早生まれの子は勉強やスポーツで苦労する――そんな話を聞くことがあります。入学シーズンを前に、親としては気になるところ。専門家の意見を聞きました。

 「早生まれ」とは、1月~4月1日生まれの子。筆者の長女(6)はその4月1日生まれで、あと7時間遅く生まれればひとつ下の学年だった。学年で最も「幼い」ことが、学力や運動面でハンデにならないのだろうか。

 まず心配なのは運動面。体は父親に似て大きい娘だが、保育園の頃は体操教室で同級生についていけず、よく泣いていた。小学校に入ってもドッジボールなどの球技や縄跳び、跳び箱は苦手なままだ。

 「生まれ月による運動面のハンデが大きいことは、プロ野球選手の数からも明らかです」と話すのは、東京農業大の勝亦(かつまた)陽一准教授(発育発達学)。勝亦さんが約2200人の選手を調べたところ、4~6月生まれが34%、7~9月が30%、10~12月が20%だったのに対し、1~3月生まれは16%だった。野球人口は小中高と年齢が上がるにつれて早生まれの比率が大きく減っていくという。

 これは「チームスポーツでは勝つために体力的に優位な子が起用され、生まれ月の遅い子がやる気を失って競技を離れてしまうことが考えられる」からだと勝亦さん。「プロで活躍する可能性のある人が生まれ月のために機会を奪われている」と指摘します。

拡大する写真・図版東京農業大の勝亦陽一准教授=東京都世田谷区

 やはり運動面の不利はあるのか……。ショックを受けていると、勝亦さんが意外なデータを教えてくれた。

 実は、狭き門を勝ち抜いてプロ…

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