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製造現場

工場の品質保証(QA)が行う仕事と品質管理(QC)との違い

工場の品質保証(QA)が行う仕事と品質管理(QC)との違い

企業間の競争がグローバルなものになり、安さだけで売れる時代は過去のものとなりつつある今、工場では高品質な製品を作るべく品質保証(QA)と品質管理(QC)が重視されています。

QAとQCは似た用語ですが、2つの業務にはどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、QAが行う仕事内容を中心に、QAとQCの違いを詳しく解説します。

1.工場に欠かせない品質保証(QA)とは

品質保証は、英語表記のQuality Assuranceの頭文字をとってQAと表されます。

QAは工場で作られた製品の性能や機能を保証する一連の作業を指し、顧客が安心して製品を使用できるように、期待される品質基準を満たしているかチェックして保証する役割を担っています。

その品質基準として、国内の代表的な規格には、日本産業規格(JIS)や電気用品安全法(PSE)などがあり、国際規格ではISO9000シリーズがよく用いられています。

ISO9000シリーズには、ISO9001やISO19011など5種類の規格があり、どの品質基準を採用するかを決定することもQAの重要な仕事のひとつです。

2.品質保証(QA)と品質管理(QC)の違い

QAとよく混同される活動がQC(Quality Control)です。

QCは、品質を一定水準に保つための管理方法のことで、QAが策定した品質基準に沿って科学的に製品検査・テストする仕事を指します。

一見似ているように思われるQAとQCですが、次の3つの点で違いがあります。

時間軸

QAが製品企画から販売後まで品質を保証するのに対し、QCは製品完成の前までに品質向上を目指します。

つまり、QAは長期的、QCは短期的に品質強化に取り組む仕事であり、このことから最近ではQAの中にQCを内包している企業が多くなっています。

責任

QAは製品が市場に出た後の品質も保証するため、製品を使う顧客に対して責任を負います。一方、QCは製品完成前までに検査を行い、品質基準を満たしているかチェックするため、市場に製品を出す時点の品質基準に責任を持つという違いがあります。

業務範囲

時間軸でも述べたように、QCに比べてQAの方が圧倒的に長い視点で品質保持を目指しています。

そのためQAの方が業務の幅が広く、製品の企画段階から原料の選別、生産、出荷、販売、さらにはアフターサービスまで携わり、多岐に渡る仕事を担当します。

3. 工場の品質保証(QA)が行う仕事

もともと、製品の品質向上はQCが受け持っていました。ところが製品完成までしか品質をチェックしないQCでは、出荷後にトラブルが発生した場合、返品や補償、クレーム処理といった業務に多大なコストと時間がかかってしまいます。

そこで企画段階からアフターフォローまで徹底した品質管理を行うことで販売後のリスクを低減させようと、QAが主流となってきました。

こうした背景から、QAはQCにはなかった「ユーザー視点」「コストパフォーマンス」を重視し各業務にあたっています。

ここでは、生産段階ごとにQAの業務内容についてご紹介します。

企画

製品の生産が決まったら、まず顧客ニーズを分析し、求められる品質を満たす製品の企画を行います。顧客ニーズの把握には、過去の購買データやこれまでのクレーム内容などを活用します。

設計

不良品が発生しにくい設計を行い、それに準じてデザインを検討します。このとき、JISやISOといった規格から品質基準を設定し、どの工程で品質基準を行うかも同時に決めます。

材料調達

次に、完成した設計図を元に必要な材料を選別して調達します。例えば、工業製品の場合は原材料の安全性、食料品の場合は産地や農薬などがチェック事項です。

生産

生産工程に入ると、品質管理業務におけるQC工程表の作成や、品質検査を行います。品質検査の結果、規格から逸脱していれば原因の究明と対策立案を行い、さらに工程監査や内部監査も遂行します。

出荷

製品が完成したら、当初に策定した品質基準を満たしているか最終チェックを行います。規格を満たしていれば出荷し、満たしていなければ不良品となった原因を究明して工程改善に取り組みます。

市場調査

実際に販売された後は、アフターサービス部門から購入者の反応をヒアリングして、顧客の満足度や不満点を収集・分析することで今後の製品改良に役立てていきます。

リコール

製品に不具合があり、使用上大きな影響があると判断した場合は、ただちに回収業務を行います。リコールが必要かどうかの判断もQAの仕事のひとつです。

顧客対応

製品に付属する取扱説明書の作成や、カスタマーセンターの設置などもQAが行います。大企業では専門のコールセンターなどに外注する場合が多いですが、中小企業ではQAが自ら顧客対応を行うケースも少なくありません。

顧客から受けた問い合わせやクレームから、品質向上に役立つ情報を分析して今後の生産活動に役立てます。

4. まとめ

QAとQCは品質強化を受け持つ重要な活動です。一見すると両者は似ていますが、従事する生産過程や業務範囲などに違いがあります。

QAは製品の企画から販売後の顧客フォローまで携わり、顧客が安心して製品を利用できるように長期的な視点で品質向上に努めます。

一方、QCは製品完成前に検査やチェックを行う業務を指し、品質規格を満たしているか科学的に確認することで品質保持に貢献しています。

QCの仕事内容のほとんどはQAの中に内包されるものであり、QCに比べてQAの方がより高い水準の知識が求められます。

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