節分といえば豆まき。豆まきに使うのは一般的に大豆とされていますが、実は地域によっては別の豆を使うこともあります。そこでこの記事では、どんな地域でどの種類の豆を使うのかを解説。豆まきのルールや正式なやり方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

福豆だけじゃない!? 節分に使う豆の種類は地域で違う

大豆が山盛りになっている様子

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節分の豆まきに使われる大豆。しかし、地域によって大豆を使用しないところがあるのは、ご存じでしょうか。この記事では、節分の豆まきに使われる豆の種類について解説します。記事後半でご紹介する豆まきの正しいやり方やルールについても要チェックですよ。

地域によって節分でまく豆の種類は異なる

節分の豆まきといったら多くの人がイメージするのが、「福豆」と呼ばれる大豆ではないでしょうか。しかし、一部の地域によっては豆まきに大豆ではなく、落花生を使用します。なぜ落花生を使用するのか、どのような地域で使用されているかについて見ていきましょう。

ほとんどの地域では「大豆」を使う

豆まきに大豆を使用する地域は、関東や関西、四国、中国地方です。九州や中部地方は県により、大豆と落花生のどちらを使われるか分かれています。とある調査では日本全体の6割以上と、多くの地域で豆まきに大豆を使用していますよ。

一部地域では「落花生」を使う

豆まきで落花生を使うのは、北海道や東北地方などの雪国が多いです。また、鹿児島県や宮崎県などの九州地方の一部の県でも落花生を使います。ちなみに、落花生の生産量が全国1位の千葉県は、大豆で豆まきをする家庭がほとんどだそうですよ。

なぜ落花生をまくの?理由とメリット

豆入れに落花生が入っている様子

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豆まきに落花生を使う地域には、どのような特徴があるのか気になりますよね。大豆ではなく、落花生を使うメリットもあるので紹介していきます。

雪国で落花生が使われるワケと意外なメリット

雪国で落花生がまかれている理由のひとつが大きさ。大豆に比べて大きい落花生は、雪の上にまいたあとも見つけやすいというメリットがあります。また、殻に包まれているので、衛生的なのも好まれる理由です。まき終わったら拾い、殻をむいて中の豆を食べることができますよ。

産地があるから落花生を使うことも

落花生の生産量が多い県として、有名なのが千葉県ですよね。千葉県のほかにも、鹿児島県や宮崎県でも落花生は生産されており、生産量は全国トップクラス。節分の豆まきで落花生を使う理由のひとつとして、「地元で落花生の生産量が多い」ということもあるようです。

節分に豆をまく理由・由来

節分は、立春の前日という季節の変わり目の行事です。昔から季節の変わり目には、病気や災害などの予期せぬ出来事が起こりやすいとされてきました。この予期せぬ出来事(=邪気)を鬼に見立てて払うのが節分です。

節分に豆まきをするのは、鬼=邪気を払うため。米や麦などの五穀には精霊が宿っているとされていて、そのなかでも粒が大きく、多くの精霊が宿るといわれているのが大豆。そのことから、節分の豆まきには大豆が使われるようになりました。

節分の豆まきの基本ルールとは

豆に鬼のお面が添えられている

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豆まきには、使う豆の種類やまく時間などに関して、いくつかの基本ルールがあります。それぞれ、どのような決まりがあるのか詳しく確認していきましょう。

豆まきには「炒り豆」を使うのが基本

豆まきは、基本的に炒った豆を使うものと決められています。炒り豆を使う理由はさまざまですが、語呂合わせから来ているという説が広く知られています。

「豆」を「魔(ま)を滅(め)する」、炒り豆の「炒る」を「射る」にかけて、「魔目を射る=邪気を払う」という意味を持たせているのだとか。もしも、炒り豆ではなく、落花生を使う場合は殻付きのまままいて大丈夫ですよ。

豆まきをする時間帯

豆まきは、できるだけ夜におこなうようにしてください。鬼を払うため、鬼が出るとされる夜の時間帯に豆をまくのが理想です。

昔から鬼が出やすいのは深夜2時~4時の間といわれてきました。しかし、深夜に豆まきをおこなうのはむずかしいので、現在では夕飯が終わった20~22時の間におこなうのが一般的です。

節分に食べる豆の数

節分では、数え年の数だけ豆を食べることになっています。昔は1月1日に全員が年を重ねると考えられてきました。現代の考え方でいうと、「今の年齢にプラス1個」して豆を食べればいいでしょう。ただし厳格な決まり事ではないので、1個プラスしないで年齢の数だけ食べてもいいですよ。

落花生の場合は、中に入っている豆の数を年齢分食べるか、1房を1個とカウントして年齢分食べるかという違いがあります。地域によって異なりますが、1房を1個として数え、年齢分地域が多いです。

正式な豆まきのやり方

豆に赤鬼と青鬼のお面が添えられている様子

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実際に豆まきをするときは、手順も大切です。豆まきの正式なやり方についても見ていきましょう。

1. 福豆を用意する

福豆は日が暮れるまでに用意しましょう。自分で豆を炒る場合は、前日の夜までにおこないます。炒った大豆を枡やお供え用の器に盛り、神棚に上げておけば完成です。神棚がない場合は、目線より高いところに白い紙を添えて飾っておきましょう。また、手作りするのが大変な場合は、市販のものでもOKです。

2. 家族で役割を決める

続いて、豆をまく人と鬼役を決めます。豆をまくのは一般的に、その家の主人と決められています。もしくは、厄年の人や年女・年男がまくのも縁起がいいといわれていますよ。鬼役がいない場合は、無理に用意しなくても大丈夫です。目に見えない鬼を退治しましょう。

3. 家の内側から外側に向かって豆をまく

玄関や窓を開けた状態で、一番奥の部屋から順番に豆をまいていってください。鬼を家の外に追い出すようなイメージで、家の奥側から玄関に向かって豆をまいていきます。豆をまくときの掛け声である「鬼は外」を言いながらまきましょう。

4. 家の外側から内側に向かって豆をまく

最後に、家の外側から内側に向かい「福は内」と豆をまきましょう。家の中に幸運をたくさん入れ込むイメージを持ちながらやってみてくださいね。豆をまき終わったら、すぐに玄関や窓を閉め、福が逃げないように閉じ込めましょう。

節分に使う豆が余ったらどうする?

豆まき後に福豆が残ってしまったら、アレンジして無駄なく消費してくださいね。福豆はおかずやスイーツにアレンジ可能です。たとえば、炊き込みごはんの具材にしたり、ミキサーで砕いて手作りきな粉を作ってみたりしてはいかがでしょうか。さまざまなアレンジを楽しみましょう。

ルールに沿って節分の豆まきを楽しもう!

節分の豆まきには、多くの地域で炒った大豆を使います。しかし、一部の地域では落花生を使うこともありますよ。邪気を払い、福を呼び込むためにする豆まきは、時間帯や手順などを守ることも大事です。しっかりとルールを確認したうえで、豆まきを楽しんでくださいね。

※商品情報や販売状況は2022年11月29日時点でのものです。
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