景気「悪化」、揺らぐ回復シナリオ 増税にも不透明感

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高橋末菜 木村聡史 森田岳穂 大久保貴裕 木村和規
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 景気動向指数の基調判断が約6年ぶりに「悪化」となり、「景気後退」に向かうかどうかの分かれ目に立っていることが、鮮明になった。政府が思い描く中国経済頼みの回復シナリオも揺らぐ。先行きを楽観できないなかでも、政府は10月の消費増税を予定通り実施する構えだが、その判断に影響する可能性は残る。

 「中国経済の減速が効いている」。内閣府の担当者は記者会見で、景気動向指数で指標の多くが悪化した理由を、こう説明した。

 世界経済を引っ張ってきた中国の変調が日本に波及してきたのは、昨年末ごろからだ。スマートフォンなどに使われる半導体や、自動車用の部品、工場用のロボットなどの中国への輸出が鈍り、国内の生産活動や出荷が停滞。鉱工業生産指数などの悪化が目立つようになった。

 ただ当初は一過性との見方が多く、政府も今年1月に「戦後最長の景気拡大に達した可能性がある」と宣言。ところが、その直後から経済指標が悪化する流れがさらに強まり、統計の動きを機械的に反映した景気動向指数の基調判断も、もっとも厳しい「悪化」に引き下げとなった。

 ピークを迎えた2019年3月期の決算では、製造業を中心に警戒感を訴える声が相次ぐ。

 マツダの丸本明社長は「中国…

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