民主主義国ではあり得ない形骸化国会 野中尚人さんらに聞く元凶とは

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聞き手・池田伸壹 聞き手・高重治香 聞き手 編集委員・豊秀一
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 国民の多様な意見を吸い上げて全体の利害を調整すべき場なのに、政府や与野党の議論はかみ合わず、形骸化する国会審議。問題点はどこにあり、審議の活性化には何が必要なのか。

識者3人の論考です。野中尚人さんは、ほかの民主主義国では見られない特徴を指摘します。上西充子さんは、野党による権力監視のあるべき姿を語り、只野雅人さんは「討論しない国会」の弊害について論じます。

多様な意見 討論してこそ 野中尚人さん(政治学者)

 いまの与党、具体的には自民党の事前審査制度は、日本政治の大きな問題です。

 法案が国会提出される前に、細かく各省庁と自民党が調整し、細部まで法案を固めます。ほとんどの場合、審議スケジュールをめぐる野党による抵抗はあっても、その法案が最終的には修正されずに多数決で可決、成立します。それが、国会、特に与党による討論を不活発にしている要因だと指摘されてきました。

 そもそも、国会、議会とは何でしょう。ほかの組織とは異なる議会の本質的な特徴とは何なのでしょうか。

 例えば「話し合いをする」と…

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