【11月17日 AFP】(一部更新)中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は17日、オーストラリア連邦議会で演説し、領有権問題の解決も含め、中国は目的を達成するために武力に訴えることは決してないと明言した。

 オーストラリアで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席を終えた習主席は、豪議員らを前に、発展を続ける大国である中国にとって必要なのは平和だと指摘。紛争によって得をする者は誰もいないことは歴史が証明していると述べた。

「歴史を振り返れば、武力によって国の発展を追求しようとした国は、ことごとく失敗している」

「これが、歴史がわれわれに語っている教訓だ。中国は平和の発展に力を尽くす」

 ただし、習主席は「われわれから平和を奪う可能性のある要因に対しては、常に厳戒態勢を取らなければならない」とも付け加えた。

 また、中国は長年、対話と協議によって領土問題の平和的解決に努めてきたと述べ、「これまでに近隣14か国中12か国と、友好的な協議を通じて領土問題を解決した。中国は今後もこの方針を貫く」と表明した。

 これに先立ち、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領、安倍晋三(Shinzo Abe)首相、トニー・アボット(Tony Abbott)豪首相は16日、3か国首脳会談を行い、領有権問題の平和的解決を呼び掛けた。また、オバマ大統領は15日にも、アジアの「離島や岩礁の領有権をめぐる対立が、紛争に発展する恐れがある」と警告していた。(c)AFP