結城アイラさん3rdアルバムインタビュー

人気アニメの主題歌多数! 2年振りALのテーマは“願い――結城アイラさん3rdアルバムインタビュー

 「いままでで一番パーソナルな部分をさらけ出したアルバムになりました」──柔らかな表情でそう語ってくれたのは、人気アニメの主題歌などで知られるシンガー・結城アイラさん。2012年11月21日(水)に約2年振りとなる3rdアルバム『For My Dear…』をリリースする。

 今作には『星が永遠を照らしてる』(アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』第一章ED主題歌)、『悲しみは誰の願いでもない』(テレビアニメ『境界線上のホライゾンII』ED主題歌 -Side Sunset-)などのタイアップ曲10曲+オリジナル曲3曲を収録。オリジナル曲では作詞・作曲にもチャレンジし、ソングライターとしての実力も発揮している。

 どんな想いでアルバムを制作したのか、今なぜパーソナルな想いを伝えたかったのか──結城さんに直撃した。

●人気アニメの主題歌多数! 2年振りALのテーマは“願い”

――アルバム発売おめでとうございます! 年内に3rdアルバムが聴けるとは思わなかったので驚きました。

結城アイラさん(以下、結城):ありがとうございます! 急遽決定したことこともあってお知らせするのが遅くなってしまったんですけど……。実は前回のシングル『悲しみは誰の願いでもない』(テレビアニメ『境界線上のホライゾンII』ED主題歌 -Side SunSet-/8月8日発売)をリリースした段階ではまだアルバムを出すことが決まっていなかったんです。

 でもタイアップ曲がたまっていたので、いつでもアルバムは作れる状況だったんですよね。「アルバム作りたいな~」って言ったら「じゃあやってみる?」って返事をいただいて、すぐに作ることが決定しました(笑)。

 そのときにマックスで収録できて13曲と言われたので「じゃあマックスでお願いします!」と(笑)。それでタイアップ曲10曲プラス新曲3曲を収録することになって、新曲のうちの1曲を作詞・作曲させてもらう予定だったんですけど……新曲2曲を聴いたら「作詞もしたい!」と思ってしまって、結局3曲全部作詞をさせてもらいました。そしたら制作がギリギリになってしまって(苦笑)。

――でもその結果素晴らしいアルバムができあがったワケで。しかしなぜこのタイミングで「アルバムを作りたい!」と思ったんでしょうか。

結城:このアルバムを作るきっかけになったのは、『悲しみは誰の願いでもない』のc/w『Letter Song』だったんです。『Letter Song』はタイトルのごとくお手紙の歌で、みんなからもらっているお手紙の返事になるような、みんなへの感謝の気持ちを歌った曲なんですけど、この曲を作るときに初めて自分の意見を入れていただいたんです。自分の想いをかなりダイレクトな形で作詞家の松井洋平さんに詞にしていただいて、自分の好きな雰囲気の曲調にしてもらって……こういう曲ができたことが私のなかではすごく大きい出来事だったんですね。

 そのときに「もっとこういう曲を作りたいな」「もっと自分の気持ちをみんなに伝えたいな」って素直に思えて「作詞・作曲にもチャレンジしたいです」っていうお話をさせてもらって。もう怖さみたいなモノはなくて、ただただ挑戦したいなって気持ちでした。それがアルバムを作るきっかけでしたね。

――アルバムのテーマは “願い”“祈り”だったそうですが、これはどういう理由だったんですか?

結城:タイアップの曲をまとめていったときに“信じてる”“希望”“願い”って言葉が散りばめられていたのが自分でもすごく印象的だったんですよね。その“願い”って今の世のなかに通じるモノもあると思うんです。震災で落ち込んでいる時期が続いているけど、音楽で勇気付けられたらいいなっていうのはずっと思っていたので……。アルバム全体を通してそういうことが言えたらいいなと思いました。

――制作は順調に進みました?

結城:……それが……曲が書けなかったんですよ(苦笑)。5年振りの作詞・作曲活動だったので、なかなか手が進まなくて。でもその時点で9月に入っていたのでかなりギリギリの進行だったんです。アーティストの友達に会って「作詞・作曲ってみんなどうやってやってるの~?」って聞いたりもしました(笑)。そうやって周りからアドバイスをもらいながら、自分を追い込んで追い込んで……やっと『心にあるキラキラを忘れないで』ができあがったんです。実は全部で8曲書いたんですよ。その中でこの曲が選ばれて。

――『心にあるキラキラを忘れないで』は<大丈夫、もうひとりじゃないよ>という、そっと背中を押してくれるような歌詞が印象的なミディアム・ナンバーで。

結城:実はこの曲は昔から温めていた曲だったんです。ほかに作った楽曲も“願い”“祈り”をテーマにした同じようなテイストの曲だったんですけど……この曲がいちばん素直な曲だったんですよね。

 実はこの曲2回しか録ってないんです。アコースティックで空気感のあるオケなので歌もライヴ感を出したいなと。だからあっという間にレコーディングが終わっちゃいました。あんなに悩んでいたのがウソみたいに(笑)。でも、この曲ができたことで自信につながって、『For My Dear…』『私だけの魔法の言葉』はすぐ書けたんです。そこからは早かったですね。

――タイトル曲『For My Dear…』はサビに向かってドライブ感が増していくような、ダイナミックでパワフルな楽曲ですよね。

結城:1曲目以外考えられない!っていうような展開ですよね。今までの曲にないくらいの疾走感があって「大海原」って言葉が似合うような楽曲だったので、逆に「絶対にその言葉を入れないぞっ!」って思って歌詞を書きました(笑)。もらって2時間くらいで書けあげちゃいましたね。最初の英詞の部分は苦労しましたけど(苦笑)、みんなへの素直な想いを書きました。「出会ってくれてありがとう」というか……タイトルの通り「親愛なる皆様」に向かって書いた感謝の曲です。ライヴの風景も思い浮かぶような楽曲だったので、ライヴのときのみんなの表情を想像しながら作詞をして。すごく前向きな楽曲になりました。

――『私だけの魔法の言葉』は結城さんの「秘密の呪文」から始まるノスタルジックでキュートな曲で、個人的には小さいころのおまじない遊びを思い出しました(笑)。

結城:そうなんですよ! 小さいころっておまじないをよくしていたじゃないですか。でも大人になったらそういう遊びってしなくなっちゃったので……子供のころを思い出してくれたら嬉しなと思いつつ、この呪文を作ってみたんです。 “ほかにこの言葉ないよね、ヨシ!”って何度も検索しながら作りました(笑)。

 『私だけの』とは言わせていただいていますが、みんなも使って良いですよ(笑)。ちょっとイヤなコトがあったときにこの言葉を唱えたらちょっと前向きになれる……かもしれません(笑)。

――(笑)新曲のほかにも個性豊かなタイアップ曲が顔をそろえていますが、やはり『悲しみは誰の願いでもない』と『星が永遠(とわ)を照らしてる』(アニメ 『宇宙戦艦ヤマト2199』 第一章ED主題歌)は大きなポイントになっているように思います。

結城:そうですね。この2曲は歌を歌っていくうえでのポイントになった曲だなぁと思っています。もともと好きな作品のテーマ曲になっただけに思い入れも強かったです。『悲しみは誰の願いでもない』は、レコーディングで初めてシャウトしたり、力強く歌ったり、「こんなにパワーのある曲初めて!」っていう曲で。

 逆に『星が永遠を照らしてる』はヤマトへの思いが強すぎて初めてレコーディングで泣いてしまった曲で……なんだか両極端ですね(笑)。先日のヤマトのイベント(ヤマト音楽団大式典2012)でも『星が永遠(とわ)を照らしてる』を歌わせてもらったんですけど、改めて「ああ、この曲は大切な曲だなぁ」と思いました。

――「星」という言葉がタイトルに入っているもうひとつの曲『星を求めて』(OVA『装甲騎兵ボトムズCase;IRVINE」主題歌』はしっとりとした切ないバラードで。

結城:これは偶然なんですけど、制作陣が『星が永遠を照らしてる』と同じチームだったんですね。だからきっとみんな「結城さん、また星かー」って思っていたんじゃないかな(笑)。重いテーマの曲なんですけど、その重さを出さないように敢えてライトに歌った曲です。

――ところで『DestiNAtion Destiny』(PS Vita専用ソフト『特殊報道部』ED主題歌)はアルバムのなかでいいフックになってますよね。

結城:そうですね。今聴いてもアルバムのなかでは変わり種というか(笑)、いいアクセントになっている曲です。最初はもっとR&Bっぽい雰囲気の仮歌だったので「これを私のモノにできるのかな?」って不安もあったんですけど、ゲームの内容を聞いてから改めて曲を見直したら「この曲でエンディングを迎えられたらいいかもしれない……」ってワクワクしてきて(笑)。そのワクワクが伝わるようにレコーディングでは楽しく歌ってみました。
あと『妄想STAY』(テレビアニメ『花咲くいろは』次郎丸太郎イメージソング)のレコーディングもすごく楽しかったな。ジャジーな雰囲気だったので、リラックスしながら楽しく歌わせてもらいました。

――アイリッシュな曲調の『Snow Veil Polka』(PS2専用ソフト『猛獣使いと王子様 ~Snow Bride~』ED主題歌)もすごく楽しそうな雰囲気ですよね。

結城:そうですね。ケルトの舞踊っぽい楽曲で。「みんなで手を繋いで踊ろう!」みたいな雰囲気の曲なので私は勝手にフォークダンスソングって呼んでいるんです(笑)。歌っていると頭のなかに『マイム・マイム』が浮かんじゃうんですよね~(笑)。

 楽しい楽曲が今回のアルバムには何気に多いんですよ。かと言って似たような曲もないので、自分で聴いていても楽しくて。13曲ありますけど、あっという間に終わっちゃいました。初めて聴くかたも楽しめるんじゃないかな。

――粒ぞろいの名曲が揃っていますけど、バラつきがないですよね。しかも、間口が広い上に結城さんのパーソナルな部分も知れる貴重な作品にもなっています。

結城:そう言っていただけると嬉しいですね。タイアップ曲が多いのである意味ベスト盤に近い作品になったんじゃないかな。いろいろなカラーの曲があるんですけど、不思議と共通点があるんですよね。

 パーソナルな部分をさらけ出したアルバムなので、ファンのかたは「おっ、どうした?」って思うかもしれないですけど……。私を知らなかった人にも「こんな感じの人なんだ」って伝わるアルバムになったと思います。このアルバムを聴いてからブログを読んでくれたら納得してもらえるんじゃないかな(笑)。

 そういうこともあってジャケットは部屋みたいな雰囲気にしたんですよ。……「こんな部屋に住めたらいいなぁ」っていう感じですけど(笑)。そのなかで手紙を書いているっていう。せっかくだから、歌詞カードの中身は私の字でいっぱいにしました。

 あとお茶を飲んでいる写真が載ってたりします(笑)。全体的にリラックスしている写真が多いですね。「こういう感じで作詞をしているのかなぁ」って想像してもらえれば嬉しいです。ほかにもいろいろな写真を撮ったんですが、それは購入特典で見てもらえると思います。アニメイトさんの特典にも付きますので、ぜひ(笑)。
 
――(笑)では最後にメッセージを!

結城:タイトルの通り、親愛なるあなたへという想いをこめて作らせてもらったアルバムです。私なりの挑戦をたくさんしているので、私からの想いを受け取ってもらえたら嬉しいですね。

――ありがとうございました!

<発売情報>
◆『For My Dear……』/結城アイラ

発売日:11月21日(水)
レーベル:ランティス
発売元:ランティス
販売元:バンダイビジュアル

【収録曲】
1.For My Dear... (新曲/作詞:結城アイラ)
2.LAMENT~やがて喜びを~ (テレビアニメ『伝説の勇者の伝説』OP主題歌)
3.私だけの魔法の言葉 (新曲/作詞:結城アイラ)
4. 星が永遠(とわ)を照らしてる (アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』第1章ED主題歌)
5.Double Bible (PCゲーム『ルートダブル-Before Crime*After Days-』OP主題歌)
6.DistiNAtion Destiny (PS Vita専用ソフト『特殊報道部』ED主題歌)
7.悲しみは誰の願いでもない (テレビアニメ『境界線上のホライゾンII』ED主題歌 -Side Sunset-)
8.Rondo Carrousel (PCゲーム『ルートダブル-Before Crime*After Days-』ED 主題歌)
9.Snow Veil Polka (PS2専用ソフト『猛獣使いと王子様~Snow Bride~』ED主題歌)
10.妄想STAY (テレビアニメ『花咲くいろは』次郎丸足ろうイメージソング)
11.星を求めて (OVA『装甲騎兵ボトムズCase;IRVINE』主題歌)
12.Letter Song (テレビアニメ『境界線上のホライゾンII』ED主題歌-Side Sunset- C/W)
13.心にあるキラキラを忘れないで (新曲/結城アイラ作詞・作曲)

<ライヴスケジュール>
●『KINGRUN presents アニソンキング』

2012年12月31日(月)
会場:新宿文化センター

●「結城アイラ&しほり presents ラブリィ(ハート)シフォン2」
日程:2013年2月2日(土)
会場:The1633 Tokyo


>>結城アイラ - Space Craft Group
>>結城アイラ オフィシャルサイト
>>結城アイラオフィシャルブログ「アイラ部屋」

[文・逆井マリ]

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