消火器の使い方と気をつけるポイント

防災 2020.09.28

火災が発生した場合、適切な方法で初期消火を行うことで被害を最小限に抑えられます。初期消火のためには、消火器を設置しておくことと、正しい使い方を知っておくことが大切です。そこでこの記事では、消火器の種類や使い方について解説します。消火器について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

消火器の種類は粉末系・水系・ガス系の3つに大別される

消火器の種類と特徴
消火器の種類と特徴

消火器は、粉末系消火器、水系消火器、ガス系消火器の3つに大きく分けられます。火災も、木材や紙などが燃える普通火災(以下「A火災」という)、油などが燃える油火災(以下「B火災」という)、電気設備などが燃える電気火災(以下「C火災」という)の3つに分けられるため、発生しやすい火災に応じて消火器を選ぶことが大切です。それぞれの消火器の特徴について確認しておきましょう。[注1]

1粉末系消火器は炎の抑制効果が高い

粉末系消火器の特徴は、炎の抑制効果が高いため素早い消火活動ができることです。A火災、B火災、C火災のどれに対しても効果を発揮してくれる、というメリットもあります。

ただし、粉末消火器には浸透性がなく、燃えている物によっては一度消えても再燃する可能性もあるため注意が必要です。放射時間は短めであるため、使い方を把握しておき、炎を的確に狙う必要があります。

2水系消火器は浸透性があるため再燃を防止できる

水系消火器の特徴は、浸透性があるため再燃を防止できることです。冷却効果も高く、放射時間も長めであるため、安心して消火活動を行えます。

水系消火器は、さらに細かく、強化液消火器、中性強化液消火器、機械泡消火器などに分けられます。強化液消火器や中性強化液消火器は、どのような火災に対しても効果を発揮し、天ぷら油や繊維類による火災にはとくに効果的なため、家庭用として最適といえるでしょう。

3ガス系消火器は素早く消火できる

ガス系消火器の特徴は、二酸化炭素による窒息効果を利用して、消火することです。消火薬剤が水や粉末ではなくガスであるため、精密機器や電気設備による火災に対しても使用でき、汚損しないという優位性があります。ただし、木材や紙などが燃えるA火災に対しては不向きであるため注意しましょう。

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消火器の使い方を4ステップで解説

消火器の使い方
消火器の使い方

火災が起きたらすぐに消火できるように、消火器を設置しておくだけでなく、使い方を知っておくことも大切です。ここでは、消火器の使い方を4ステップでわかりやすく解説しますので参考にしてください。

1消火器のレバーの下側を持って運ぶ

火災を発見したら、すぐに初期消火を始めましょう。消火器を持って火元の近くまで移動します。消火器を運ぶ際は、消火剤を噴射してしまわないように、レバーの下側を持ちましょう。

火元に近づくときは、できるだけ姿勢を低くして、炎や煙を避けながら焦らずゆっくりと近づくことも大切です。室内の火災の場合は、逃げやすいよう出口に背を向けて消火します。屋外の火災の場合は、風上から噴射するように注意しましょう。

2消火器の安全栓を引き抜く

火元にある程度近づいたら、消火器の上部に付いている黄色い安全栓を引き抜きます。火元からの距離は、炎の高さの2〜3倍を目安としましょう。住宅用消火器の場合、放射距離は2m程度であるため、あまり離れると効果がありません。

3消火器のホースをはずして火元へ向ける

安全栓を抜いたら、消火器のホースをはずして火元に向けます。炎の上部ではなく、火元に向けるのがポイントです。噴射したときに、勢いでホースの向きが変わらないよう、先端をしっかりと持ちましょう。

4消火器のレバーを強く握って噴射する

ここまでの準備ができたら、消火器のレバーを強く握って消火剤を噴射しましょう。住宅用消火器の場合、放射時間は10〜15秒程度です。火元を狙って一気に消すイメージで噴射しましょう。

消火器に関するQ&A

ここでは、消火器の取り扱いや設置方法についてQ&A形式で解説します。

Q1消火器には寿命はありますか?

消火器の寿命は設置場所などによって異なります。一般的に普及しているABC粉末消火器や強化液消火器の寿命は、10年となります。また、住宅用消火器の場合は5年となります。消火器本体が腐食している場合や、中の消火剤が湿気で固まっている場合などは使えないため注意が必要です。

Q2消火器の薬剤は交換できますか?

業務用消火器(ガス系等を除く)の場合は、薬剤の交換が出来る構造になっていますが、住宅用消火器の場合は交換出来ません。

Q3消火器の最適な設置場所はどこですか?

火災が発生しやすいキッチンや、廊下や玄関などの目立つ場所に設置するとよいでしょう。コンロなどの火元からは離れた位置で、尚且つすぐに使えるよう高所を避けることも大切です。消火器が劣化しないよう、湿度が高すぎる場所は避けましょう。屋外に設置する場合は、専用の格納箱に入れておく必要があります。

Q4不要な消火器は一般ゴミとして捨てられますか?

消火器は特殊な圧力容器であるため、一般ゴミとしては捨てられません。消火器を不法に捨てると、法律で罰せられますので注意が必要です。基本的には、消火器を購入したお店に相談しましょう。また、古くなった消火器を訓練などに使用すると、思わぬ事故につながる可能性があるため絶対に避けましょう。

消火器の処分・リサイクルは、手順や窓口が整備されており、下記の日本消火器工業会のHPをご参照下さい。

Q5消火剤が目や鼻に入ったときはどう対処すべきですか?

消火剤が目や鼻、口などに入ると、目がかゆくなる、鼻水が止まらなくなる、のどが痛くなる、といった症状が出るケースもあります。水で洗ったり、うがいをしたりすると治まることもありますが、念のため、医師に相談するとよいでしょう。

用途に合った消火器を設置して火災を防止しよう!

今回は、消火器の種類や使い方のポイントを解説しました。消火器には、粉末系消火器、水系消火器、ガス系消火器といった種類があります。再燃を防止できる、素早く消火できるなど、それぞれに特徴があるため目的に合わせて消火器を選ぶことが大切です。

消火器を購入した場合は、火災が発生しやすいキッチンや、廊下や玄関などの目立つ場所に設置しましょう。また、消火器を設置しておくだけではなく、いざというときに使えるよう、操作方法を把握しておくことも重要です。今回紹介した使い方を参考にして、焦らずに初期消火ができるよう準備しておきましょう。

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