方がいいです。
また、重なっている部分は火が通りずらいので、重ならないようにするか、途中で重なりをずらすなどの工夫も必要です。
- 蒸し器でしか作れない料理ってある?
- 現在は電子レンジで対応できるものが多いので、ほぼないかもしれませんが、私個人としては、饅頭 (マントゥ) という中国の蒸しパンは電子レンジで作れるかもしれないけど、蒸し器で作った方がふくらみが違うと思います。
あとはしゅうまいも蒸し器がおすすめですが、ホットプレートで野菜を敷いてしゅうまいをのせて蒸し焼きにする方法があるので、基本的には蒸し器でしか作れない料理はないかもしれないですね。
- 冷凍食品を蒸すことはできる?
- 冷凍の野菜や肉まんは蒸すことが可能です。
冷凍のブロッコリーや枝豆は3分ほど蒸したくらいでちょうどよく茹であがりました。
ただ、惣菜など電子レンジと違うので中心まで火が入るまで時間がかかるので「蒸しても作れる」と書いてあるもの以外は表示されたとおりに調理した方がいいです。
- 蒸し料理のレシピってどこで調べてる?
- 私個人はクラシルやCOOKPAD、デリッシュキッチンなどを参考にしていますが、蒸し料理で検索しても電子レンジを使用するものが多いので、レシピは参考程度にし、あとは自分で時間を調整しながらやっています。
基本、蒸し料理は、食材を蒸すだけなので、調味料などはほぼ後からなんとでもできるものばかりです。
蒸し時間等はちょっと短いくらいから食材の様子を確かめつつ、自分の蒸し器のクセなどを見つけてみましょう。
まとめ
蒸し料理とは蒸気で食材に火を通す料理です。
調理する際に油を使用することがほぼないため、ヘルシーな料理になりますが、食べる時に高カロリーなドレッシングを使うと、ヘルシーではなくなってしまうので要注意です。
ほぼどんな食材でも蒸して調理することはできますが、蒸し時間には注意が必要です。短すぎると生のままだったり、長すぎるとどろどろに溶けてしまったり色がくすんでしまったりするので、途中途中での確認はするようにしましょう。
また専用の蒸し器を使わなくても、フライパンや電子レンジでも調理可能なレシピが多く世の中にはあるので、蒸し料理は初心者でも作りやすい料理です。
蒸し料理は初心者からベテランまで簡単で難しい料理ですが、ちゃんと火が通っているかどうかさえ確認すれば、失敗はほぼないので安心して作ることができます。