財政議論の最高顧問に安倍元首相 再建派は風前のともしび

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楢崎貴司
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 自民党内で財政出動を重視する積極財政派が勢いを増している。先の総裁選で大規模な財政出動を訴えた高市早苗政調会長は、党の財政再建推進本部から「再建」の文字を削って改組し、安倍晋三元首相を最高顧問に迎えて再始動させた。財政再建派は風前のともしびだ。

 1日午後、高市政調会長のもとで衣替えした「財政政策検討本部」の議論がスタートした。党本部であった会合で冒頭のあいさつに立ったのは、最高顧問に就いた安倍元首相。「コロナ禍で傷んだ経済を回復させ、(日本は)先進国の中で最も(雇用を)守っている。積極的な財政出動の成果でもあるのではないか」と胸を張った。

 安倍氏は11月11日の安倍派の会合で「(国が直接財政負担する)真水で30兆円を上回る予算が必要」と大規模な経済対策を訴えていた。その言葉を象徴するように、同本部の役員には高市氏ら積極財政派がずらりと並んだ。年明け以降に提言をまとめ、政調会長に出すことになった。提言には、新たな借金に頼らずに政策経費をまかなえるようにする「基礎的財政収支プライマリーバランス=PB)の黒字化」とは別の指標を検討すべきだとの意見も出た。

 本部長に就いた西田昌司政調…

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