「丸い」と「円い」の違いとは?
「まるい」という日本語を漢字に変換すると「丸い」「円い」という二通りの候補があることがわかります。
この両者に意味の違いはあるのでしょうか?
まずは辞書を引いてみましょう。
まるい[丸い](形)
①たまの形をしていて、かどがないようすだ。
「ー石・ーあご・せなかを丸くする」
②円満だ。おだやかだ。
「争いを丸くおさめる・ー人がら」
③切りのいい。端数のない。
「ー数字」
「三省堂国語辞典 第七版」
まるい[円い](形)
円の形をしているようすだ。
「ー月・ー窓・円く輪になる」
「三省堂国語辞典 第七版」
この三国の説明をシンプルにまとめれば、
- 丸い=球
- 円い=円
ということになると思います。
ただ原則としてはそうであっても、実際に使うときには一筋縄ではいかない部分もあります。
例えば「まるい月」は「丸い月、円い月」のどちらでしょう?
月は球体ですので、さきほどの原則に従えば「丸い月」となります。
ただ私たちが空に浮かぶ月を眺めるときには、バスケットボールのような球体として月を認知している訳ではありません。
「月がまるいなあ」と言うときには、半月や三日月との比較において「まるい」と感じている訳ですから「円い月」と表記してもよいことになります。
実際、満月のことを円月とも言うくらいなので、月の場合は「円い月」の方が自然なのかもしれません。
それでは答案の「まる付け」はどうでしょう?
先生が赤ペンで書き込むのは球ではなく円。しかし「円を付ける」という表記には何だか違和感があります。
やはりこの場合は「丸付け」の方がしっくりくるという人は多いでしょう。しかしその合理的な説明となるとなかなか難しい。
おそらく「丸い」には「円い」の意味を一部包括するような幅広い用法があるのではないかと推察します。
そのあたりの原則を切れ味鋭くすぱっと説明することができたら爽快なのですが、、、妙案はあるでしょうか?
三省堂国語辞典 第七版
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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