4月の完全失業率2.8%、男女でみると異なる動き

山本恭介 岡林佐和
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 総務省が28日発表した4月の完全失業率季節調整値)は2・8%で前月より0・2ポイント悪化した。男女別にみると男性が3・2%で0・4ポイント増と大きく悪化。女性は2・3%で0・1ポイントの改善だったが、新型コロナ禍で厳しい雇用環境が続いており、注意が必要だ。

 完全失業率は、労働力人口に占める完全失業者の割合を示す。仕事がなくても職を探していなければ、完全失業者にも労働力人口にも数えられない。

 男性の悪化は完全失業者が122万人と前月より14万人増えた影響が大きい。だが労働力人口は3806万人と6万人増え前月の26万人減から増加に転じた。新型コロナ禍で職探しをあきらめた人が増えた懸念も出ていたため、前向きな材料だ。総務省によると、定年を迎えた人や勤め先の都合で雇用を切られた人などが新たに仕事を探しはじめた可能性があるという。

 一方、女性が改善したのは完全失業者が71万人と2万人減ったためだ。ただし労働者人口は3054万人で10万人減と2カ月連続で減少し、職探しをあきらめている人がまだ相当数いる可能性がある。総務省の担当者は「新型コロナの影響で、女性が多く働く飲食などの対面サービスの非正規雇用はなお厳しい状況にある。そのため、いまなお女性は仕事を探せていないのでは」と話す。

 一方、厚生労働省が同日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1・09倍で前月より0・01ポイント低下した。今年1月以降、1・09~1・10倍とほぼ横ばいで推移している。

 業種別の新規求人数は、宿泊業・飲食サービス業が前年同月比で2・9%増えた。プラスは19年10月以来1年6カ月ぶり。ただ、教育・学習支援業の43・6%増、製造業の32・8%増などと比べると低い水準が続き、業種間の格差が大きいままだ。(山本恭介、岡林佐和)

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